櫻井さんとは10年ぶりの共演。恋人役にはすんなり入れました

――続いてはドラマの話をお伺いしたいのですが、『先に生まれただけの僕』で演じられた松原聡子というのはどんな人物ですか？

櫻井翔さん演じる鳴海（涼介）校長先生の恋人役ですが、商社で働くキャリアウーマンで海外出張などもこなし、仕事をバリバリ任されています。でも20代後半なので結婚もしたくて、涼ちゃんと将来を考えたいと思っている女性です。仕事をテキパキとこなす、でも結構女性らしい役だなと感じました。

――これまでに演じたことがない役だと思いますが、演じてみてどうでしたか？

きっと、30歳手前だったら「周りが結婚するから自分もしなきゃいけない」みたいに思う人は多いのではないかと思います。そこで思い悩む聡子は共感を得られるんじゃないかなと。恋人と長く付き合っていて、相手の環境が大きく変わって「これから私どうなるのかな」って思ったり、一方で自分も仕事を任されて忙しくなって、あまり恋人と会う時間がとれないといった悩みはわからなくもないな、と思いました。

――現場はどんな雰囲気なんですか？

現場はすごく楽しくて、いい緊張感の中でお芝居ができました。櫻井さんと2人のシーンが多かったんですけど、10年ぶりに櫻井さんと共演しました。今回は恋人同士の役だったので、10年前に一度共演できていてよかったなと思いました。一度共演した経験があるからこそ躊躇することなく恋人の役に入れたというか、いい意味で緊張することなくリラックスしてできたというのも、自分の中では大きかったです。

――蒼井優さんとは念願の初共演だったそうですが、共演してみていかがでしたか？

そんなにシーンは多くありませんでしたが、楽しかったです。一緒のシーンはほとんどなくて、私が遠くから蒼井さんを見ている、とか。少しだけ2人で話すシーンがあったのと、井川遥さんと3人で話すシーンぐらいしかなかったので、そのわずかな数シーンをすごく大事に演じました。

――なにかお話しされたりはしましたか？

すごくよく話してくださる方で、初めて会ったとは思えないくらい2人でよく話していました。共通の知り合いのスタッフさんがいたので、その人の話をしたりしました。

――なるほど。ちなみに、ドラマは高校が舞台ですが、多部さん自身はどんな高校生だったんですか？

高校生の頃はもう今のお仕事を始めていましたが、基本的に夏休みや冬休みなど、長期の休みに仕事を入れていたので、放課後はよく遊びに行ったりしていました。芸能活動ができる高校を選んで入学しましたが、芸能科ではなく普通科だったので、この仕事をしていない子たちとも仲よくなれましたし……お仕事との両立はしやすかったです。

――最後に、ドラマの見どころを教えてください。

ドラマ全体では「経営不振の学校を再建する」というお話がメインですが、私は学校のシーンではなくて、鳴海校長のプライベートな部分で登場することが多いです。学校の再建だけでなく、恋愛面での鳴海校長がどうなるかというところにも注目して見ていただけたらなと思います。

――ありがとうございました！

現在、28歳の多部さん。そんな多部さんが現役大学生に向けて伝えたいことを聞いてみると、意外にも「食べる！」という、ちょっと勇ましい（？）一言が返ってきました。理由を聞いてみると、「20代後半になると食べたら太るじゃないですか。体重も戻りにくいですし。でも、大学生のうちはまだ若いから『大丈夫だよ』って意味です。今のうちに食べたほうがいい（笑）！」と、自身の経験から出た「後悔しないように今やっておいたほうがいいと思う」心の声をチャーミングな言葉にしてくれました。

＜プロフィール＞
たべ・みかこ●1989年1月25日生まれ。東京都出身。O型。2005年、映画『HINOKIO』『青空のゆくえ』でブルーリボン賞新人賞を受賞。おもな出演作は、映画『君に届け』『ピース オブ ケイク』『あやしい彼女』、ドラマ『山田太郎ものがたり』（TBS系）『デカワンコ』『ドS刑事』（ともに日本テレビ系）『ツバキ文具店〜鎌倉代書屋物語〜』（NHK）など。現在『先に生まれただけの僕』（日本テレビ系 毎週土曜よる10時 放送）に出演中。

文：落合由希
写真：為広麻里