【連載】『あの人の学生時代。』#16:多部未華子「復学の決断が今に活きる」 2ページ目
休学したことで、大学に対する意識が変わりました
――じゃあ、また新しい友達もできて大学がより楽しくなったのでは?
そうですね。復学してからの方が楽しかったです。残りの単位を取りきるまで、本当に楽しかったです。休学前、普通に学校に行っていたときは、やっぱり朝が早いため、ねむいし、寝てしまった時もありましたが、復学してからはとにかく「ちゃんと卒業しなくてはいけない」と思ったので、今まで以上に授業を聞くようになりました。
大学は、教授としていろいろなプロが集まるところです。プロの専門の先生たちがわざわざ大学に来て教えてくれることのすごさに気づいて、そこからその機会を無駄にしてはいけないと思うようになりました。
――考えてみれば貴重な機会ですよね。
そうなんです! 自分にとってはまったく興味のない授業も取らなくてはいけないこともあるかもしれません。でも、興味のないものを真剣に聞く時間は、大人になったらないんですよね。
――たしかにそうですね。
大人になるとやっぱり興味があることだけになってしまい、興味がないことに触れる機会は少なくなるでしょう。大学はとにかく座って先生の話を聞かないと単位が取れないけど、その先生はその専門のことを教えることに関してはプロなわけです。そのことを授業中にはたと気づいてから、「すごく楽しい!」と思うようになりました。だから復学してからのほうが真剣に授業を聞いてましたね。
――勉強がより楽しくなったんですね。
はい! レポート書くのも楽しかったです。
――では、いったん休学したことが転機になったんですね。
そうですね。考え方も変わり、かなり転機になりました。
――そんな大学での経験が、今の仕事に活きていると感じることはありますか?
直接仕事に活きているわけではないかもしれませんが、たくさんあると思います。大学時代の友達で今でも付き合いのある人は年下の子も含めてたくさんいますし、サークルにも入っていたので、サークルの先輩ともいまだに連絡をとっています。交友関係がすごく広がりました。
――サークルも入っていたんですか!? ちなみに何のサークルですか?
入っていました。テニスサークルに(笑)。
――王道じゃないですか(笑)!
王道です(笑)! インカレのテニスサークルに入っていました。
――インカレ!? じゃあ、交友関係はますます広がりますね(笑)!
そうなんですよ。サークルの仲間はみんな頭がよく、有名企業に就職した人も多いです。困ったことがあったときは相談するようにしています。
――大学でできた友達が財産になっているんですね。
私にとっては、大学時代に出会った、芸能界じゃないことにも知識をたくさん持っている友達がいるということは、そういう意味でも貴重ですね。
――大学をやめなくてよかったですね!
そうですね。本当にやめなくてよかったと思います。ちょうど一昨日ぐらいも思いました。「やめなくてよかったな〜」って(笑)。