「悩みの原因を一つずつ分析して、自分と向き合うことが大事」――遊助が語る、人生を切り拓く方法 #19才のプレイリスト

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悩みの原因を一つずつ分析して、自分と向き合うことが大事。遊助が語る、人生を切り拓く方法 #19才のプレイリスト

人生はきっかけの連続だ。だからこそ、自分のやりたいことをどう選べばいいのかわからない、今何をするべきなのか迷ってしまうという大学生のために、「音楽」という道を選んだアーティストに直撃し、19才の頃に聴いていた楽曲を元に人生観を語っていただく連載『#19才のプレイリスト』。

第1回目となる今回は、3月11日にアルバム『遊言実行』をリリースする遊助さんが登場。幼い頃から野球に励み、高校卒業後はスカウトをきっかけに俳優の道へ。その後はミュージシャンとしての活動を始めるなど、多彩な活躍を見せる遊助さんに、自分と向き合うことの大切さについて伺いました

文:蜂須賀ちなみ
写真:島田香
編集:学生の窓口編集部

INDEX

1. 19才の頃はやりたいことをやってるやつが輝いて見えた
2. 痛みや苦しみは自分にしかわからない、だから自分が動き出すしかない
3. 19才のプレイリスト
4. ポジティブだと言われる人はプラスの方向に持っていこうとする力の強い人
5. 悩んでしまう理由を分析して自分の根源と向き合うのが大事



19才の頃はやりたいことをやってるやつが輝いて見えた

悩みの原因を一つずつ分析して、自分と向き合うことが大事。遊助が語る、人生を切り拓く方法 #19才のプレイリスト

――遊助さんは19才の頃、どういうことを考えていましたか?

遊助:「俺、何やってんだろう?」って思ってたかも。俺は高校まで野球をやってたんですけど、19才ぐらいになると、プロになって生計をたてていたり、社会人野球や大学で活躍している先輩や仲間がけっこういたんですよ。俺はスカウトされてから急に俳優の仕事を始めちゃったので、まだどこの誰でもなくて……。

仲間の試合を客席から見ながら「あれ? 俺つい最近まであそこでプレーしてたはずなのに、今何やってんだ?」みたいな気持ちになってたなあ。みんなのことが輝いて見えたというか。

――その頃にはもうドラマなどに出演されていたんですか?

遊助:出てはいたけど、エキストラに毛が生えたような台詞のない役もあったし、もちろんオーディションに行っても落ちることがあるから、ずっと続けてお仕事をもらえていたわけではなかったです。

だから、親戚や友達から「次何(のドラマに)出るの?」って聞かれるたびに、まだ出られるって決まってもいないのに、オーディションを受けた作品について話したりして(笑)。

悩みの原因を一つずつ分析して、自分と向き合うことが大事。遊助が語る、人生を切り拓く方法 #19才のプレイリスト

やっぱり19才の頃って、やりたいことをやってるやつが急にキラキラしてるように見えちゃうんですよ。テレビをつければ同い年ぐらいの人たちがオリンピックでメダル獲ってたりしてるし。それに、高校生のときは文化祭でも宿題でもやるべきことを提示してもらえるじゃないですか。でも19才になったら急に野に放たれる。学校の制服もないし、急に自由すぎません?

――まさにそうなんです。たとえば大学だと、講義も自分で選べるし、サークルの種類も多いし、空いた時間にはバイトだってしてもいいし、自分の時間をより自由に使えるようになるじゃないですか。そうなったときに「あれ? わたしは結局何がしたいんだろう?」って迷い始めてしまう人も多いんですよね。

遊助:僕も同じように思いました。等身大の自分が小っちゃく見えるというか、「あれ、俺って何なんだろう?」って思い始める最初の歳が19才なのかもしれない。あと、「あの子と違って俺は才能ないし」「人生ってこんなもんでしょ」みたいな理由付けが上手くなり始めるのも19才のような気がする。

やっぱりプライドや、誰かに迷惑をかけたくないっていうやさしさが出てきはじめる時期でもあるから、深読みしすぎて誰にも悩みを言えなくなってしまうこともありますよね。まだ若いのに、自分はちょっと大人になったつもりでいるし。



痛みや苦しみは自分にしかわからない、だから自分が動き出すしかない

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―遊助さんは19才の頃、自分の悩みを誰かに相談することはありましたか?

遊助:いや、俺はそういうことはあんまり人に言わないんだよね。疲れちゃうから。

――でも自分のなかにためておくのは苦しくないですか?

