【服飾奮闘記2】服づくり素人の大学生が、半年で“ファッションショーのLOOK”を作るまで|Keio Fashion Creator
こんにちは!Keio Fashion Creatorです。 Keio Fashion Creatorは、学生が一から服を作り、毎年ファッションショーを開催する服飾団体です。
「服を通して社会に問いを投げかける」——そんな熱い想いを持った個性豊かなメンバーが集まっています。
そんな中で僕は、服作りを担当する一部員として活動してきました。 服を作ったこともなかった僕が、ショーに向けて半年間取り組んだ記録を、4回にわたって紹介します。
服作りに興味がある人、将来デザインを学びたいと思っている高校生の参考になれば嬉しいです。
本記事は【服飾奮闘記1】の続きとなります。
まだ読んでいない方は、ぜひこちらからご覧ください。
第1弾はこちら
▼目次
1.ショーピースの仮縫い制作(後編)
L第3回トワル作成~アカデミックガウン編~
L第4回トワル作成~シャツドレス2編~
※本記事では「ショーピースの仮縫い作成(後編)」として、第3回・第4回のトワル制作を紹介しています。
ショーピースの仮縫い制作(後編)
10月初旬、ショーまであと2か月。1着目のジャケットLOOKのモデルフィッティングを終えた僕は、ふとこう思ってしまいました。
「あれ、あと2か月暇じゃね……?」
その結果は火を見るよりも明らかで、2着目に着手したのでした。
今思えば絶対にやめておくべきだったのですが、暇というものはやっかいです。何度時間を巻き戻しても、きっと僕は2着目を始めてしまうのでしょう。
第3回トワル作成~アカデミックガウン編~
先生に相談したところ、「やってみれば〜」と、午後のゆるいテンションであっさりGOサインが出ました。 2人目のモデルのフィッティングを11月初旬に設定し、早速デザイン画を描いてみたのがこちら。
完全に他人に理解させる気のないデザイン画ですね。
この時のテーマは「アカデミックガウン」。
大学の卒業式などで着用される“あの”ガウンです。
ちなみに昨年のショー全体のテーマは「How to Dress Love?」で、いかに愛を装うかを追究するというものでした。
僕は大学で刑事政策を学んでいて、なかでも少年法を研究しています。
少年法は「愛の学問」と呼ばれることもあるんですよね。
単に厳罰化するのではなく、いかに少年が更生し、社会に戻れるか。その理念は知れば知るほど愛に満ちています。
また、昨年亡くなった祖父が、最期にかすれた声で「勉強頑張れ」と言ってくれたことも、このデザインに影響を与えています。
小学校しか出ていない祖父が放ったその言葉は、僕にとって本当に重く、大きなものでした。
それらの思いが交差して、「アカデミックガウン」をつくることに決めたのです。
できたトワルはこんな感じ。
これに関しては平面で製図するのが難しかったので、マネキンに布を合わせながらざっくり立体で組みました。ただし、前回のシャツドレスで得た知識は活かしています。
正直、この段階ではかなり満足していました。が、フィッティング当日、大事件が発覚。
僕は完全に人間の腕の太さを計算から外してしまっていたのです!
マネキンには腕が付いていません。その状態で最も映えるように作ってしまったのが致命傷。
モデルが着たら腕の分服が横に広がってしまい、めちゃくちゃダサくなってしまいました…。
僕は苦笑い。先生も苦笑い。スタイルのいいモデルが、妙な服を着て真顔で立っている。静寂を破ったのは先生の一言。
先生:「もう一からパターンやり直そう。」
僕:(……マジすか)
先生は説明しながらどんどんトワルにハサミを入れていきます。10分後、そこには寒そうな顔で立つモデルと、ただの布切れになったトワルだけが残っていました。
全再履となった僕は、「新しいデザインで作ることも視野に入れます」とぼとぼ帰宅。そしてやっぱり、新しいデザインにすることに。
SNSで流行った「人間関係リセット症候群」、あれってただのうつ症状かと思ってたんですが、
僕の場合は完全に「トワルリセット症候群」だったようです。
第4回トワル作成~シャツドレス2編~
マントやケープらしい要素だけは残したいと思っていた僕は、マントを使ったシャツドレスを考えました。
でもショーまであと1ヶ月。しかも1LOOK目の本生地制作もまだ手をつけていない……。
新たなデザインにするなら次の週までに形になっていないとやばいぞと思った僕は、デザインを紙に書くことをやめ、脳内だけで作成しました。なのでデザイン画はありません。
シャツドレスとマントの要素、そしてボロボロの布を使いたかったという欲を合わせて、作ったトワルはこれ。
トワル5/結構よくない?個人的にかなり好きな仕上がりに。
構成はいたってシンプル。無造作に結ばれた布がくっついたシャツワンピース。袖はなくて、肩全体はボロボロのマントで覆ってあります。高めの台衿で、マントの中でも存在感を出す設計に。Aラインはちょっと重たげで、でも形而上学的に気持ちいいフォルム。
先生からも好評で、「このくっ付いてる布、袖っぽくしてみればいいんじゃない?」という助言をいただき、僕は素直に「いいですね」と返したのですが
──その一言が地獄の始まりだった。
この時11月中旬。ショーまであと3週間。
僕はこのあと、袖を20個作って、ワンピに20個アームホールを開けるという気の遠くなる作業が誕生するのでした。
次回は、ついに本生地制作へ。
うまくいくのか? 地獄の袖地獄を乗り越えられるのか?
【服飾奮闘記3】に続きます!
2025.05.10
TAKUMI HIROFUJI
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