【連載】『あの人の学生時代。』 ♯7:フィデリティ投信株式会社 野尻哲史「学生は自由闊達に」 3ページ目

学生の窓口編集部
2017/06/28
仕事を知る
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目次
  1. 親元を離れるために、東京・一橋大学へ
  2. 野尻さんが過ごした4年間とは
  3. ギリギリの就活スタート

大学4年の夏までクラブ活動を、そこから就活へ

――卒業後は山一證券に入社されますが、なぜ山一證券を選ばれましたか?

4年の夏が終わるまでクラブ活動をやっていたものですから、就職活動は何もしていませんでした。当時は就職先が決まっていなくて最初は留年しようと思っていたぐらいです。しかし、ゼミの吉野先生に相談に行ったら

「お前ね、この1年は遊ぶ1年かもしれないけど、日本には定年制というのがあって、今の1年は最後の一番年収の高いときで、(留年するのは)それを無駄にするのと同じだ」

と言われて……。それなら就職先を探さなくちゃ、と慌てて就活をしましたよ。吉野ゼミのOBは銀行と商社が多かったので、まずは銀行を回ったんですけどね。「野尻遅いよ、今ごろ何しに来たんだよ」なんて言われました。今なら考えられないことですね。ところが、大学の先輩が山一證券にいて、そこを訪問したら「いいから来い」と引っ張り込まれたような形で就職しました(笑)。

――職種に希望はなかったのですか?

証券会社だったら調査部に入りたい、アナリストになりたい、とは思っていました。株価の分析の中に「企業分析」というジャンルがありますが、当時はそこに魅力を感じていました。でも、当時の私の知識ですから、実際はまったくの付け焼き刃だったのかもしれません。

――アナリストの魅力はどんな点ですか?

これは入ってから思ったことですが、企業分析っていろんな方法があるんだ、と。ツールの議論だけではなくて、例えば経営者によってこんなに変わるんだ、とか、習うことは本当にいっぱいありましたよ。1日24時間じゃとても足りないな、と当時は思っていました。

――大学で学んだことは入社してから役立ちましたか?

うーん……テクニック的なことではやはりゼロなのかもしれません。もちろん、大学時代から「分析についての議論やノウハウを学ぶことは会社に入ってからいくらでもできる」と言われていましたが、分析のテクニック自体は学生時代はまったく知りませんでした。

その一方で「大学に行ったことが役に立ったか?」という問いには、「すごく役に立った」と言えますね。大学時代に出会い、共に学んだ仲間は就職後も助けてくれます。今でも昔の仲間と月イチで飲み会をやっています(笑)。大学に行かなかったらそんな仲間とも出会ってないですからね。

■現役大学生へ「自由闊達(かったつ)に!」

――現役大学生に対してアドバイスをお願いします。

これからは人口構成も大きく変わっていく時代ですから、「ダイバーシティ」というものを肌感覚で理解していないと生きていくのがつらいだろうな、と思います。学ぶことや仕事などをもっと自由に考えていいんじゃないか、若いうちからもっと多様性について知っていた方がいいんじゃないか、と思います。言い方を変えると「縛られることがなくなってきているんじゃないか」ということ。

例えば「就『社』じゃないよ、就『職』だよ」と私たちの時代にも言われたものですが、今はそれが実現できるようになっている気がします。入社した会社が嫌だったら、似たようなことをやっている同業他社に就職しちゃえばいいわけですよ。

学ぶことでも同じで、海外の大学に行ってもいいし、大学に入り直したっていいですし、やり方が自由になっている、この認識を持つことが大事だと思います。

「仕事」「学ぶこと」だけではなくて、他のことでも、もっと自由に行き来できるような発想を持ってほしいな、と思います。「ダイバーシティ」だと受け身なイメージがありますから「自由闊達」でしょうか。もっと闊達な部分、フレキシビリティーを持って学生時代を謳歌していただきたいですね。

――ありがとうございました。

野尻さんが、現役大学生のみなさんに一番伝えたいメッセージは、「自由闊達」。のびのびとやりたいことに挑戦できる環境があるのは大学生ならではの特権なのかもしれませんね。「大学はどこでもよかった」と語る野尻さんですが、現在の著名なエコノミストとしての原点は一橋大学商学部に入ったことであり、そこで出会った仲間や先生との交流が野尻さんの基盤となっています。現在大学生活を送っているみなさんは、野尻さんの言葉を参考に、自分の仲間を大事にして、自由闊達に行動してみてはいかがでしょうか?

(プロフィール)
のじり・さとし

一橋大学商学部卒業。内外の証券会社調査部を経て、現在、フィデリティ投信株式会社にて『フィデリティ退職・投資教育研究所』所長。日本証券アナリスト協会検定会員。証券経済学会・生活経済学会・日本FP学会・行動経済学会会員。『日本人の4割が老後準備資金0円 老後難民にならない「逆算の資産準備」』(講談社+α新書)、『貯蓄ゼロから始める安心投資で安定生活』(オレンジ世代新書)など著書多数。
⇒『フィデリティ退職・投資教育研究所』(『フィデリティ投信株式会社』)https://www.fidelity.co.jp/fij/invest_navi/
⇒一橋大学『スローム会』公式サイトhttps://rafting-strom.jimdo.com/

(高橋モータース@dcp)

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