遊助:いや、言ったほうが苦しいですね。だって言った自分に後悔しない? 人に言うより、自分と向き合ってるほうが楽だし。悩みや苦しみ、痛みって主観だから絶対に人に伝わらないじゃないですか。

たとえば先生から何かきついことを言われたとしても、俺と先生との関係性や、どういう表情で、どういう天気のときに、どういう口調で言われたのかなんて、俺たちにしかわからないことであって。

そしたら、「俺はこんなにつらいんだ」っていうのを(相談相手に)わかってほしいがために話を盛っちゃう気がするし、「でもこういうことなんじゃない?」って反論されたら、多分、先生の悪いところを余計にプレゼンしようとすると思うんですよ。

要は共感してほしいだけで、アドバイスをもらったところできっと実行しないだろうなって俺も思うし、だとしたら、そんな時間は人生の無駄だなって。それだったら俺は「今自分に何ができるか」を考えて一言放つとか、一歩動き出すっていうことをしたい。そのほうが自分の人生が潤うような気がするんですよね。

――いつ頃からそういう考え方だったんですか?

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遊助:ずっとそうだったかも。だって俺、高校生の頃、肘を手術したときも親に言わなかったもん。

――え、そうなんですか?

遊助:まあ結局バレちゃったんだけどね(笑)。お正月に実家に帰ったときに自分の部屋の鍵を閉め忘れて、泣いているところを親父に見られちゃって……。

それまでの半年ぐらいは、親もクラスメイトもチームメイトも、監督もコーチも恋人も知らなかったです。だって、言ったところで俺の痛みは減らないし、心配されるのも気を遣うしなあって思って。

――時間を自分自身に費やすことの大切さをわかっているというか、お若い頃からそういう考え方をできていたのが素晴らしいですよね。だからこそ、音楽でも俳優業でも野球でも、ご自身の持ち味を発揮することができたのかなと思いました。

遊助:いやいや、全然素晴らしくなんてないですよ。言わないほうがいいっていうのは、俺がただそういう性格というか、悩んでる自分が面倒臭いって思っちゃうぐらいに面倒くさがり屋だっていうだけなので(笑)

もちろん人に言ったほうが楽になるっていう人はそうしたほうがいいし、俺自身、(人の悩みを)聞くのも全然嫌じゃないんです。



「19才のプレイリスト」

悩みの原因を一つずつ分析して、自分と向き合うことが大事。遊助が語る、人生を切り拓く方法 #19才のプレイリスト

――遊助さんは、19才の頃どんな曲をよく聴いていましたか?

遊助:My Little Loverの「Hello, Again 〜昔からある場所〜」とスピッツの「チェリー」ですね。お母さんの車が暖房も冷房もついてない車で、夏だと地獄のように暑かったんですよ。窓を全部開けて、家の近くの海辺をドライブしながらよく聴いてたなあ。

■My Little Lover「Hello, Again 〜昔からある場所〜」

――ドライブしながら「俺、何やってんだろう?」みたいなことを考えていたと。

遊助:そうですね、考えるぐらいしかやることがなかったから(笑)。「Hello, Again 〜昔からある場所〜」と「チェリー」はそういうときに寄り添ってくれた楽曲なんです。

■スピッツ「チェリー」



ポジティブだと言われる人はプラスの方向に持っていこうとする力の強い人

悩みの原因を一つずつ分析して、自分と向き合うことが大事。遊助が語る、人生を切り拓く方法 #19才のプレイリスト

――最初に話していただいたような、19才の頃に抱えていた劣等感、漠然とした焦りはどうやって打開していきましたか?

遊助:そうですね……。俺、言葉って自分のマインドをすごく左右すると思ってるんですよ。だから自分からプラスな言葉を発したり、そういう言葉を言ってくれるような人たちと一緒に居るようにはしていましたね。

そもそも、ポジティブな人間なんて基本的にいないんですよ。周りから「ポジティブだね」って言われる人は、ポジティブなほうに持って行こうとする力が強いやつだっていう話で。

だからこそ「ありがたいなあ」「幸せだなあ」と思えるような環境を常にキープできる自分でいようと思っていたし、そうしているうちに、自分の周りが潤っていって、自ずと素敵な出来事が起こっていきましたね。

――遊助さんは、音楽活動もそういうマインドで取り組んでいらっしゃいますよね。他アーティストとのコラボ曲「遊turing」もこれまでにたくさん発表しています、今回のアルバムには、同じ高校出身のサイプレス上野さんや、まるりとりゅうがのMaRuRiさん、フィッシャーズのンダホさんが参加しています。MaRuRiさん、んだほさんは、動画サイトをきっかけに人気急上昇中の若いアーティストですが、一緒に制作をしてみていかがでしたか?

