【言語分野】玉手箱の練習問題
大手企業でよく出題される「玉手箱」。玉手箱の言語分野の問題は、長文を読んで論理的な正誤を判断する問題(GAB形式)、文章の趣旨を判断する長文の趣旨選択問題、設問文が長文の趣旨かどうかを判断する問題(IMAGES形式)が出題されます。
制限時間は、【GAB形式】が15分間で36問、【長文の趣旨選択問題】が12分間で10問、【IMAGES形式】が10分間で32問です。
ここでは練習問題を9問ご用意しました。スムーズに文章読解を進めることも鍵になりますので、問題に慣れておくためにぜひ一度チャレンジしておきましょう。
玉手箱の練習問題 言語分野
次の文章を読んで、4つの質問それぞれがABCのどれに当てはまるかを選択してください。
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世の中には、物事を後回しにするタイプとそうでないタイプに分かれる。私は前者の方だ。やろうと思ってもなかなか腰が上がらないことがある。しかし、明確な目標があればそれがたとえ困難な目標であったとしても達成できることもある。この違いはなんだろうかと最近よく考える。
私が困難な目標を達成できたのは、大学受験だ。半年間の間に偏差値が20も上がり、志望校に入学することができた。受験までのスケジュールを立て、自分なりに必要・不必要の選別をして効率的な勉強方法を確立した。そのおかげで順調に偏差値を上げ、無謀と思われた大学に入学ができたのだ。
大学受験ではそのようなことができたのだが、日々課題として与えられるレポートなどはギリギリになってやっと動き出す。この違いはなんだろうかと最近考えていて、ようやく気がついた。それは達成した際に何が得られるのかがわかるか、わからないかの違いによるものだと。
きっかけとなったのは、オリンピック選手の特集テレビを見たことだ。私がいう「違い」はアスリートがよくいうイメージトレーニングによるものが大きいのだろうと気づいたのだ。確かに大学受験のときには輝かしいキャンパスライフにあこがれて具体的なイメージを抱き、そこに向かっていくのだと決めて努力ができたのだが、ゼミの課題やレポートなどは達成した結果何が得られるのかがわからない。せいぜいABCなどの評価でそこまで価値があるとも思えないのだ。
しかし、この「違い」を転用すれば何にでもやる気を出して取り組むことができるのではないかと感じた私は、あらゆるものに対して目的をつけてみることにした。これが成功すれば、これまでの自分とは違った新しい自分に生まれ変われる気がする。
A この文章から論理的に考えて設問文は明らかに正しい
B この文章から論理的に考えて設問文は明らかに間違っている
C この文章だけでは設問文が正しいか間違っているかは判断できない
■第1問
私が大学受験で無事合格できたのは効率的な勉強法を確立できたからだ。
A
B
C
■第2問
意志が弱い人は目的が達成できないものだ。
A
B
C
■第3問
達成したときのイメージが明確でも、達成できないものはある。
A
B
C
■第4問
違いを転用し、成功できたとしても新しい自分にはなれる気がしない。
A
B
C
次の文章を読んで、最も適切な選択肢を1つ選んでください。
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就職や転職の面接は、自分が値踏みされるような思いがするので非常に苦手だ。 毎回見えない誰かと比較されていることを感じて、控えめになってしまう。そのためうまく自分をアピールすることができず、もごもごと主張した結果不合格になってしまうことが多い。一通り面接を受けてみた後なんとか就職を決めたい私は、緊張しないためにどうすればよいのかを考えた。
まずは、なぜ緊張してしまうのかということを分解して考えてみた。その結果、緊張するのは4つの理由からだということがわかった。
1.他の誰かと比較されていると感じる
2.自分をより良く見せたいという思いがある
3.作った志望動機を間違えないように伝えなければと思ってしまう
4.面接官の反応が悪いと何かしでかしてしまったのではないかと思ってしまう
この4点が自分の緊張してしまう原因だと結論付け、さらにその要因をどのようにすれば解消できるのかを考えてみた。
1.他の誰かと比較されているのは就職面接なので当たり前。しかし、それを面接中に気にしても合否の結果は変わらず、意味がない
2.自分をよりよく見せたとしても、入社してから働くのは実際の自分。よりよく見せたところで後々嘘だと思われてしまう。
3.志望動機は自分の心から自然に出てくるものであり、暗記して覚えるものではない。ポイントだけ抑え、言葉を間違っても意味が伝わればよい。
4.人それぞれ反応の仕方は違い、あえて反応しない圧迫面接という面接の方法もある。相手の反応を伺うのではなく、自分が伝えるべき内容にフォーカスすることが大切。
このような考え方を持って取り組んでみると、不思議と肩の荷が下りたような気持ちに なることができた。実際に面接に行く前にこの考え方を意識づけて挑んでみたところ、自分の心臓の鼓動が聞こえるような緊張感はなく、心地よいプレッシャーを感じながら面接を受けることができた。これまでの面接が何だったのかと思うほどのよい感触を得られ、先方からも主張が分かりやすく非常に好感を持てたという感想をいただけた。
この体験を振り返ると、いかに自分で自分の能力を知らぬ間に狭めているかがわかる。 ほとんどが自分の思い込みで悪い評価を下されたらどうしようと考えてがんじがらめになっていた 。
自分の思い込みでがんじがらめになると、相手のことも見えなくなる。評価などを気にするのではなく、目の前にいる相手に伝わりやすい言葉で話すことや、何を伝えるべきかということに視点をおいて話すことが重要なのだ。
■第5問
もっとも適切な選択肢は次のうちどれ?
