衝撃! あの大志を抱いてそうなクラーク博士は北海道大学にはいなかった! じゃあどこに……?
こんにちは。北海道大学4年のテツヤマモトです。
さて、 あなたは北海道大学と聞いて、誰を思い浮かべますか?
多くの人が思い浮かべるのはやはり………
クラーク博士ではないでしょうか?
北海道大学に訪れる観光客の多くはクラーク博士がお目当て。しかし、 こちらの大きなクラーク博士の像があるのは北海道大学ではないんです!
今回はそんな"クラーク像"の真相に迫っていきたいと思います。
あのクラーク博士の像は北海道大学にはない?
さて冒頭の通り、北海道大学といえば誰もが連想するクラーク博士。
そして、クラーク博士と聞いて誰もが連想するのが、広大な大地をバックにジェケットをひらひらさせ「大志を抱け!」とポーズをしている姿ですよね。
僕も北海道大学に通う中で観光客に 「クラーク博士の像はどこですか?」と聞かれることが何度もありました。そんなとき僕は丁寧にクラーク博士の場所を案内します。
すると大概、がっかりさせてしまうんです。
なぜかというと…
北海道大学のクラーク博士の像は小さいからです。
広大な大地をバックにジャケットひらひらさせながら、「大志を抱け!」ポーズをしている大きなクラーク博士の像を期待していたのに……。
北海道大学を訪れた観光客がガッカリしてしまうのもわかります。
ちなみにクラーク博士について少し復習しておきましょう。
彼は明治9年に札幌農学校(現北海道大学)に教頭として着任して、農学校の基礎作りに尽くされた方。
帰国の際に残した言葉 「Boys be ambitious!!(少年よ、大志を抱け)」は今でも北海道大学の学生に深い感銘を与えている……
らしいです。
クラーク博士の言葉は本当に今でも北海道大学の学生の血肉になっている気がします。
大きいクラーク博士はどこにある!?
北海道大学にいるクラーク博士はとても小さい。上半身の一部だけ。
では、大きなクラーク博士の像はどこにあるのでしょう?
小さいクラーク博士に聞いてみる事にしました。
:あのーすいません、大きなクラーク博士はどこですか?
:それは君のアンビシャスの中さ!
:えーと……。
ちょっとよくわかりませんね。
ということで他の人に聞いてみることにしました。北海道大学は北海道の最高学府、秀才が集う大学です、きっと誰もが有力な情報をくれることでしょう。
次に聞いてみたのはこの方。
5,000円札でお馴染み、新渡戸稲造大先輩です。
:新渡戸大先輩、大きなクラーク博士はどこですか?
:それはだね、「羊ケ丘展望台」ってところにあるんじゃよ。
:わっありがとうございます!
新渡戸大先輩はあっさりと教えてくれました。とても親切です。これを機に僕は樋口一葉派から新渡戸稲造派になろうと思います。
ちなみに新渡戸稲造は札幌農学校卒業後、欧米に留学。
東大教授等を歴任し、国際連盟事務次長、また太平洋問題調査会理事長に着任。
国際理解と世界平和のために尽くした北大の大先輩……
らしいです。
新渡戸大先輩、クラーク博士の居場所を教えてくれてありがとうございます。今後、僕は後輩として恥じない大人になっていきます。
羊ケ丘展望台に来たぞ!
ということで大きなクラーク博士がいる羊ケ丘展望台を目指します。
羊ケ丘展望台は、札幌中心部から地下鉄とバスを乗り継いで着きます。わりと大変です。
本日はとても天気が良くて、国内外からたくさんの観光客が来ていました。
羊ケ丘展望台ではジンギスカンも食べれますし、歩くスキーや雪だるま作り等のアクティビティーもあります。一日中、雪と一緒に遊べます!
そして、展望台というだけあって、 札幌を見渡す景色がとてもキレイ!
THE北海道といいますか、ついつい深呼吸して遠い昔に思いを馳せそうになります。
大きいクラーク博士の像があった!
さて、肝心の大きなクラーク博士はいるのでしょうか? と探していたのですが、
ばばばーん!!!
いましたいました!!! まっすぐ手を伸ばし、ジャケットをひらひらさせ、台座らしきものにはBOYS BE AMBITIOUSと刻まれています!!!
紛れもなく誰もが想像するクラーク博士! あなたがクラーク博士だ!
せっかくなので記念撮影もしました。
BOYS BE AMBITIOUS!!
この記事を読んでくれているあなたも、ぜひとも、大志を抱きましょう!
ちなみにこの写真は無料で写真撮影を撮ってくれるおじさんに頼んで撮ってもらったのですが、 「手もうちょっと下!」「足もうちょっと開いて!」「左手をもうちょっと落ち着かせて!」と注文がけっこう厳しかったです。
もし羊ケ丘展望台にいって、クラーク博士と写真撮影をする機会がありましたら、 少しポーズを練習してから撮影することをおすすめします。
大きいクラーク博士を見たいなら羊ケ丘展望台へ!
さて、いかがでしたでしょうか。
あなたも実はクラーク博士の大きな像は北海道大学にいる… と思い込んでいませんでしたか?
大きいクラーク博士を見たいなら 羊ケ丘展望台へ!
