“留学して終わり”ではない!ここから世界が広がる!「トビタテ!留学JAPAN 留学体験発表会」に大学生が行ってみた

ガクラボ学生ライターで現在大学2年生の紗弓です。みなさんは「トビタテ!留学JAPAN新・日本代表プログラム」を知っていますか?
みなさんが「留学」を考えたときに、一歩踏み出せない要因って何がありますか?「現地で過ごしていけるか心配」「留学経験が将来に活かせるのだろうか?」「そもそも経済的に厳しい」…など、不安を抱えている方も多いと思います。私もその中の1人でした。
今回私は2024年12月15日に中央大学茗荷谷キャンパスで開催された「トビタテ!留学JAPAN 留学体験発表会」を取材しました。 その中で、漠然と抱えていた不安が期待に変化しました。
留学に興味があるけれど、行ったことがない立場の視点から、今回の取材を通して感じたことをレポートしたいと思います。
2025年度(第17期)~新・日本代表プログラム~応募受付中…このイベントの運営に携わった、トビタテ!留学JAPANとは?
文部科学省が2013年に開始し、官民協働で取り組んでいる留学促進キャンペーン。現在はコロナ禍で落ち込んだ留学生の数をコロナ前の水準に回復させることを目指して、2023年度~2027年度の第2ステージを実施しているそうです。※詳細についてはこちらをご覧ください。
これまで260以上の企業・団体・個人の方の寄附をいただき、返済不要の奨学金による留学を支援することを実現するプロジェクトです。選考基準は、学業成績や語学力ではなく、熱意、好奇心、独自性を重視して選考され、これまでに約1万名以上を選抜し、100か国以上に留学しています。
2023年より第2ステージが始動し、「新・日本代表プログラム」「留学プラットフォーム」「価値イノベーション人材ネットワーク」の3事業により、新たなグローバルリーダー社会に対してインパクトを生む人材を輩出することを目的としています。
✅2025年度(第17期)~新・日本代表プログラム~応募受付中
留学して終わり、ではない!留学での経験を整理し、みんなにお披露目する場
中央大学茗荷谷キャンパスの広い講義室にて行われた開会式。留学体験談を発表する高校生・大学生、留学に興味のある学生、保護者、教員など様々な方々が一堂に会し活気で満ち溢れていました。
講義室で開会の挨拶などを聞いたあと、高校生等部門・大学生等部門で全8ルーム(1ルームあたり約15~20名)に分かれ、自身の留学体験を発表。留学体験発表会では、ひとりあたり5分間で多様な留学体験からの学び・気づきや、それらに基づいた未来へのビジョンを発表し、支援企業等の御協力者による審査が行われました。
優良賞受賞者の中から選出された派遣留学生は、2025年2月中旬に文部科学省講堂にて開催予定の「留学成果報告会」にてプレゼンテーションを行うことができるそうです。留学して終わり、ではなく帰国後も体験をみんなに共有したりする場がたくさん設けられていることはトビタテ!留学JAPANならではなのかな?と思いました。
葛藤やトラブルを乗り越えて、多くの学び・成長を得たみんなの留学体験談に胸が熱くなる。
今回私はルームH グループ1・2 大学生等部門の発表を見学しました。1人5分ずつのプレゼンテーションの後、1分間 審査員の方からの質疑応答があり、総合的に判断して、グループ内で優良賞が決まりました。
プレゼンテーションの発表テーマは各々異なりましたが、留学中の研究成果であったり、苦労したことを重点的にまとめて得た成果であったり、十人十色の経験を聞くことができました。その内容をほんの一部、お伝えします。(順不同)

ダイバーシティーコースでノルウェーに留学した石田満理佳さん。ケガでダンスができなくなったことをきっかけに、他の方法で表現を学びたいとの想いで留学。「日本のアート・写真・表現に関する固定概念を海外で学ぶことでくつがえすことができた」と語っていました。
理系、複合・融合系人材コース(※未来テクノロジー人材枠を含む)でドイツに留学した出戸克尚さん。イーロン・マスク氏の本を読んで、社会を変えられるような人になりたいと決意。次世代エネルギーインフラの構築を担うグローバルエンジニアになりたい!と語られていました。
多様性人材コースで韓国へ留学した森川遥那さん。テコンドー日本代表として活躍してきたが、社会のレールに乗って就職活動すべきか迷い、将来への不安を感じていたそう。トビタテ!の留学で「自分軸で“好き”を持ちつづけることで世界が広がっていく」ことを実感。起業家のたまごとして「現代版寺子屋Wakuwaku!!」を立ち上げたそうです。
理系、複合・融合系人材コース(※未来テクノロジー人材枠を含む)でスイスに留学をした生田海斗さん。東京オリンピックの際、新国立競技場建設が白紙になったニュースに衝撃を受け、建築に限らず、建築に関する「仕組みづくり」が特に成熟している国 スイスに留学を決めたそう。公共建築の発展に携わっていきたいと話されていました。
特に今回発表されていたみなさんは、留学時期がコロナ禍であったことから渡航自体が白紙に戻ってしまったり、研究途中で帰国を余儀なくされたりという方が大半でした。葛藤が多かった中で自分ができることは何かを考えて学びを得た方が多かったので、聞いているだけで勇気づけられました。
困難がある中でもめげずに現地の方に助けを求めたり、同じトビタテ生にコンタクトをとったりするなど、問題解決しようと積極的に行動する力強さも伝わりました。さらに各々が学びたいことに関して情熱をもって、取り組んでおり、トビタテ!留学JAPANの選考基準となっている「熱意、好奇心、独自性」の大切さも実感しました。
体験発表会の後、交流会で発表者・観覧者・審査員なども一緒にざっくばらんに話せる場が
交流会では、発表者・観覧者・審査員の方も含め、留学体験発表で気になったことや今取り組んでいることなどを話し合いました。
私自身はその中でも「教育」について議論を重ねているペアに加わってお話を聞きました。日本でも課題とされている「教育格差」について、どのようにすれば解決できるのか諸外国との比較を検討したり、根本的に何が問題となるのか、ノートに整理しながら議論を深めていました。
留学に行った学生の中で、理系分野や芸術分野に分かれて共通点を見つけ、仲を深めている方もいれば、全く異なる分野で自己紹介をしてお互いを知ったり…。50分あった時間もあっという間に感じました。交流会が終わった後、連絡先を交換したりしている方々もいて、世界が広がるってこういうことなんだなぁと実感しました。
取材を終えて…
今回、トビタテ!留学JAPANの留学体験発表会の取材を通して、どんな困難があろうとも果敢に解決策や課題に向き合おうとする同世代の学生のみなさんに勇気をもらいました。
特にコロナ禍など社会情勢の変化で、計画・準備が白紙になったり、想定していなかった出来事を乗り越えた方々の体験談から、どんな状況でも逃げずに立ち向かったからこその成長があるんだなと、感じました。
留学に行って終わりではなく、留学から帰ってきてからその経験を活かして世界を広げているトビタテ生のみなさんの発表は私にとっても糧になりました。これから留学を検討されている方はぜひトビタテ!留学JAPANのページを見てみてください。
情報提供:トビタテ!留学JAPAN
ライター:紗弓(ガクラボメンバー)
編集:ろみ(学窓編集部)