今注目の現役大学生アーティスト、山下歩にとっての大学生活とは―「やりたいことを突き詰める時間」
YouTubeやFacebookなど、SNSを中心に音楽活動をされている山下歩さん。話題になったテイラー・スイフトの日本語カバー曲や、田舎あるあるを歌った『田舎の唄』 など、みなさんも見たこと、聞いたことがあるのではないでしょうか。そんな山下さんですが、実は青山学院大学に通う現役の大学生でもあります。そこで今回は、大学卒業間近の山下さんに大学生活や音楽活動、そして将来の展望についてお話を伺いました。
■留学のきっかけはALT(外国語指導助手)の先生!
――山下さんは鳥取県出身ということですが、上京についてはずっとお考えだったのですか?
いえ、そうではなくて、大学(青山学院大学)を選ぶに当たってたまたま東京になったというだけなんです。
▲大学2年次の山下さん
――青山学院大学に行こうと思った理由は何でしょうか?
高校時代にオーストラリアへ留学したことがきっかけですね。現地の普通の高校への留学だったので、英語だけの環境で1年過ごしました。その間の現地の学習は日本に比べると緩く、日本に戻ったときに、日本の同級生に学力では絶対に追い付けないと思いました。そこで、英語で勝負のできる日本の大学を探したんです。
――そこで出てきたのが青山学院大学だったと……。
留学中にネットで調べていると、「英語の筆記とリスニングだけ」の試験があり、それが青学だったんです。そのときに「自分にはここしかない」と思いました。ただ、青学は僕みたいな田舎の人間からすると「超すごい学校」というイメージがあります。正直入ることができるか不安でしたね。
――もともと英語は好きだったのですか?
英語は好きでしたが、中学校1年生のときは100点満点中40点も取れなくて苦手でした。その頃は「英語なんて将来使わないし別にいい」と思っていたくらいです。
――そこからなぜ好きになるまでになったのでしょうか。
中学のときのALT(外国語指導助手)の先生が、「授業以外の時間で私に英語で話し掛けたら1ポイント。それが30ポイントになったらお薦めのアーティストのCDをあげる」というルールを作ったんです。当時、洋楽に興味が湧き始めていたころだったのもあり、そのCD目当てで英語の質問を一生懸命覚えて毎日のように話し掛けていました。そうするうちに学年トップになるまで英語の成績が上がったんです。中学3年生のころには、すでに海外への留学も考えていました。
――その先生がいなければ、英語を好きになることも留学することもなかったかもしれませんね。
そうですね、もしいなかったらここまで英語を好きになっていなかったと思います。
■海外留学をすることで世界を知る
▲海外留学中の高校2年生
――大学進学で地元から離れる際はやはり感慨深いものがありましたか?
オーストラリアへ留学をしていたので、それはありませんでしたね。「同じ日本じゃん」と思いました。海外と違っていつでも帰ることができますし、「近い」という感覚です。オーストラリアに留学してから「世界を小さく感じる」ようになりました。なので 、東京も日本という自分のホームであるという感覚で行くことができました。
――大学を探す際、海外の大学は考えましたか?
それは考えませんでしたね。実はオーストラリアへ留学して海外のことを知ってから、日本のことをより好きになってしまったんです。オーストラリアもすごく良い所だったのですが、あらためて日本の良さを振り返ってみて「やっぱり自分は日本に居たい」と思いました。
――海外に出たからこそ、日本の良さに改めて気付くことができたと……。
そうですね。たまには海外にも行きたいとは思いますが、日本をベースにして活動していきたいと感じました。
――留学をきっかけに多くの経験をされましたが、今の中学生、高校生に留学を薦めたいと思いますか?
ぜひ薦めたいです。海外に行くと新しい世界を見て知るだけでなく、「自分の中を見つめることができる」 のが面白いところです。海外留学は自分の外と中を見つめる貴重な体験になります。「世界の見え方が大きく変わる」ので、できれば 高校生のうちにこうした経験をしてほしいですね。