悩みの原因を一つずつ分析して、自分と向き合うことが大事。遊助が語る、人生を切り拓く方法 #19才のプレイリスト

遊助:すごく楽しかったよ。インスタグラマーとかYouTuberは俺が音楽を始めた頃にはいなかったわけだし、まさかそういう子たちと一緒に音楽をやるなんて夢にも思わなかったけど。

やっぱり全く異文化の子たちじゃないですか。「なるほどな」って思う部分もあって勉強になったし、その子たちから影響を受けた部分もあって。会ってみないとわからないこと、一緒に作品を作ってみて気づけたことがたくさんありましたね。

――新しいことを始めるのには失敗のリスクを伴うじゃないですか。それでも一歩踏み出そう、やってみようと思えるのは、どうしてでしょうか。

遊助:やっぱり自分が一番ドキドキしていたいんですよね。「らしさ」も絶対に大事なんだけど、いい意味でちょっとずつ裏切っていかないと俺が飽きちゃうというか(笑)。それに「失敗するかも」ってあんまり思わないんですよ。だから、99人から「無理だ」と言われても、俺が行けると思ったことは基本的にやるし。



悩んでしまう理由を分析して自分の根源と向き合うのが大事

悩みの原因を一つずつ分析して、自分と向き合うことが大事。遊助が語る、人生を切り拓く方法 #19才のプレイリスト

――自分の意志を貫くための強さはどのように保っていますか? たとえば、自分の将来の夢を家族や友人から反対されたとしたら、遊助さんならどうします?

遊助:俺がその状況だったら、「なぜ自分がそんなに迷っているのか」を分析するかも。悩みがあるっていうことは、悩んでしまう理由があるっていうことだから。

分析していったら、「ああ、俺、親のことをこんなにリスペクトしてたんだな」「だから強く言えないんだ」って気づけるかもしれないし、「うーん、そこまで音楽好きじゃなかったのかも……」って思うかもしれないし。次に自分がやるべきことがわかりやすくなるじゃないですか。

――つまり、自分の根本にあるものを探す作業をするということですよね。

遊助:そうですね。たとえば、「何で俺は東京に行きたいんだろう?→有名になりたいからだ!」、「何で有名になりたいんだろう?→あ、モテたいんだ!」、「どうしてモテたいんだろう?→高校のときモテなかったからだ!」。そういう風に考えていくと「高校のときにモテなかったのが、トラウマになってたんだ」なあって、自分の根源がわかるじゃないですか。

みんなそれぞれ一番根っこに何かがあるんですよ。それに、根っこにあるものっていうのは本当は自分が一番わかってるはずなんですよ。

――わかっているのに認めたくないことと向き合うのは苦しいかもしれないけど、それを越えた先にこそ活路があるわけで。とても大事な作業ですよね。

うん、そうですね。

――最後に、19才の頃の遊助さんと同じように悩んでいる人に贈りたいご自身の曲を挙げていただけますか?

悩みの原因を一つずつ分析して、自分と向き合うことが大事。遊助が語る、人生を切り拓く方法 #19才のプレイリスト

遊助:「History」を全部聴いてほしいかも(注:遊助さん自身の半生を歌詞に書いた楽曲シリーズ。現時点で「History」から「History VII」までリリースされている)。人生はお前の想像してた通りには絶対にならないからって、あの頃の自分にも教えてあげたい(笑)。

それこそ今日、スピッツの「チェリー」を久々に聴いたんですけど、「懐かしい~!」って思ったのと同時に「カバーしてみたいな」って思ったんですよ。19才の頃の俺なんて、芸能界の「げ」の字もよくわかってないような、野球しか知らない悪ガキだった。そんなやつが20年後に「カバーしたい」って思ってるなんて、不思議な人生じゃないですか?

そういうふうに、全く想像してないことばっかり起こるのが未来なんですよ。想像通りにならないからこそ楽しいし、好奇心も湧くし、そのときそのときで笑ったり泣いたり怒ったりできる。だから今はあんまり先のことを考えすぎないで……夢ややりたいことが漠然とでもあるんだったら、目の前のことを一つひとつ分析して、向き合っていくこと。

「どうしてこれをやりたいのか」っていうのを考えながら、紙に書いてみたり、実際に言葉を発してみたりするといいかもしれないです。夢がないんだったら、夢を探すことが夢になるんじゃないかな? 「どうして夢を探したいんだろう?」っていう理由を1個だけでも持っておくと、少し楽に生きられるかもしれないですね。

悩みの原因を一つずつ分析して、自分と向き合うことが大事。遊助が語る、人生を切り拓く方法 #19才のプレイリスト

■インフォメーション

遊助9th ALBUM「遊言実行」の情報はオフィシャルHPをチェック!
http: //www.yuusuke.jp

上地雄輔オフィシャルBLOG
https://lineblog.me/kamijiyusuke/

遊助 公式 YouTube チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC2kbYT_7pZWb89Z8hMMtwKQ

編集部:ゆう

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学生に「一歩踏み出す勇気」を持っていただけるような記事を届けたいです。

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