テクノうどんにライブペイント! 多摩美テクノ研究会では、何でもつくっていい。 #なぞサークル調査隊
数え切れないほどある大学の部活やサークル。その中でどのような活動を行っているのか気になるものはありませんか?
この連載 #なぞサークル調査隊 では、そんな気になる部活やサークルの実態に迫ります。今回は、テレビ番組にも登場して話題となった多摩美術大学の『多摩美テクノ研究会』を調査してみました!
最初はサークルじゃなかった?
多摩美テクノ研究会の部長・鈴木創大さんにお話を伺いました。
▲プレー中の部長の鈴木さん
――サークルの歴史を教えてください。
鈴木さん 『多摩美テクノ研究会』は2009年に発足しました。今年で10年目です。
――創部の経緯は?
鈴木さん 美術学部に情報デザイン学科という学科があるのですが、当時そこに所属していた音楽好きの先輩たちが、教室を利用して音楽活動を行っていたそうです。それが基となり、テクノ研究会ができたと聞いています。
――最初はサークルではなかったのですね。
鈴木さん そうですね。部ではないので、現在のように部室はなかったそうです。
――そこから10年も続いているのはすごいですね!
テクノ研究会は貴重な創作活動の場でもある
――活動内容を教えてください。
鈴木さん 月に一度くらいのペースで部室や学内のホールでライブを行っています。学外のクラブを借りてライブをやることもありますね。ライブの内容はDJ、VJ、ライブペイント、即興音楽などいろんなことをやっていますよ。
――普段はどんなことをしていますか?
鈴木さん 特に決まった曜日に何かをするというのではなく、ライブに向けてそれぞれが創作活動にいそしんだり、部室の機材を使って練習したりしていますね。他には、ライブの開催が決まっている場合はライブ用のフライヤーを作ることもあります。
――テクノ研究会のどんなところが魅力だと思いますか?
鈴木さん 個人で作品を作っている音楽好きの美大生が集まり、DJ、VJ、ライブペイントなど普段の制作活動とは異なる表現をしていることです。日ごろできないようなことをアウトプットする場として機能していることが魅力ですね。
話題になったテクノうどんは……
――多摩美テクノ研究会というと、テレビ番組で紹介され話題になった「テクノうどん」※が有名ですが……。
※テクノうどんとは……DJが流すテクノに合わせてうどん生地を踏む行為
鈴木さん 実はテクノうどんは『多摩美テクノ研究会』が最初に行ったものではないんですよ。
――そうなんですね!?
鈴木さん もともとテクノうどんは風営法に抗議する意味で行われたものです。風営法では「深夜に音楽を流してダンスをしてはいけない」と決められています。しかしテクノうどんは「うどんを作っているだけなのでセーフ」という風刺を込めたものなんです。
――『多摩美テクノ研究会』でテクノうどんを行っている理由はなんでしょう?
鈴木さん テクノうどんのことを知った先輩たちが取り入れたと聞いていますが、詳細は不明です。僕も今回のテレビ番組の撮影でテクノうどんを初めて知りましたからね。
普段からテクノうどんを行っているわけではないので、テクノうどんをオマージュした部員のパフォーマンスです。
――実はテクノうどんを中心に行っている部だと思っていました……。
鈴木さん そう思っている人が多いかもしれませんね。ただ、今回のことで学内外から反響がありましたし、『多摩美テクノ研究会』が有名になったのはうれしいことです。
――テレビでテクノうどんを見たという新入生もいたのでは?
鈴木さん いましたね(笑)。部にとってもいい影響があったと思います。
より面白いこと、面白いものを生み出すのが目標
――テクノうどんの影響もあって、いろんな人が入部を希望すると思いますが、どんな人に入部してもらいたいですか?
鈴木さん やはりテクノなどの音楽が好きな人がいいですね。創作活動に取り組む人が多くいて、みんな音楽にしっかり向き合っているので、同じように音楽が好きで何か作ってみたいという人は楽しめると思います。
――何か作ったりするのではなく、単純に音楽が好き、踊るのが好きという人はどうですか?
鈴木さん 僕たちは「聞き専」といっていますが、そうした部員もいますよ。
――最後に今後の展望を教えてください。
鈴木さん これという目標はないのですが、個性的なメンバーが集まっているので、これからもさまざまないい音やいい映像を作り、魅力的と思えるものをアウトプットしていきたいですね。
――ありがとうございました!
『多摩美テクノ研究会』は、音楽好きな美大の学生たちがストイックに創作活動に取り組む部でした。また、話題になったテクノうどんの真相も。普段から行っているものではないそうですから、もし何かの機会で行われることがあれば見逃さないようにしたいですね。
公式Twitterでは活動風景や創作物を披露していますから、気になる人はぜひチェックしてみてください。また、興味を持った同じ多摩美の人は、コンタクトを取ってみてはいかがでしょうか。
⇒『多摩美テクノ研究会』Twitterアカウント
https://twitter.com/tautechken
(中田ボンベ@dcp)