恋愛がメインなのは日本だけ? ヨーロッパのクリスマスは「日本のお正月」に近かった! 2ページ目
なぜドイツを含むヨーロッパでは「クリスマスに家族と過ごす」ことが重要視されているのかというと、クリスマスは宗教上の理由もあり「愛のイベント」だとされているからです。そしてここでいう「愛」とは「恋人同士の愛」というよりも「家族間の愛」を祝うものなのですね。もしかしたら日本にクリスマスが伝わる時に「愛」の部分が「カップル」や「恋人同士」に置き換えられてしまったのかもしれません(笑)
そんなこんなでドイツを含むヨーロッパで「クリスマス」は「家族」の要素が強いわけですが、もちろん恋人同士でプレゼントを贈りあったり、恋人を両親に紹介し、みんなで一緒にクリスマスを祝う場合もあります。けどこの場合も、基本はあくまでも【家族で】なのですね。
■ヨーロッパの「大みそか」はパーティーで大盛り上がり!
逆に、パーティ―などを企画して時には徹夜でじゃんじゃん盛り上がるのが「大みそか」です。12月31日はお酒を飲んで花火を上げ大騒ぎをしながら新年を迎えるのがヨーロッパ風。年越しの瞬間を恋人と迎えたいという人がやはり多いので、日付が変わる瞬間はシャンパングラスで乾杯しながら恋人と愛をわかちあうのでした。大みそかのハイライトである花火のドドーン、パチパチという強烈な音を聞きながら新年を迎えるという、日本的な感覚だとかなり派手な年越しの仕方といえそうです。
日本とヨーロッパを比べてみると、【クリスマス】と【お正月】がいわば逆転しているということがわかったと思います。ヨーロッパは年越しがもっとも【恋愛色】が強く、クリスマスがもっとも【家族色】が強いのでした。みなさんは、どんなクリスマスを過ごす予定ですか? なにはともあれメリー・クリスマス!
文・サンドラ・ヘフェリン
プロフィール/ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴18年。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「ハーフといじめ問題」「バイリンガル教育について」など、「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。コミックエッセイ「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?」(KKベストセラーズ。原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ)が発売中。