俳優 桜田通 #n通りの選択「あのとき留学してなかったら、ぼくはいない」

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俳優 桜田通 #n通りの選択

3月8日よりdTVで配信されるストーリー選択型ドラマ『FHIT MUSIC♪ ~倉木麻衣~』に出演する俳優・桜田通に、人生の選択をテーマにお話を伺うと「人生は選択の連続だ、おかしいぐらいに」と語ってくれた。その言葉には、数えきれない人生の選択から目を逸らさなかった、ひとりの俳優のゆるぎない想いが宿っていた。あらゆる「選択」に悩んでいるひとに届いてほしい、桜田通の「俳優」を選んだ人生について。

聞き手と文と題字:点P /『マイナビ学生の窓口』編集長
写真:工藤ケイイチ/ブリッジ

ーー「俳優という生き方」を選択したきっかけは?

「俳優の道をみずから選択したか」というと、そうじゃなかったりして、言ってしまえば、流されるままの部分はあったかもしれません。

小学校5年生のときに入った事務所もスカウトだったし、やることも親にぜんぶ任せていたので。

最初は、グループで歌とダンスをやっていたんですよ。そのグループが解散してから、中学2、3年生くらいのときに舞台に出たのがはじめての芝居でした。

最初は期待に応えるでもなく、言われたことをまじめにやろうと思っていただけでしたね、ほんとうに。

桜田通

ーー流されることは、イヤではなかった?

イヤでもなければ、なんともなくって。

ふつうの人生をいっかい生きた上で、自分がもういっかいこの人生をやっていたとしたら、変わった世界に生きていることは理解できていたと思うんですけど、そのときのぼくにとっての常識が、芸能の世界にいることだったので。

今日この取材を受ける前に川島海荷さんとお話しする機会があって、「当時、部活と仕事、どっちを選ぶか迷っていた」というお話をされていたんです。

ぼくもそういう時期があって、小学校から中学時代までテニス部に入っていたんですけど、仕事があったので、土日の試合に出れないことは当たり前だったというか。

仕事があったらもうしょうがない……って、ずっとそうやってきたから「迷うという選択」に至るまで自分の意思がなかったというか。

そうやってどんどん10代が過ぎていって、これはと思って、20歳くらいになったときに留学をしたんですよ。

いま思えば、ぼくが役者をやっていこうとじぶんで「選択」したのは、留学を経験したあとでした。

桜田通

ーーなぜ、留学を?

10代のときは、やりたいという気持ちでもなく、だからと言ってやりなくないという気持ちがあるわけでもない、ふわふわした状態で、でもまじめに仕事をやってきて、それが約10年くらいつづいて、自分のなかで、このふわふわが定着し過ぎてしまって……

で、高校を卒業したあとだったんですけど、いろいろと自分のあたまで考えるようになって、

「このままで、このテンションで、小学生のころから続けてきた感じでこの業界にいたら、未来は見えないな」

って思って。

ーー留学は、どこへ?

本当はニューヨークに行きたかったんですけど、イギリスのロンドンに。

留学自体は半年とすこしくらいだったんですけど、留学を決断してから、ビザをとったり、いろんな準備期間があった結果、2年くらい仕事をしなかったんですよね。それは11歳で仕事をはじめてから、これまでなかった経験で。

ーー半年間の留学中は、どんな生活でしたか?

単純にひとりっきりだったんで、留学中って。

ぼくは東京生まれで、ずっと実家に住んでいて、小学校のころから事務所にも入っているから、まわりにアットホームな環境がありすぎた結果、いろいろなことが当たり前になっちゃっていたと思うんですよね。

英語も喋れないままイギリスに行ったんで、もうその日のご飯もどうするかくらいの感じだし、ホームステイ先の人ともあんま仲良くなれなくて。そのうえ、あまり食事も口にあわなかったから、どうしようって。貯めてきたお金もあるけど、バーって使っていたらいつかなくなっちゃうし。

これが自分の人生のなかで感じた、サバイバルな瞬間で。

日本の芸能界にいたころには味わうことがなかった感覚というか、留学中は毎日がサバイバルで、一日一日の意味合いが大きかった。

桜田通

でも、やっぱり日本のことも気になっていて、日本の仲がよい友達とかが、大きな作品に出ているニュースを見ると、

「もし俺があのまま日本にいたら、あれを俺がやっていたのかな」

とか、そういう悔しさみたいのも生まれてきて。もともとぼくはあんまりそういう気持ちをもっていなかったから、はじめて、自分が意外とこの世界に対して貪欲だってことが分かりましたね。2年間仕事をしないことによって、自分のなかに生まれたストレスみたいなものに気づいたというか。

留学中は、全部リセットして、やりたいものとかいっぱい考えなおしたりとか、これからあたらしい世界にふれたら、自分が芸能界じゃない道へすすむ未来もあるのかもしれないとか、いろんなことを考えて、考えて……

小学生のころからなぁなぁでやってきてしまったけど、自分にとってこの世界にいることや、いまやっている仕事は、自分が求めているものになっているんだなってことに気づいて。

それがぼくははじめて、役者というか、この世界で生きていくことを選択した瞬間ですね。

桜田通

ーーもし、留学をしていなかったら?

