【クラシエ】社員の「やりたい」を全力で応援する!クレイジーを貫く企業風土とは? #お仕事図鑑
ヒット商品やサービスを手掛ける企業のキーマンにお話しを伺う企画「#お仕事図鑑」。
今回は「クラシエ」で経営企画室長・D&C推進室長・新規事業推進の3つの役割を兼務する七森さんにインタビュー。「CRAZY KRACIE」を掲げた社内風土改革の取り組みや、「人を想いつづける」企業理念が息づく職場の魅力について詳しくお話を伺いました!

PROFILE
七森 有貴さん
会社の成長性と収益性を高めるために、経営戦略の実行と社内風土改革を行う。
一人ひとりの価値観や働き方が変わる中で、もっと多様にあるべきだと考え、Diversity&CRAZYを推進中。
クラシエについて(広報 小長谷さんより)
クラシエは「ホームプロダクツ」「薬品」「フーズ」の3つのカンパニーで構成され、「いち髪」などのトイレタリー製品、「葛根湯」などの漢方薬、「ねるねるねるね」などの食品を展開しています。子どもからお年寄りまで、暮らしに寄り添う商品を幅広く提供しています。企業理念は「しるし」と呼ばれ、「人を想いつづける」を根幹に、行動規範「こころを晴れにする」とビジョン「CRAZY KRACIE」(クレイジークラシエ)の3要素で構成されています。「人」とは顧客・従業員・取引先など関わる全ての方を指します。スローガン「夢中になれる明日」のもと、社員が新しいことに挑戦でき、一人ひとりの強みを活かせる環境づくりを大切にしています。
経営企画室長など3つの部署を兼務
ーー簡単に自己紹介をお願いします。
クラシエの七森と申します。本日は、皆さんが今後働く上で参考になるようなことを1つでもお伝えできたらと考えております。
ーー現在の仕事内容について具体的に教えてください。
今、3つの部署を兼務しております。1つ目はクラシエグループの経営企画室長です。経営企画室長と聞くとすごく難しそうに思われるかもしれませんが、クラシエという会社をより良い方向に導いていくために、売上や利益といった数字の管理はもちろん、さらに成長していくためにどんな戦略を立てればいいのかを、競合他社とも比較しながら、日々アンテナを高く持って考える仕事をしています。サッカーで例えると司令塔のような役割です。
2つ目はダイバーシティ&クレイジー(D&C)推進室の室長です。冒頭で小長谷さんからも説明がありましたが、クラシエは「CRAZY KRACIE」という社内風土を目指しておりまして、挑戦する風土を定着させるために、自らが旗を振って推進しています。サッカーで例えると、チームを盛り上げるムードメーカーのような仕事ですね。みんなを鼓舞したり、方向性を示して士気を高めるような役割を担っています。
3つ目はフロンティアBC(ビジネスセンター)で新規事業を推進しています。クラシエは「CRAZY」という挑戦する風土を目指しているからこそ、自分自身も何か新しいことに挑戦して社員に背中を見せたいという思いがあり、自ら「カラダととのう enn you(エンユー)」という新規事業を立ち上げました。仕事内容は大きく分けるとこの3つになります。
ーー3つの部署を兼務されているとなると、お仕事はどのように分担されているのでしょうか。
仕事の分担は、1日の中で「これをやる、あれをやる」と決めるわけではなく、都度必要なことを進めていますので、かなりいろいろな役回りを1日の中でこなしています。朝から経営会議で経営幹部を集めて経営判断をしなければならない時もあれば、新規事業でどんなインフルエンサーを起用して商品をアピールしていくかを考えたり、企業風土の取り組みとしてクラシエの公式部活動の運営を考えたりもします。
私自身もサウナ部の部員なのですが、「どうしたらもっと社員が楽しく繋がれるか」といったことも考えています。3つの役回りをそれぞれ切り分けるのではなく、立体的に施策を繋げられるように取り組んでいます。
社内風土改革がパフォーマンス向上につながる
ーー次に、お仕事の1つである社内風土改革について、実行するに至った経緯を教えてください。
社内風土改革と聞くと、「本当に専門の部署があるの?」と不思議に思われると思います。私もこの室に来るまでは「本当に社内風土を作るだけの部署が必要なのかな」と思っていました。クラシエには営業やマーケティング、研究など色々な職種がありますので、そんな中で社内風土を作る室が必要なのかと。
でもイメージしてみてください。友達と2人で旅行に行く時は、少人数だとスムーズにいろんなところを巡って、何を食べて遊んでと順調に進むと思います。ところが20人、30人と増えていくと、別々のことをやり始めたりバラバラに動いてしまって、旅自体が楽しくなくなってしまうことがよくあります。
会社の運営も同じです。クラシエは約2000人の社員が働く会社です。みんなが同じ気持ちで同じゴールを目指して働くということが、会社全体のパフォーマンスを上げるのにとても重要だと位置づけて、D&C推進室という部署を新しく作りました。
そこに込められた思いは、「CRAZY KRACIE」に掲げている「挑戦する風土」や「一人ひとりがもっと自分で考えた新しいことに取り組む」ということであり、それが実現できたら強い会社になるのではないかと考え、現在推進しているところです。