1)面接では緊張せず、リラックスして対応することが大切だ
2)面接では自分ではなく、相手のことを考えて会話することが大切だ
3)志望動機は暗記しておくべきだ
4)程よいプレッシャーは面接を成功に導いてくれる
次の文章を読んで、設問文1つ1つについて、ABCのいずれかに該当するものを選択してください。
ただし、4つの設問文には、AとCに該当するものがいずれも1つ以上含まれています。
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問題解決とは何か。問題とはあるべき姿と現状との乖離から生じるものである。その現状をあるべき姿に近付けることが問題解決である。問題を解決するためには問題を認識し、解決するための手段を選び、講じることが必要である。
例えば、大学3年生のXさんが進路で悩んでいる。彼女は金融論を専攻していて、成績はほとんど「優」である。ゼミの指導教員には修士課程に進んでから就職したらどうかと進められる程である。Xさんは金融をこれ以上大学で学ぶつもりはなく、就職先には金融機関を考えていた。そろそろ周りではインターンシップに参加する学生が出始めている。
一方でXさんは、2年の時に経験したボランティア活動を通じ、他者のために奉仕することの喜びが心に残っており、弁護士になりたい気持ちを持っていた。金融機関に行けば彼女の専門が活かされやすいが、弁護士への道を断念することになる。どうしたらXさんは進路を決めることができるだろうか。
Xさんのあるべき姿は進路を決定している自分である。現状は、金融機関に就職するか、弁護士への道を選択するか、いずれかで悩んでいる自分である。そのギャップが彼女の問題となっていた。Xさんは弁護士へのあこがれを捨てられないが、彼女は法律の勉強をほとんどしたことがない。今から勉強すれば法科大学院の試験日には間に合う。
Xさんが問題を解決するには2つの手段がある。1つ目は法科大学院について調査することである。司法試験の合格率が高い法科大学院はどこか、専門外の自分はどのくらい勉強する必要があるのか。彼女の弁護士への思いは明らかなのだから、後は能力の問題である。自分には弁護士を目指す程の力量があるのかを、法科大学院を調査することで知るのである。
2つ目は、金融論を専攻して好成績を残した自分は、金融機関への就職に未練がないかどうかを知ることである。Xさんは金融への適性があるので、彼女の能力が活かされる。また、弁護士へのあこがれは「他者のために奉仕することの喜び」に端を発しているが、金融機関でも他者に奉仕することはできる。例えば、融資を通じて企業を支援することで、他者への奉仕に繋がる。
このように、問題解決に至るまでのステップにはいくつかの手段がある。あるべき姿を設定して現状分析し、問題を認識する。その上で、時間が限られている中で適切な手段を選び、解決していくことが肝要なのである。
A 筆者の趣旨(最も訴えたいこと)が述べられている
B 文中で述べられているが、筆者の趣旨ではない
C 本文とは関係ないことが述べられている
■第6問
司法試験の難易度は高く必ず合格できるとは限らない。
A
B
C
■第7問
問題とは現状とあるべき姿のギャップである。
A
B
C
■第8問
問題を解決するにあたっては、問題を認識し、適切な手段を選んで解決していく必要がある。
A
B
C
■第9問
金融機関でも融資を通じて他者に奉仕することができるので、Xさんは進路として金融機関を選ぶべきである。
A
B
C
※2020年3月17日に一部内容を修正しました。