留学をしていなかったら、もしかしたら俳優をやめちゃっているかもしれないし、俳優をつづけていても、今日この取材を受けていないかもしれないし。

まあ、何をしているか分からないですけど。

もしかしたら、自分のやりたい夢に向かうなかで、その夢とすこしだけ距離をとって、密接じゃない時間も持つほど、その夢につながる瞬間があるのかなと思っています。

ーー留学後、仕事への姿勢に変化はありましたか?

確実に、ひとつひとつの仕事で「次は用意されてない」ってことを意識しながらやりましたね。

ひとつひとつ大切にやらないと、いつ自分に仕事がなくなってもおかしくないっていう状況は、10代のころにはなかった感覚でした。

というのも、10代の留学前は、それを意識するとかしていないとか、そういう次元じゃなかったんで。もちろん手を抜いたことはなかったけど、いま思い出してみたらぬるかったし。

川に流されていく、葉っぱのような感じだったので、ほんとうに。

留学からもどってきたときには、年齢的には遅咲きといわれるころになっていました。20代でオーディションを受けていたりした時期なんていうのは、本気度が変わりましたね、すごく。10代のころも本気でやっていたんですけど、底上げされた感じというか。

桜田通

ーー読者の大学生世代は、将来のことなど、いろいろな選択で悩んでいる人も多い年齢です。選択に悩んでいる人に、アドバイスするなら?

もう、おかしいくらい選択の連続だとぼくは思っていて、この世界はやばいな、選択が連続すぎるなって。別に芸能界だけじゃなくて、人間が生きているこの世界がやばいなって。

でも、選択が無数にあることで大変だともとらえられるし、そんだけチャンスあると思っていて。

ただ、選択すること自体やその選択の結果よりも、その選択にいたるまでの「過程」がすごく大事だと思っています。

選択するときだけしっかり考えるんじゃなくって、その選択がある日までに、生きていく自分の思想がいちばん大事じゃないかなって。

桜田通

もし、なにかの選択で悩んでいるひとがいるとしたら、選択の瞬間に時間をかけて悩むんじゃなくて、人生は選択の連続だってわかったうえで、選択の瞬間以外の時間をどう生きるかで、自分に降りかかってくる選択の価値も変わってくると思うんですよね。

どうしようもない風に生きていたら、どうしようもない選択しかこないと思うけど、自分がすごくやりたいことをやっていて、考えながら生きていたら、選択の幅も広まるし、いい選択肢がやってくる。

ぼくは選択するときに迷わないタイプなので、いままでの選択には納得いっていることが多いです。

桜田通

ーー最近、桜田さんが行った「選択」は?

たとえば、些細なことなんですけど、その日着る服でさえも、ぼくのなかでは「選択」だと思っていて。

どうでもいい服を着ていく……そういうときに限ってすごい大事な人に会っちゃったりして、もうちょっとかっこいい服にしておきたかったな、みたいな。

恋愛でもそうだし、友達でもそうだし、ぼくに関してはスタイリストさんもそうで。

自分が気に入った服を着ていれば、自分をアピールできる瞬間になるから。「あ、こういう服が好きなんだな」って、ぼくに興味を持ってもらえるきっかけになることもあって。

ーーなにかを「選択」するときの基準は?

