【KONAMIの先輩社員】Konami Gaming, Inc.
プロフィール:
東京芸術大学 音楽学部作曲科卒業。2015年入社。入社以来、カジノのゲーミング機のサウンド制作を担当しています。
アメリカ・ラスベガスをはじめ、世界中のカジノには実はKONAMI製のゲーミング機が設置されています。そのゲーミング機のBGMや効果音を作っている彼女。まったく未知の世界の音楽に挑む彼女ですが、その分、苦労や楽しいお話は尽きません。
今のお仕事の内容は?
Konami Gaming, Inc.の本社はアメリカ・ラスベガスにあり、日本ではカジノ用のゲーミング機に搭載するゲームを作っています。
私はサウンド担当として、テーマ曲やゲーム全体の効果音を制作しています。最近の傾向としては、‶中華テーマ″のマシンが人気で、中華風のテーマ曲を作ることが多いですね。ほかにもカジノの曲としてイメージしやすい‶エジプト″、‶インカ″といったテーマも作ることが多いです。
カジノのゲーミング機の音楽って意外と静かなんです。みなさん、お金を実際に賭けているのでかなり真剣にプレーしていますからね。ダメだったときに「ブッブー!」なんておどけた音を出したり、1ドルくらいの当たりで大げさに「パンパカパーン!」なんて音を出したりしたら怒られてしまいます(笑)。プレーヤーの気持ちを盛り上げつつ、BGMが主体にならず、効果音で印象づけられる、アトラクティブなサウンドを作ることを心掛けています。
一番楽しかった&つらかった仕事は?
大学では作曲を勉強していましたが、効果音についてはしっかり学んだことがありませんでした。仕事で機会を頂いてから、物理音をそのまま使うだけではなくて、素材を組み合わせたり、自分で一からシンセサイザーで作ることを知り、毎日が試行錯誤の連続です。効果音制作は本当に奥が深いなと身にしみて感じています。
手掛けているゲーミング機の中にはジャズやビッグバンドの曲を使うものも多いですが、それを聴く(プレーしている)のは本場ラスベガスの人じゃないですか。ジャズやビッグバンドを聴き慣れている人に向けて曲を作るのは怖いですが、現地のスタッフから「いいね!」と言われると、現地の人に少しでも認めてもらえた! とうれしくなります。
一方で、現地スタッフとは英語でやり取りすることが多いのですが、英語では歯に衣着せぬ言葉で、ストレートに感想を言われるので、ちょっとへこむこともあります。例えば「Too Loud(うるさい!)」や「Too Tricky!(奇抜すぎる!)」「Too Spooky!(怖すぎる!)」、「More Exciting!(もっと盛り上げて!)」などいろいろストレートに指摘されます。More ExcitingだけどToo Loudではいけないし、挑戦的な音を作ると「わからない」、「耳にうるさい」とダメ出しされますしね……。感性の違いで苦労することも多いです。
今の会社を選んだ理由は?
ゲームカンファレンスなどに行くとどんな人が働いているかわかりましたし、説明会では職場環境や働いている方のひととなりを知ることができました。「自分が希望している部署ではこういう働き方をしているんだな」というイメージがつきやすかったんです。今の会社には面接段階で今の上司に声をかけていただいたのですが、その上司が私にとって‶ドンピシャ″な方で、「ぜひこの方の元で働きたい!」と思い、逆に自分から猛アタックして内定をもらいました。
それに、実は小学3年生のころからゲームのサウンドクリエイターになりたいと思っていたんです。きっかけは母がプレーしていたKONAMIのゲーム『幻想水滸伝』です。「カッコいい! こんなジャンルの音楽があるのか!」と衝撃を受けました。そこで、苦手な音楽理論を克服しようと、音大の作曲科に進学し勉強しました。大学には本気のアーティスト志向の方が多くて、就活組は少数派でしたけど……。