教えて朽木先輩! 仲よしグループが私抜きでお出かけ……これって嫌われてるの?
友だち、単位、恋愛、バイト、サークル、進路など、なにかと悩みがつきない大学生。そこで、なんと7年間も大学生をした経験があるライターの朽木誠一郎さんが、悩める大学生の相談にのってくれます。
今回は「仲がいいと思っていたグループの子が私抜きで遊んでいるのをSNSで見かけてしまいました。どうすればいいでしょう」という、大学1年生女子のお悩みに回答します。
こんにちは、朽木先輩です。予定があるとおっくうになりますが、誘われないのは寂しいタイプです。
「ごめんごめん、この後ちょっと別アポあるから無理だわ~~~」と飲み会を不参加にして家でインターネットをしていたいのに、そもそも声を掛けてもらえません。大丈夫、本当は僕にあんまり来てほしくないタイプの飲み会は空気読んで断るから! でもさすがに社交辞令でも声くらいは掛けてもらえないと「あれ、朽木さん今日飲み会あるって知らされてないのかな」って思われて可哀想じゃん? だから声掛けて! ねえ! 声を、掛けておくれよ!!!
かく言う僕も大学入学当初ってこういうのを気にしがちで、Facebookに僕の知らないところで開催されたイベントの写真がアップされる、なんてことがあると関係者全員のアカウントをソーシャル監視しては紙に学年の人間関係の相関図を書き上げ、その中で極端につながりの少ない自分に目を背けるようにTwitterでネタツイートをするなどしていました(フォロワーは減りました)。今だったらInstagramがリアル充実系投稿のオンパレードになっているのでしょうか。
こういうのって、ある瞬間にフッと「ああ、悩むだけ時間のムダだな」って思えるようになるものです。でも、そこにいたるまで当人はわりとしんどい思いをするんですよね。それにあんまり相談しにくい、だって「友だちにハブられてるんです!」って言ってるようなもんですし、悩むのがくだらないって自分でもわかっているんだと思います。そんなあなたに魔法の言葉を教えましょう。それは「私以外私じゃないの」です。当たり前ですよね。
どういうことか説明すると、これって自分と他人の境界線の悩みだと思うんです。仲がいいと思っていたグループということは、あなた自身がそのグループのことをとても気に入っていたのでしょう。好きなものは欲しくなる、それ自体はとても自然なことです。でも、「あなたが好きなもの」は必ずしも「あなたのもの」ではありません。お金で手に入る服や食べ物なんかなら買えばいいのですが、この場合にあなたが欲しくなったものは、この世で一番どうにもならない他人の気持ちです。
あなたとあなたのものは自分という線の中に入れて構いません。それが傷つけられたり損なわれたりしたら、堂々と胸を張ってそうされないための権利を主張しましょう。でも、まだ買っていない服や食べ物をお店の前で自分のものだと主張する姿はちょっと不安ですよね。実は、“仲がいいグループで自分だけハブられた"というのは、それとあまり大差がないのです。他人の気持ちがあなたのものになることはありません。この事実は、大人になる過程で、いつかどこかで受け入れなければいけないのです。
おわかりいただけたでしょうか。自分以外があなたの線の中に入ることはない、これを端的に示しているのが「私以外私じゃないの」です。だから、何かを好きだという気持ちは、もともと報われないものだと整理しておきましょう。そして、報われたときにはしっかり感謝をすること。その感謝なしに報われて当然だと思うその態度が、もしかしたら仲がいいグループがあなた抜きで遊んでいる理由なのかもしれません。
なんだか人間関係って大変だと思ったかもしれませんが、人間関係はそもそもおっくうなものです。人と関わりたい気持ちと寂しさとに折り合いをつけて、どうにもならない悩みになるべく振り回されないようにしましょう。大丈夫、誰もあなたを受け入れてくれないと思う日が来ても、そんなときは承認欲求が入り乱れるインターネットがあります。僕もTwitter(@amanojerk)でいつものようにネタツイートをしながら、あなたのことをお待ちしています。
■朽木先輩のひと言
そんなときはゲスの極み乙女を聴いて泣こう、そして忘れよう。
朽木誠一郎
二浪して6年制の大学に入学、途中で留年し、28歳で新卒になったライター。高校卒業から社会進出までが9年と、豊富な学生経験を持つ。