ブラックバイトの実態は? 大学生が実際に遭遇したアルバイトのトラブル
大学生のみなさんの多くはアルバイトを経験しているでしょう。アルバイトとして働く中で、なにか不当な扱いを受けたことはないでしょうか? 社会経験のほとんどない大学生は弱い立場で、職場でトラブルにあいがちです。今回は、大学生が実際に遭遇したアルバイトのトラブルについてです。
■学生1,000人に聞いた! アルバイトでの問題は!?
厚生労働省は、2015年(平成27年)8月下旬から9月にかけて、大学生・大学院生・短大生・専門学校生1,000人に対し、アルバイトに関する意識等調査を行いました。この調査は、「学生アルバイトをめぐる労働条件や学業への影響等の現状および課題を把握し、適切な対策を講じるため」に行われましたが、結果は非常に興味深いものとなっています。
●48.2%が何らかのトラブルあり!
1,000人が経験したアルバイト延べ1,961件(複数のアルバイトを行った人もいるので)のうち、なんと48.2%で「労働条件等、何らかのトラブルがあった」と回答しています。この「48.2%」は件数ベースですが、これを人ベースに直すと「60.5%」になります。つまり、アルバイトを経験した学生のうち、6割は何らかのトラブルに遭遇しているわけです。
●労働基準関係法令違反の恐れがあるトラブル
どんなトラブルがあったのかを細かく見てみると、以下のようなものが挙げられています。これらは労働基準法など、関係法令違反の恐れがあります。
・準備や片付けの時間に賃金が支払われなかった……13.6%
・1日に労働時間が6時間を超えても休憩時間がなかった……8.8%
・実際に働いた時間の管理がされていない……7.6%
(例えばタイムカードに打刻した後に働かされたなど)
・時間外労働や休日労働、深夜労働について、割増賃金が支払われなかった……5.4%
・残業分の賃金が支払われなかった……5.3%
●シフトに関するトラブルが多い!
また、労使間のトラブルと考えられるものとして下のようなものが挙がっています。
・採用時に合意した以上のシフトを入れられた……14.8%
・一方的に急なシフト変更を命じられた……14.6%
・採用時に合意した仕事以外の仕事をさせられた……13.4%
・一方的にシフトを削られた……11.8%
・給与明細書がもらえなかった……8.3%
他にも、自由記載の回答で、
・試験の準備期間や試験期間に、休ませてもらえない、シフトを入れられた、シフトを変更してもらえなかった
・シフトを多く入れられたり、他の人の代わりに入れられたり、変更してもらえなかったなどのために、授業に出られなかった
といったものがあり、アルバイトの「シフト」についてトラブルが多いことが分かります。