北海道に来る際には気を付けて観光して下さいね。くれぐれも北海道大学に来て、小さなクラーク博士にがっかりしないように。
:クラーク博士、僕はこれからも北海道大学生として頑張ります!
:ボーイズビーアンビシャス!
今日も1日、大志を抱いて元気に過ごしていきましょう。
ちぇけ。
クラーク博士についてもっと知る
というわけで、羊ヶ丘展望台に行けば大きなクラーク博士に会えることも分かったところで、クラーク博士自身にもう少し迫っていきたいと思います。
クラーク博士は結局何をした人なのか?功績は?
クラーク博士は留学先のドイツで
・化学
・植物学
の博士号を取得した人物です。
そんなクラーク博士はドイツ留学時に痛感した農業の大切さを広めようとアメリカで農業専門学部の設立をしていますが、上手くいかず。
そこで出会った日本からの留学生だった同志社大学の創始者・新島襄と出会い、「お雇い外国人」として札幌農学校(現在の北海道大学)の初代教頭に着任したのです。
クラーク博士の熱い指導により酪農のすばらしさを感じた生徒たち。
結果的に、札幌農学校(現在の北海道大学)において酪農のすばらしさを生徒たちに広めることに成功したクラーク博士のおかげもあり、北海道は酪農と農業が発展したとされています。
クラーク博士の名言「少年よ大志を抱け」の完全版がある
クラーク博士の名言である「少年よ大志を抱け!」には、実は続きがあることをご存知でしたか?
当時の生徒たちの英語力では完全翻訳しきれなかっただけでなく、「少年よ大志を抱け」の部分だけが先行するクラーク博士の名言翻訳も諸説あるとされています。
説1)老人説
「Boys, be ambitious like this old men」 翻訳の意味:「少年よ、大志を抱け この老人のごとく」 |
上記の翻訳は非常に有名でかつ有力な説で、意訳は「この老人(=私)のように、あなたたち若い人も野心的であれ」だと伝えられています。
クラーク博士が日本に来日したのは49歳と推測できます。
現代でこそ49歳なんてまだまだ働き時に思えますが、クラーク博士の中ではすでに老いが始まっていたのでしょう。
説2)神説
「Boys, be ambitious in Christ (God)」 翻訳:青年よ、キリストにあって大志を抱け |
クラーク博士が述べた「大志」の中には、多くの人間が欲する富や名誉を否定しているのではないかという説もあります。
クラーク博士は、キリスト教についても教鞭をとっていたそうですので、当時の生徒からはキリスト教と関連した言葉だと解釈されても不思議ではないかもしれませんね。
説3)大志の在り方を問う説
「Boys be ambitious! Be ambitious not for money or for selfish aggrandizement,not for that evanescent thing which men call fame. Be ambitious for the attainment of all that a man ought to be.」 翻訳:少年よ、大志を抱け。しかし金を求める大志であってはならない。利己心を求める大志であってはならない。名声という浮ついたものを求める大志であってはならない。人間としてあるべき全ての物を求める大志を抱きたまえ |
大志というものはお金や欲を求めてはならないという、人としての生き方や志の在り方を説いているのではないかという説も見られます。
説4)クラーク博士の挨拶だった説
「Boys, be ambitious」 翻訳:じゃあな。元気でな!、学生諸君、頑張りたまえ!など |
「Boys, be ambitious」というのは、クラーク博士の出身地であるニューイングランド地方でよく使われた別れの挨拶だったという説もありますが、真実は今や謎に包まれています。
クラーク博士に会いに行こう!羊ヶ丘展望台の場所は?
クラーク博士の銅像はさっぽろ羊ヶ丘展望台にあります。
施設名 | さっぽろ羊ヶ丘展望台 |
住所 | 北海道札幌市豊平区羊ケ丘1番地 |
アクセス | 地下鉄東豊線「札幌駅」から「福住駅」(終点)まで約13分 「福住駅」下車後、 福住駅バスターミナル「4番のりば」より羊ヶ丘展望台行き(福84・羊ヶ丘線)約10分 |
料金 | 大人:530円(税込) 小・中学生:300円(税込) 団体大人:480円(税込) 団体小・中学生:270円(税込) ※未就学児童は無料です ※ペットをお連れの方の入場不可 |
公式ホームページ | https://www.hitsujigaoka.jp |
休業日 | 年中無休 |
地図 |
最後に
さっぽろ羊ヶ丘展望台公式ホームページによれば、クラーク博士の指が指し示す先は、若者たちが進むべき方向を指し示しているのではなく「遙か彼方にある永遠の真理」だそうです。
そこへ向かって大志を抱いてほしいという思いがあるのだとか。
あなたも、羊ヶ丘展望台にクラーク博士のように「真理の探究」をに思いを馳せてみるのも良いかもしれませんね。
文・テツヤマモト
面白ブロガーのテツヤマモトです。北海道出身の北大生。小学校5年生からブログが趣味。「ブログが趣味とか気持ち悪い。」と女の子に振られた経験があります。現在、個人ブログ"面白ハンター(http://www.yamamototetsu.com/)"を運営中。ほとんどネタ記事だけにも関わらず、月間アクセス10万越え。得意なモノマネはイクラちゃんです。