ーーホームプロダクツカンパニーや薬品カンパニー、フーズカンパニーと、それぞれ異なるチームでは風土なども異なっていたのでしょうか。
はい。日用品、漢方薬、「ねるねるねるね」などのお菓子と、売っていくものが全く異なりますので、それぞれのカンパニーに特徴があります。例えばお薬ですと、正確に情報を伝えてしっかりと患者様の役に立つことが求められます。シャンプーなどでは、より情緒的に「髪の毛が綺麗になる」といった表現をどうしていくかを考えます。「ねるねるねるね」や「甘栗むいちゃいました」では「食べて美味しい」というところで子供たちの笑顔につなげることを目指しています。それぞれ目指しているところは違いますが、その違いを繋げることによって、よりクラシエとして成長できるのではないかと思っています。
ーー風土改革を推進する際に、周囲をどのように巻き込み、共感に変えていったのかお伺いしたいです。
クラシエに「CRAZY KRACIE」という言葉ができた当初は、社長や私たちの部署から「CRAZY KRACIEはこんなに重要なんだ」とひたすら発信していました。しかし、会社の上層部や私たちのような部署から「すごく重要だよ」と言っても、色々な職種がある中でなかなか社員の共感を得られていないという課題がありました。
そこで一番重要なのは、自分の働く同じ職場の仲間や同僚、先輩や後輩から「CRAZY KRACIEをやると楽しい」とか「やってみたらこんなにいいことがある」という声が自然に広がるような施策だと気づきました。
現在3期目を迎えた「CRAZY KRACIEアンバサダー」という、手挙げによるアンバサダー活動が始まっています。北海道から九州まであるクラシエの様々な拠点から、営業やマーケティング、研究、生産など本当に色々な職種の人を募集して、「自分の仕事で何をすることがCRAZYなのか」を情報交換することで、ようやく社内の巻き込みや共感が生まれるようになったと感じています。
ーー機会がないと、違う部署の方の仕事内容を把握したり、同じ目標を持つことが難しかったりしそうですね。
おっしゃる通りです。工場の方々もミスなく同じ時間で同じ数を作ることがとても重要なのですが、実は「同じようにやっているから自分たちはCRAZY KRACIEとは少し違う」という意見も最初はありました。しかし工場のアンバサダーの方々に言わせると、日々「どうしたらミスなく作れるか」と、同じように見えても全く違うことを考えながら取り組んでいたり、シャンプーを作る機械を自分で組み立ててしまう人がいたりと、現場にはCRAZYな事例がたくさん転がっていました。
若手社員の挑戦を全社員でサポート
ーー2001年の入社当時と比較して、現在のクラシエは挑戦やダイバーシティに対してどのような空気の変化があったのか教えてください。
私が入社した2001年当時は、若手社員は「見習い」のような役割として見られていて、「まだ見習いだからできない」と言われたこともあり、先輩社員のサポートやお手伝いをすることが非常に多かったです。もちろんその中で自分も役割を全うしていましたが、もっと若い時からやりたいことはたくさんあったので少しモヤモヤしていました。
最近、CRAZYや一人ひとりのチャレンジを受け入れるダイバーシティの風土が定着してきたと感じる事例として、「3 to 5 CRAZY(スリートゥーゴ― クレイジー)」という制度があります。入社3年目から5年目で自分の職場や仕事に慣れてくるタイミングで、その社員が「自分でやりたい」と言った会社目線の大きな挑戦を提案し、それを全社員でサポートするという仕組みです。
例えば「クラシエの推し商品を紹介し合ってクラシエ愛を高めよう」という挑戦を1人の若手社員が提案し、経営も含めてみんなで応援するといったことが行われています。入社当時と比べると約25年が経ちますが、大きな変革があったと感じています。
ーー若手が挑戦したことで、さらに具体的な事例を教えてください。
例えば、医薬品を販売しているMRの営業の方と、シャンプーの営業の方が、「営業同行することで営業スキルをより高めたい」と手を挙げてくるケースがあります。カンパニーが分かれている中でなかなか実現できていなかったことですが、お医者様に説明する際の「数分が勝負」という営業トークと、シャンプーや食品のバイヤーに対して時間をかけながら販売実績を見て売り場の提案をする方法とでは全く異なります。
しかし両方の異なる視点から営業を見た時に、相互を知っている方が自分の仕事にも持ち帰るものが多く、こうした若手社員の声から施策が始まったりしています。
また、クラシエには「お客様相談センター」があり、商品に対する声がメールやお手紙、電話などで届くのですが、喜びの声もたくさん届きます。そうした声を本社のマーケティング担当者には商品改良のために伝えていましたが、「生産・製造現場で働く人たちにもそれを届けたい」という若手社員の提案により、工場の人たちに共有する場ができました。
ーー部門ごとの良さをお互いに知って相乗効果でより挑戦できるような土台が作られていくというイメージでよろしいでしょうか。
