今徐々に来てる!? 理系ならピンと来る「東京大学キムワイプ卓球会」ってなんのこと?
東京大学にはさまざまなサークルがあります。『東大襖(ふすま)クラブ』や『東大みかん愛好会』などは全国的にもかなり有名なサークルでしょう。最近徐々にメジャーになっているのが『東京大学キムワイプ卓球会』です。皆さんはご存じですか?
■まずは「キムワイプ」を知ろう!
まず「キムワイプ」という単語を知らない人も多いのではないでしょうか。理系の人なら知らない人はいないと思われますが、文系の人は恐らくほとんどが知らないでしょう。
キムワイプは、実験機材などを掃除するときに使うティッシュペーパーのようなものです。200枚入りでだいたい450円前後とちょっと高価ですが、毛羽立ちが少なく、高い拭き取り性能を有しているため、全世界の研究室、実験室、工場、病院などで愛用されています。
実験機材の清掃に使うわけでなく、眼鏡拭きに使ったり、鼻をかんだりする人もいらっしゃいますが、実のところ「鼻かみ用途」には向いていません。鼻の下の皮膚がガビガビになってしまう可能性があります(笑)。
■キムワイプ卓球とは何か!?
というわけで「キムワイプ卓球」です。キムワイプ卓球とはどのようなものでしょうか? 「東京大学キムワイプ卓球会」会長、東京大学教養学部4年生の岩月憲一さんにお話を伺いました。
――キムワイプ卓球とはどんなものですか?
岩月会長 その名のとおり「キムワイプをラケット代わりに使って行う卓球」です。
――キムワイプは空箱ですか? それとも中身の入ったものでしょうか?
岩月会長 どちらでもOKです。私は中身の入っている方が好きですが、プレーヤーが自分の好みで選べばいいです。また、キムワイプは製品として4タイプ販売されていますが、そのうちのどれを使っても構いません。さらに6面どこで球を打ってもいいのです。
――キムワイプ卓球の正式はルールは決まっているのでしょうか?
岩月会長 いえ、現在はキムワイプ卓球独自のルールは特に決まっておりません。今のところはキムワイプで行う卓球となっています。
――そもそもキムワイプ卓球とはいつ始まったものでしょうか?
岩月会長 私が高校時代にある本で「キムワイプ卓球」という言葉を見たことがあります。恐らくどこかの大学の研究室で、キムワイプを使って卓球を行った人がいたのでしょうね(笑)。でもその起源がいつかは不明です。
――なるほど。調査するとけっこうさかのぼれるかもしれませんね。
■徐々に広がるキムワイプ卓球の輪!
――現在「東京大学キムワイプ卓球会」には何人の会員がいらっしゃいますか?
岩月会長 10人ほどです。2カ月に1度ほど試合を行っています。本当は1カ月に1度ぐらいはやりたいのですが、場所を確保するのがけっこう大変で。
――「駒場祭」では「キムワイプ卓球」のアピールを行っていらっしゃるとか。
岩月会長 そうなんです。2015年で4年目なのですが、年々来場者数が増えていまして今年はついに1497名となりました。
――注目度が上がっていますね。
岩月会長 また、今年はメーカーさんの方からお声掛けをいただき、参加者を募って「第1回 キムワイプ卓球大会」を行いました。上位入賞者の皆さんに、メーカーさんご提供の「キムワイプクリップケース」「キムワイプブロックメモ」「キムワイプマグカップ」などを賞品としてお出しいたしました。
――東京大学以外でキムワイプ卓球のサークルはあるのでしょうか?
岩月会長 名古屋大学にありますし、また最近、東京工業大学にもサークルができました。もっと広がって、大学リーグが作れるぐらいになったらいいのですが(笑)。
――キムワイプ卓球の魅力とは何でしょうか?
岩月会長 いつも「キムワイプ卓球は環境依存型ゲームである」と言っています。やってるうちに箱がへこんで形が変わったり、6面のいずれで打つかなどで、球の軌道が変化します。実験に近くて、何が最適解か分からない。「こうしたらいいんじゃないか」「ああしてみたら」といった視点がある。これが魅力だと思います。
――ありがとうございました。
取材してみて、キムワイプ卓球はなかなか奥が深いことが分かりました。もし興味が湧いたら、研究室にあるキムワイプで卓球をやってみませんか?
⇒『東京大学キムワイプ卓球会』
https://twitter.com/utktt
写真提供:岩月憲一さん
(高橋モータース@dcp)