就職活動を始めるに当たって、志望する業界のことはできるだけ詳細に知っておきたいですよね。しかし、ただでさえ忙しい就活の日々の中、情報獲得に割ける時間は限られてしまうもの。そこで、どんな本を読んだら効率よく情報を得ることができるのか、ブックライターの海野早登子さんにうかがいました。
■小説で業界の実情が「楽しく」わかる
「書店に行けば各業界のあらましを解説した本はたくさんありますし、普通はそういうビジネス書などをオススメするところではありますが、そういうお堅い本だけでは息がつまるという方も多いでしょう。ならば小説で楽しみながら業界のことを知っていくのは、いかがでしょう。次に紹介するいくつかの作品は、いずれも超がつく人気作家さんの手によるもので、まず、面白いことは間違いありません。時間のたつのも忘れて夢中で読み終えたら、もういっぱしの業界通になっていることでしょう」。
以下、海野さんおすすめの作品です。
●池井戸潤「下町ロケット」(小学館)
直木賞に輝く作品。製造業界のものづくりに賭ける人々の人間ドラマ。
●池井戸潤「鉄の骨」(講談社)
建設業界の裏側まで見せちゃいます。
●荻原浩「神様からひと言」(光文社)
メーカー。お客様相談室へ配属になった若者の話。
●三浦しをん「ふむふむ―教えてお仕事!」(新潮社)
各業界の女性へのインタビュー集、女性は必読です。
●有川浩「県庁おもてなし課」(角川文庫)
ある地方に観光客を呼ぶために奮闘する公務員を描く。
●辻村深月「ハケンアニメ」(マガジンハウス)
今や重要な輸出産業ともなっている日本のアニメ業界の真実。
●碧野圭「書店ガール」(PHP文庫)
書店閉店の危機に立ち向かうアラフォー女性店長とアラサー女子店員の物語。出版業界、書店業界がわかる。
業界研究も、小説を通してなら気軽に取り組めそうな気がするラインナップをご紹介いただきました。移動の車中や、説明会などの待ち時間を利用して読めば、ストレス解消にもなりそうです。
文●imago
ブックライター海野早登子さん
OZmagazineを始めとする各種雑誌などで活躍中。各ジャンルの小説が得意分野。