人間は水がないと生きていけません。水道インフラは命に関わりますので、世界中ほとんどの国で国営となっていて、国民は水道代を支払っています。でも、この水道代は国によってけっこうばらつきがあるものなのです。

■なんと日本(東京)の3.5倍！ という国もある！

OECDが公表している『Environment at a Glance 2015』の中に「Water pricing for public supply」(公共の水道料金)というデータがあります。この中では、OECD加盟国の大都市の水道料金(1立方平方メートル当たり)が比較されています。これを水道代の高い国順に並べると下のようになります。

■OECDのデータに見る水道料金の高い国(都市) ランキング

第1位　デンマーク(コペンハーゲン)……7.63 USドル

第2位　オーストリア(ウィーン)……5.20 USドル

第3位　ベルギー(ブリュッセル)……4.95 USドル

第4位　スイス(チューリッヒ)……4.65 USドル

第5位　フィンランド(ヘルシンキ)……4.63 USドル

第6位　オランダ(アムステルダム)……4.53 USドル

第7位　ノルウェー(オスロ)……4.32 USドル

第8位　アメリカ(ワシントン)……4.18 USドル

第9位　フランス(パリ)……4.16 USドル

第10位　イギリス(ロンドン)……3.98 USドル

第11位　カナダ(ウィニペグ)……3.76 USドル

第12位　ハンガリー(ブダペスト)……3.21 USドル

第13位　ポーランド(ヴロツワフ)……2.77 USドル

第14位　イスラエル(エルサレム)……2.76 USドル

第15位　ポルトガル(リスボン)……2.57 USドル

第16位　スウェーデン(ストックホルム)……2.52 USドル

第17位　日本(東京)……2.18 USドル

第18位　スペイン(マドリード)……2.17 USドル

第19位　イタリア(ローマ)……1.78 USドル

第20位　メキシコ(グアダラハラ)……0.87 USドル

第21位　韓国(ソウル)……0.53 USドル

＊……各国複数の都市がある場合は首都のデータを選びランキングしました。首都のデータがない場合は最も人口の多い都市をピックアップしました。

日本は真水資源に恵まれている国といわれますが、それを証明するように水道料金は安価な方ですね。ただ、積雪量も多く、真水資源に困っているイメージのない北欧、中欧の国々で水道料金が高いのはちょっと驚きではないでしょうか。

20位に入っているメキシコは安価に見えますが、実はこの人口第二の都市グアダラハラだけが特異なのです。データがあるメキシコの他の大都市を見ますと、

・サン・ルイス・ポトシ……4.25 USドル

・レオン……4.87 USドル

・モンテレイ……4.72 USドル

・プエブラ……8.62 USドル

と、いずれもかなり高価な水道代が課せられていることが分かります。

韓国の水道料金が際立って安価ですが、これは原価割れで水道料金が設定されているから、という話があります。赤字なのに水道インフラを維持できるのか、よその国ながらちょっと心配になりますね。2015年は干ばつに苦しめられたばかりなのですが……。

現在、世界のあちこちで真水資源の枯渇が心配されています。日本は真水資源に恵まれた国といわれますが、将来のことを考えてより水を大事にしていきたいものです。

⇒データ出典：OECD『Environment at a Glance 2015』の「Water pricing for public supply」

http://www.oecd-ilibrary.org/sites/9789264235199-en/01/06/index.html?contentType=&itemId=%2fcontent%2fchapter%2f9789264235199-9-en&mimeType=text%2fhtml&containerItemId=%2fcontent%2fserial%2f19964064&accessItemIds=

(高橋モータース＠ｄｃｐ)