ツーリズム業界志望の学生必見!!JTBツーリズムビジネスカレッジに勤務する、キャリア支援のスペシャリストに、就活事情を聞いちゃおう!
ヒット商品やサービスを手掛ける企業のキーマンにお話しを伺う企画「#お仕事図鑑」。
今回は、JTBツーリズムビジネスカレッジの講師としてキャリア支援を行う高野雅巳さんに、ツーリズム業界の就活事情について伺いました。
PROFILE

高野雅巳
・JTBグループの専門学校「JTBツーリズムビジネスカレッジ」で、国際観光ビジネス科のクラス担任のほか、観光ビジネス・マーケティング・キャリア教育科目等の講師を担当。
・その他にも、学生の個別相談、キャリア・就活支援(エントリーシートの添削、面接対策、自己分析支援)を行っている。
・国家資格キャリアコンサルタント、帝京科学大学非常勤講師、秀明大学非常勤講師も担当。
幅広い職種のあるツーリズム業界
――自己紹介をお願いします。
JTBグループの専門学校である「JTBツーリズムビジネスカレッジ」に勤務する、高野雅巳と申します。国際観光ビジネス科のクラス担任や学生のキャリア支援を行っています。また、2つの大学の非常勤講師として「ホスピタリティマネジメント」や「キャリアデザイン」の講義を担当しています。
――早速ですが、ツーリズム業界には具体的にどのような職種があるのか教えてください。
本当にあらゆる仕事がツーリズム業界にはあると思います。 空港を例に挙げても、機内でお客様と接するパイロットやCA、飛行機の整備を担当する整備士やグランドハンドリング、空港自体の安全を守る空港保安など多種多様です。
旅行会社であれば、法人営業やカウンタースタッフ、商品企画やマーケティング担当などの職種がありますね。他にも鉄道会社やガイドブックを制作する会社、お土産や機内食を販売する会社もツーリズム業界に含まれます。
到底挙げきれないほどの職種で、ツーリズム業界全体を支えています。
――様々な国籍の顧客と話す場面が多いと思うのですが、ツーリズム業界には前に出て話すことを得意としている方が多いのでしょうか。
そのような印象を持たれることは多いです。CAや添乗員がまさに前に出て話す仕事ですよね。しかし、ツーリズム業界は個人の適性に合った仕事を見つけることができる業界です。人前に出ることが得意ではないけれど、ツーリズム業界に興味を持っているという方もいらっしゃると思います。
そうした方には、オンライン上で旅行商品を取り扱う旅行会社(OTA:オンライントラブルエージェント)でITスキルを活かして働くケースなどが考えられます。他にも、マーケティング企画ではアイデアの斬新さが、グランドハンドリングでは体力が求められるように、自分の強みを活かせる職種が存在するので、不安に思わないでください。
――高野さんから見たツーリズム業界の現状を教えてください。
就職支援をしている立場からお話をさせていただくと、やはり数あるツーリズム業界の仕事において共通して言えることは「人手不足」だと思います。
2020年の新型コロナウイルスの影響でツーリズム業界は大きな打撃を受けましたが、ようやく昨年ごろから観光客が戻り始め、現在ではコロナ前を凌駕する勢いです。インバウンドの数に関しては、2019年が3188万人で最高だったのですが、今年は3600万人を突破する見込みです。
そうした状況にあるにも関わらず、新型コロナウイルスの余波で業界の人員は少ないままです。飛行機の便数を増やせないケースや、ホテルの部屋は余っているにもかかわらず販売出来ないといったケースが増えています。
こうした状況から、誰もが知るような企業でも二次募集を行うなど、就活生に対しての門戸はかなり開けています。
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――ツーリズム業界は、今かなり狙い目となっているのですね。続けて、そんなツーリズム業界の魅力を教えてください。
“旅行”というお客様にとっての一大イベントに関われることが魅力です。お客様とポジティブな感情を共有できているような気がして、大きな喜びを感じます。
また、先ほど申し上げたような仕事の豊富さも魅力の一つですね。自分の強みを存分に発揮することができる業界だと思います。
――幅広い職種があることは非常に魅力的ですね。一方で、あまりにも種類が多いと自分の適性にあう分野が分からなくなってしまうという学生もいるのかなと思いました。そのような悩みをかかえる学生には、どのようなアドバイスをしていますか。
ツーリズム業界への就職を考えているけれど、何から行動すれば良いのか、わからないという学生も多くいらっしゃるかと思います。
そのようなご相談を受けた際には、実際に足を運び、自分の目で確かめることを勧めています。多くの企業説明会やインターンシップに参加したり、OB・OG訪問を経験したりすることで、興味のある企業や職種が複数出てくると思います。
そこで、興味を持った業界の共通点を理解することで、自分が大切にしていることが見えてくるはずです。
ツーリズム業界に必要な人は
――ツーリズム業界全体で活躍するために必要なことを教えてください。
大きく3つあります。
1つ目は、日本や世界について興味を持つことです。 ツーリズム業界で働く上で、移動に関わるすべてのことに興味を持ち、好きになっていただくことが重要だと思います。
2つ目は、お客様に寄り添い、本気で業務に取り組む姿勢です。 「お客様に耳を傾けて」なんて言葉は良く言われるかもしれませんが、実践できる力が必要です。数秒先を読み、お客様と一体になれる方がツーリズム業界に向いていると思います。
3つ目は、チームワーク力です。 ツーリズム業界のエントリーシートには、頻繁にチームワークというキーワードが出てきます。一人で仕事を進めるような業界ではありません。集団の一員として、協働できる力が必要とされます。
――ツーリズム業界への就職活動で、有利に働く資格はありますか。
目指す職種ごとに持っておくと良い資格はさまざまあるかと思います。
例えば、ホテル・マネジメント技能検定や旅行業務取扱管理者などのホテルや旅行会社関連の国家資格や、国際的な会議やイベントのプロフェッショナルであることを示す国際資格CMPなどのMICE(※)に関する国家資格も持っていると良いですね。 また、ITに関する資格があれば、ツーリズム業界にITの分野から携わりたい人にとって有利になるのではないかと思います。
いくつか例を挙げましたが、やはり最も重要なのは語学です。どの分野に行くにしても勉強して損はないと思います。ただ、今語学力がなければダメだという訳でもありません。たとえ勉強中であっても、現在の学習計画や自身の将来性を伝えることができれば問題ないと思います。
また、どの業界に進むか分からないから資格の勉強は一切しない、ということは避けた方が良いと思います。取得した資格や検定が最終的な志望業界と直結せずとも、限られた期間で資格を取りきった集中力や継続力が評価されるというケースは少なくありません。今の頑張りが無駄になることは決して無いので、コツコツと頑張ってください。
※)MICE…Meeting(会議・研修・セミナー)、Incentive tour(報奨・招待旅行)、Convention またはConference(大会・学会・国際会議)、Exhibition(展示会)の頭文字をとった、ツーリズム業界で使用される用語。
――最後に学生へのメッセージをお願いします!
ツーリズム業界は自分の特性を発揮できる非常に魅力的な業界です。皆さんにツーリズム業界に飛び込んでいただき、一緒に働くことができれば嬉しいです。
取材:蒲生 杏奈(ガクラボメンバー)
執筆:浅井 宏允(ガクラボメンバー)
編集:学生の窓口編集部
取材協力:JTBツーリズムビジネスカレッジ