そうですね。自分がやっていることはあくまで部分的なものですが、それをより客観視し全体から見ることで、自分の仕事の目的をより認識できるようになります。例えば工場の方は原料を投入するのが仕事だったりしますが、それが実際にお店に並んでお客様に喜ばれるというところまでイメージすると、仕事をする上でもすごくやる気が出るのではないかと思います。
多様な価値観を受け入れる組織へ
ーー今後さらにクラシエの企業文化をどのような状態にアップデートしていきたいと考えていますか。
CRAZY KRACIEは一人ひとりの挑戦する風土や意思をとても大切にするビジョンですが、それを推進していく上で強く思うのは、本当に一人ひとりの価値観や考え方は異なりますし、持っている強みも全然違うということです。その強みを思いっきり解放しながら最大のパフォーマンスを遠慮せずに出せる会社こそが発展につながると思いますので、みんなが持つ固有の可能性をどうしたら最大化できるかというところで、多様な価値観を受け入れていく組織にしていきたいと思っています。
ーー企業理念である「人を想いつづける」を感じるようなエピソードはございますか。
たくさんありすぎて、本当に温かい社員が多いと感じています。
具体的なエピソードとしては、2011年の東日本大震災の時のことです。東京に住んでいたのですが、水が少し濁って水道水が飲めなくなった時期がありました。コンビニではペットボトルの水が2000円で売られたり、棚からなくなったりしていました。
その時、実は息子が生まれたばかりで、子供にミルクを与えるために水を沸かす必要があり、とても困っていました。クラシエは「人を想いつづける」会社なので社員に(備蓄用の)ペットボトルの水が配られたのですが、多くの先輩たちがその水を私にくれたんです。みんなの家庭でも水がなくなると困るはずなのに、「七森のところはまだ赤ちゃんが小さいから、自分のペットボトルをあげるよ」と言ってくださる方がたくさんいて、家の中がペットボトルだらけになりました。
家族からも驚かれましたし、自分自身もそういう仲間がいて本当に幸せだなと感じました。普段優しい人はたくさんいると思いますが、困った時や有事の時にこそ本当の「人を想いつづける」が出ると思います。
ーー「人の期待を大きく超える」や「人生をもっとクレイジーに」という言葉を軸にする理由を教えていただきたいです。
自分の人生を振り返った時に「どういう時に気分が上がるか」「自分自身の心がウキウキする」タイミングは、エピソードごとにたくさんあると思います。私がそれを振り返った時に、今は「人の期待を超えることで、相手が少しでも驚いたり喜んだり笑ったりする」こと、つまり相手のリアクションが大きくなることを生きがいにしている人間だと気づきました。それを原動力にして生きています。
仕事をする上でも、人の期待通りだとあまり喜んでもらえない時代になっていますので、「期待を大きく超える」ことで相手が喜んでくれる。営業をしていた時も取引先の期待をどれだけ超えられるか、今は社員の皆さんの期待をどう超えるかを意識しながら働いていると、相手の満足度も高まって信用してもらえることが増えています。そういった良い結果にも結びついているという意味で、自分の軸を見つけて良かったなと思っています。
ーー学生時代からバックパッカーとして旅された経験は、現在の課題解決や新規事業の創出にどう活かされているのか教えてください。
現在までに57カ国をバックパッカーで旅をしました。今でも3つの室を兼務しながらも、しっかりと有給を取って安い時期に海外旅行に行っています。
新規事業で和漢エキス配合のドリンクを若者向けに作っているのですが、「カラダととのうenn you(エンユー)」というブランドです。これはクラシエの漢方研究所が監修したドリンクになります。旅行先の香港で、漢方茶のドリンクスタンドが街中にたくさんあり、老若男女がさっと飲んで出かけていくシーンを見て、「こういう健康的なものを日本にも定着させたいな」と思い持ち帰ってきたのが、新規事業を立ち上げたきっかけでした。
私自身も長生きして世界一周したいと思っていますので、漢方の思想に基づく健康習慣をもっとハードルを下げながら日本に広めていきたいと考えています。旅先での気づきが新規事業の参考になりました。
ーー最後に大学生へのメッセージをお願いします。
これから仕事をしていくということは、人生においてもとても多くの時間を費やすことになります。今までの自分の経験の中で「これをやるとワクワクしたな」という原動力となる部分を見つけて、それを軸に働いていくと色々な良いことが起きていくと思っています。
仕事では本当にいろんな人と関わりますし、いろんなことを言われます。でも「自分はこの軸で働いている」というものが見つかると、周りから何を言われても気にならなくなります。「私はこの軸でやっています」と思えると、本当に楽しく自分らしく働けると思いますので、ぜひ自分の軸を見つけてから働いていくといいと思います。
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取材:柴澤 実歩(ガクラボメンバー)
執筆:田中 妃音(ガクラボメンバー)
編集:学生の窓口編集部
取材協力:クラシエ株式会社
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