アレもコレもレゴで再現! 話題の東大レゴ部ってどんな活動をしているの?
東京大学に「レゴ(R)」を使って何でも作り出してしまうものすごい集団があります。それが『東大レゴ部』です。子供に人気の組み立て式ブロックのレゴですが、生み出される作品のクオリティーは半端ではありません。今回は、東大レゴ部の活動やその作品をご紹介します。
■最初に作った作品でいきなり学祭人気1位を獲得!
今回、お話を伺ったのは東大レゴ部代表の法学部3年・青山真樹さんです。
――この『東大レゴ部』はどういったきっかけで誕生したサークルなのですか?
青山さん 2007年の五月祭で「安田講堂を作って展示しよう」ということで結成されたサークルです。その際、レゴの安田講堂が学祭の人気投票で1位を獲得し、それがきっかけとなり本格的に活動が開始されました。
――これだけすごい作品なら、いきなり1位でも納得ですね。
青山さん そのことから、「学祭(五月祭と駒場祭)に向けた大型展示物の制作」というのがレゴ部の主な活動になっています。ただ、近年は人員不足のため過去作品をリファインしての展示になっています。
――ちなみに、部員は現在何人ですか?
青山さん 登録しているのは15人で、実際の活動時は5人くらいで回しています。
――大型作品制作以外では、どんな活動をしていますか?
青山さん 外部の団体からの依頼を受けての制作や、小さい子を対象にしたレゴ教室なども開催しています。特に制作依頼は多くいただいております。例えば「日本橋高島屋」さんからの依頼で展示用に日本橋高島屋本館を制作したこともありました。
■大型作品に使われるブロックは2万以上!
――最初に制作されたのは安田講堂でしたが、他にはどんな作品を作られていますか?
青山さん 過去の大型作品では、先ほどご紹介した日本橋高島屋本館の他に、「太陽の塔」「東大の赤門」「東京都庁」「東京タワー」などがありますね。今組み直している「城」も先輩が作った大型作品です。
――すさまじいクオリティーですね……。
青山さん レゴは高さのある作品を作るのは非常に難しいんです。しっかりと高さに耐えられるように骨格も計算して組まないといけません。都庁などは1メートル弱もあるので、外観だけでなく、その中身にはものすごく複雑な骨格が組まれていたりします。
――この都庁はどれだけのブロックが使われているのでしょうか?
青山さん 恐らくですが、ブロック数は2万くらいでしょうか。大型作品はだいたい2万から3万のブロックが使われています。
――ものすごいパーツ数ですが、設計図はあったりしますか?
青山さん 設計図がある作品もありますし、ない作品もあります。「城」は設計図がなく、フィーリングで組むことしかできませんので、ちょっと苦戦しています(笑)。
――ちなみに、大型作品一つでいくらくらいの費用がかかるものなのでしょうか?
青山さん うーん、一般的には数十万単位といったところでしょうか。
――それはすごい……。
■技術さえあればどんなものも作れるレゴの面白さ
――青山さんが実際に制作した中で、一番気に入っている作品はありますか?
青山さん 個人的には、やはり東京都庁ですね。あの高さはすごいとしか言いようがありません。他には、自分も制作に携わった「日本銀行本店旧館」がお気に入りですね。これは2014年に制作したもので、制作に3カ月ほどかかりました。
――レゴの魅力とは何だと思いますか?
青山さん 細かいパーツを組んでいって大きな作品を組めること、また珍しいパーツを駆使して小さいながらも個性的な作品を作ることもできる、そうした二面性がレゴの魅力であり、面白いところだと思います。
――実績のある東大レゴ部に入りたくて東大に入学した人がいる、という話を聞いたことがありますが?
青山さん 実際にいますね。
――非常に実績のあるサークルですし、入部するには技術がいると思っている人も多いかもしれませんね。
青山さん 部員の中にはレゴが好きで好きでたまらなくて、プロビルダーを目指しているという人もいますが、ただ、入部した誰もが昔からレゴが好きだったわけではありません。自分も大型作品の展示を見て、面白そうだと思って入部しましたし、入部してレゴに始めて触れた人もいるくらいです。興味がある新入生がたくさん入部してほしいですね。
――ありがとうございました。
作品をいくつかご紹介しましたが、どれも圧巻のクオリティーです。取材時に組まれていたお城も幅1.5メートルの迫力ある大型作品でした。こうした作品は学祭のほかに、イベントでも展示されることがあるそうです。レゴで作られた見事な作品を、ぜひご覧になってみてください!
東大レゴ部のHP
⇒http://toudai-lego.6.ql.bz/
写真提供:東大レゴ部
(中田ボンベ@dcp)