重機の遠隔操作で人手不足と労働環境が改善 ~5Gで変わる未来のカタチ:土木建築編~
ショベルカーやクレーンといった重機を動かす土木・建設の現場は、過酷な労働環境という悪いイメージを持たれることもある仕事ですが、5Gによってそのイメージが大きく変わるかもしれません。4K・8K映像や、振動を感じるセンシング技術と組み合わせた、重機遠隔操縦は現場仕事を大きく変える可能性を秘めているようです。
どんな技術が生まれているのか? 働き方がどのように変わっていくのか? MdNコーポレーションから出版された『これからの5Gビジネス』石川温/著の1セクションの転載にてご紹介します。
建築現場の重機を遠隔操作するしくみ
2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2025年に大阪で開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)に向けて、建設ラッシュが続く日本。建設現場では、常に労働者不足に悩まされています。
そんな中、建設現場の労働者不足にも5Gが役立とうとしています。
NTTドコモとコマツ、KDDI・大林組・NECは、ショベルカーなどの建設機械を遠隔操作できるしくみを開発しました。工事現場などに5G基地局を設置、ショベルカーに5G通信機器と複数のセンサー、4Kカメラを装備しています。
これにより5Gネットワークを経由し、オペレーターが遠隔でショベルカーを操作できるのです。オペレーターは4Kの高精細な映像を見ながら、センサーが感じた振動などもrealに把握できるので、実際に乗っている感覚で操作できます。
午前は沖縄、午後は北海道でショベルカー操作も
5G通信に対応することで、たとえば、オペレーターは東京の会社にいながら、午前中は沖縄、午後は北海道にあるショベルカーを操作することも可能になります。
また、港湾の岸壁に設置されているガントリークレーンも、5G通信で遠隔操作ができるようになれば、「一度、クレーンの運転席に座ってしまうと、長時間、トイレにも行けなかったが、好きな時にトイレに行ける」(開発担当者)と言います。
より快適な労働環境を提供し、作業員を安定的に確保するのにも5G通信が役立つのです。
まとめ
5Gによる遠隔操縦や自動操縦といった技術は、建設以外の分野でも期待されているところであります。どこにいても仕事ができるとなれば、日本にいながら海外のインフラ建設プロジェクトに関わるなんてことも、がぜん現実味が出てきます。
重機パイロットが子供のなりたい職業上位に来る、そんな未来もあるかもしれません。
この記事を読んだあなたも是非、これからの未来のカタチを考えてみてくださいね。
出典:『これからの5Gビジネス』石川温/著、MdNコーポレーション
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