自分の決めたことを信じていきたいですね、これからも。

選択の基準のすべては自分にあるべきだと思っているので。ほんとうに人によると思うんですよね、生き方って。

選択のための判断材料として、人の意見や、人の経験してきたことは、小耳にはさんだりはしますけど、最終的に自分の人生に責任を取ってくれるのって自分しかいないから、ぼくは後悔すら人のせいにはしたくなくって。

「こいつが右行けって言ったから、右選んで損した」みたいのも嫌で、自分でちゃんと右を選んで失敗していたら、責めるのは自分だけだから。

これからも選択はちゃんと自分でしていきたいですね、人に任せなくないです。

桜田通

ーー今回出演された『FHIT MUSIC♪ 』は、視聴者がストーリーを「選択」していくスタイルですね

FHIT MUSIC♪

ドラマを見ている人たちが物語を選んで、その人なりのひとつの物語にたどりつけるので、たとえばふつうにドラマ見ていたら、「おい、主人公!それは違うだろ」ってツッコむこともありますが、そのツッコミがなくなるっていうか、自分で選べちゃう。

この作品は、主人公に「そこ行って欲しい」も「行かないで欲しい」も選べるというおもしろみがあって。

同時に、ストーリーに沿って流れる倉木麻衣さんの楽曲のエネルギーがすさまじいです。作品の主題歌でもなく挿入歌でもなく流れる倉木さんの歌のちからで、ドラマが不思議な空間になるんですよね。それは新しいなって思いましたし、こんなに違和感がないんだって。それって物語と音楽の整合性がすごくとれてるからだと思うんですけど。

ぼくはここが、いちばんの見どころだと思いますね。

ーー共演の川島海荷さんの印象はどうでしたか?

この作品は、3日間で撮ったんですよ。

大変なスケジュールだなって思っていたんですけど、川島さんは、朝の生放送の『ZIP!』に出られていて、ぼくが現場に入る時間よりも前に、ほかの仕事もやりながら、同じスケジュールをこなしているわけで。

撮影前にほかの仕事もしているから、きっと疲れているだろうし、でもそういうそぶりを見せないで、がんばっていて。

それがぼくにとっては……「かっこいいな」って、「プロってこうだな」って思って。

「自分が知らない世界ってまだまだあるんだ」って、川島さんと共演して勉強になりました。川島さんをリスペクトしています。

桜田通 川島海荷

ーー今作『FHIT MUSIC♪ 』をはじめ、役づくりのときに心がけていることは?

心がけていることか……やっぱり作品によって、役を生きることが役者なので。

つねに研究というか、やっぱりひとつひとつの役に対して、この役はどういう風にやろうかってことを考えたりだとか、いい意味で考えずにフラットな状態で、自分の気持ちを持ち込んでやった方がいいんじゃないかとか……細かいこだわりもありますし。

役者以外にも、音楽も好きで、ライブをやっているんですけど、うーん……まぁ、これも人によると思うんですけど、「じぶん以外のなにか」を考えないと、この世界ではやっていけないと思いますね。

ーーじぶん以外のなにか?

たとえば、役者の仕事の目的を、お金を稼ぐためだけにしたら、ぼくはできないと思います。
なんか……希望を見出したいって思うんですよね、すごく。

ーー桜田さんの作品を見ているひとが、希望を見出したい?

たとえば、ぼくが役者の仕事をつらいから投げ出すんじゃなくて、つらいけど立ち向かうからこそ、ほかの誰か……いま、つらい状況にいる人たちが、ぼくがかかわったり生みだしたもので、すこしでも。クスっとでもいいし、それが人生の大きなきっかけになったらいいなって。

桜田通

……って思いながらも、でもきっかけになんかならなくてもいいくらい、すごく些細なしあわせを届けたい、届けられたらいいなって。

そんなふうに、自分のなかでも希望を持ちながらやっていて、それがぼくの原動力で、ほんとうに。

応援してくれる人からお手紙をもらって、「この作品見て救われました」とか、「いつも作ったもの見て楽しんでいます」とか、「友達ができました」とか、そんなひとことが、いちばんうれしいですね。

ーー最後に、作品を見る方に感じて欲しいメッセージはありますか?

「選択」の先には、未来がいっぱいあるんだよってことを感じてほしいかな。

この作品には、4つの結末があるんですけど、人生には4つじゃすまないくらいたくさんの物語があると思うんですね。改めてぼくも、この作品を見て考えさせられました。

そんな重い気持ちを伝えたいわけではないんですけど、見た人たちも自分の人生に対して、もう一度、選択することの大事さを伝えたいというか。

選択は窮屈なことではなくて、とても有意義で。

選択の先には、もうそれぞれ未来が広がっていって、そのひとつひとつの積み重ねでしかないから、どっち選ぼうじゃなくて、選択の先も見据えたうえで、自分の人生を歩んでいくってことを、この作品を見て感じ取ってくれたらうれしいと思っています。

桜田通

番組紹介

『FHIT MUSIC♪ ~倉木麻衣~』(全3話) 
3月8日(金)よりdTVにて配信開始

倉木麻衣

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がくまど編集長:点P

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大学が好きで、それが講じて6年通いました。タメになることよりムダなことが好きです。

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