アメリカは銃を持ち過ぎ!? 銃の民間普及ランキングTop10!
アメリカではしばしば「銃乱射事件」が起こります。痛ましい事件が起こるたびに、オバマ大統領がもううんざりといった声明を発表しています。これら事件の背景には「市民に広く銃器が普及している事実がある」なんて指摘がありますが、では実際どのくらいの銃器があるのでしょうか!?
アメリカの銃規制の問題についてイギリスのガーディアン紙が「Gun homicides and gun ownership listed by country」という記事を掲載したことがあります。この記事では、UNDOC(United Nations Office on Drugs and Crime:国際連合薬物犯罪事務所)、また『The Small Arms Survey』の調査データを引用しています。この中に、世界各国で「市民100人当たりに何丁の小火器(Firearms)があるか」をまとめたものがあります。
それを見てみますと……。
■市民100人当たり何丁の小火器があるか 国別ランキングTop10
第1位 アメリカ……88.8丁
第2位 イエメン……54.8丁
第3位 スイス……45.7丁
第4位 フィンランド……45.3丁
第5位 セルビア……37.8丁
第6位 キプロス……36.4丁
第7位 サウジアラビア……35.0丁
第8位 イラク……34.2丁
第9位 ウルグアイ……31.8丁
第10位 スウェーデン……31.6丁
データがある178カ国中、1位はぶっちぎりでアメリカ。なんと市民100人当たり「88.8丁」もの小火器(Firearms)があるのです! 2位は「イエメン」。あまり政情の安定した国ではありませんからこれは仕方ないかもしれません。
Top10に入った中で、アメリカ以外では「スイス」「フィンランド」「スウェーデン」の3国は日本人にはちょっと意外かもしれません。
3位の「スイス」は国民皆兵のシステムがある国で、自分の武器は自分の家で保管することになっているそうですので、この多さはそのためでしょう。また4位の「フィンランド」は徴兵制度を持つ国で、男性は18歳になると軍隊に入るか、奉仕業務に就くかを選択するそうです。同じ北欧では10位に「スウェーデン」が入っていますが、こちらでは2010年に徴兵制度は廃止されています。「フィンランド」「スウェーデン」は狩猟の盛んな国ですので、それが影響しているのかもしれませんね。
それにしてもアメリカの銃(小火器)の所有率はずば抜けています。ちなみに、総所有数もアメリカはダントツです。市民の小火器総所有数(Average total all civilian firearms)を各国で比較してみますと……。
■市民の小火器総所有数 国別ランキングTop10
第1位 アメリカ……2億7,000万丁
第2位 インド……4,600万丁
第3位 中国……4,000万丁
第4位 ドイツ……2,500万丁
第5位 フランス……1,900万丁
第6位 パキスタン……1,800万丁
第7位 メキシコ……1,550万丁
第8位 ブラジル……1,484万丁
第9位 ロシア……1,275万丁
第10位 イエメン……1,150万丁
アメリカにはなんと「2億7,000万丁」も小火器があります! しかもこれは概算であって、統計によってはこれより大きな数字も出ていたりします。
ちなみに日本は、「市民100人当たり0.6丁」で「178カ国中164位」。また「市民の総所有数は71万丁」で下から数えた方が早い順位です。日本は治安の良い国といわれますが、この小火器の少なさも影響しているのでしょうね。
⇒データ出典:『theguardian』の「Gun homicides and gun ownership listed by country」
http://www.theguardian.com/news/datablog/2012/jul/22/gun-homicides-ownership-world-list
⇒データ出典:『small arms survey』の「Civilians and small arms」
http://www.smallarmssurvey.org/fileadmin/docs/H-Research_Notes/SAS-Research-Note-9.pdf
(高橋モータース@dcp)