富士山の登り方を調べてみた! 夏しかできない富士登山に必要な準備と基礎知識 4ページ目
・防寒着は必須です。特に女性は。富士登山中、山小屋のベンチに座ってガクガク震えている人、気分を悪くしてしまった人をしばしば見ます。そのようになると、富士登山がつらい思い出になり、ちっとも楽しくありません。体感温度については冬のジョギングをイメージしてもらうとわかりやすいと思います。木枯らし吹く中、化繊シャツ一枚、あるいは、+ウインドブレーカー(雨具)で走っても何ともありませんが、いったん休憩に入ると一気に汗が冷えがちがちに凍えます。それと同じです。
・富士山にはいつでも冷たい風が吹いてるわけではありませんが、行動中は薄着で登り、汗を抑えることも大事ですが、足を止めたら冷える前に防寒着を羽織ります。
・防寒着のポイントは、ダウン、フリース等、一枚羽織れば十分に暖が取れるもの。もし、ユニクロのダウンを持っていれば、初心者としては最高です。安価なので傷むことを気にせず気軽に使え、軽いし収納性がよいので登山愛好家も重宝しています。
・綿混シャツは濡れて冷えるので×です。ポリエステル100%のもの。いわゆる速乾性。濡れても体が冷えにくいです。ユニクロでOK。
・山小屋でも着替えができるようなプライベートスペースは普通はありません。その点にも注意してください。
・「着干し(キボシ)」という言葉があります。着ている間に乾くという意味です。汗はたくさんかくのですが、不思議と臭くはなりません。ですが消臭デオドラントスプレーを持って行き、貸してあげると喜ばれます。ただ山小屋で使用する際には、人混みから離れて周囲に迷惑にならないように気を付けることが必要です。
・トイレが近くなるから、汗をかきやすいからという理由で水分補給を控える人がいますがおすすめできません。体調を維持するためにも積極的に水分補給をした方がよいのです。幸い富士山にはたくさん山小屋がありトイレが併設されています。有料ですので100円玉をたくさん持って行くといいでしょう。
・行動食は楽しい富士登山の重要アイテムです。体力保全を口実に、仲間内で分け合って盛り上がれます。
・日焼け止めは意外に盲点です。私はザックに常備です。男性でも痛いものは痛いものですからね。
富士登山を経験した人に聞いてみますと、「意外と楽だった」という人もあれば、「大変だった」という人もあります。年配の人では、体力が衰えているためでしょう、「大変だった派」がほとんどです。若い大学生のみなさんなら「意外と楽だった」となるのでしょうか? 「一度も登らぬ馬鹿」にならないよう、2017年の夏休みに富士登山に挑戦してみてはいかがでしょうか? 二度行くかどうかはその経験で決めるといいでしょう。
最後に富士登山全般についての熟練者からのエールをご紹介します。
【登山熟練者からのエール】
富士山は誰もが知る日本の最高峰、美しい山です。登山経験がない人にも「富士山には登りたい」という気持ちを起こさせるほど、十分な魅力を持つ山だと思います。そのため観光地としての整備もされてきました。
その一方、富士登山では、当然ながら日本の最高峰としての危険が姿を現すこともあります。必ず登頂が約束されている安易なレジャーというわけでもないのです。初心者であっても登頂は可能です。ただしチャレンジしたこと自体を楽しめる、危険を回避し下山したとしても、そのことを楽しく話せる覚悟をもって富士登山に挑んでいただけたら幸いです。
(高橋モータース@dcp)