【〇割が経験!】デジャブはなんで起きるの? #もやもや解決ゼミ

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今回の疑問は「デジャビュ(デジャブ)はなぜ起こる?」です。
「デジャビュ」(déjà vu) は、「既視感」とも呼ばれ、初めて経験しているはずの状況や場所が、以前に体験したかのように感じる現象のことです。
フランス語で「すでに見た」という意味のこの言葉は、日常生活で時折誰もが経験することのある、不思議な感覚ですね。
では、この「デジャビュ」はなぜ起こるのでしょうか?
今回は、『京都大学大学院教育学研究科』の楠見孝教授に回答をお願いしました。楠見先生は認知心理学の立場からデジャビュ現象の研究も行っていらっしゃいます。

約7割の人がデジャビュを経験したことがある
デジャビュは「初めての場所、人、出来事であるにもかかわらず、強い既知感、親近感、懐かしさを感じる現象」のことです。
昔は「生まれ変わり」であるとかオカルト的な解釈がされたり、てんかんや多重人格などによる記憶の異常として、さまざまな説がありました。
しかし、これは誰にでも起こることで、私が大学生に対する調査で対する調査を行った結果でも、7割ぐらいの人がデジャビュを経験したことがある、と回答しています。
私は、デジャビュは「類似性仮説」で説明できると考えています。
デジャビュは「典型的シーン」ができている場所・事柄で起こる
デジャビュは、大きく「人」に対するものと「場所」に対するものに分けることができます。
私たちの調査では、場所に関するデジャビュの方が、人に関するデジャビュより多いということが分かりました。
出現率
場所デジャビュ:63%
人デジャビュ:35%
どちらか経験した人は、7割ほどになります。
どのような場所でデジャビュが起こるかというと、
・町並み
・公園
・学校
・寺
などの、皆さんになじみのある場所、よく行く場所で多く経験することが分かりました。つまり典型的なイメージができている場所で起こります。
何度もその場所を訪問して、頭の中にその場所のモデルができている場所で起こると考えられます。
「類似性の検証」と「初めての経験」で齟齬(そご)が生じる
一方で、「ここは初めての場所である」「これは初めて経験することだ」と現前の光景のリアリティーモニタリングを行っています。過去の経験があるかの判断をするわけです。
「デジャビュの典型性-類似想起モデル」と呼んでいますが、
例えば「公園」を例に取ると、過去にいろんな公園に行き、頭の中に抽象化された典型的な公園のシーンというのが形成されます。
初めて行った眼前の公園でも、抽象化されたシーンとの比較が行われて類似性を発見すると「見たことがある」となる
――というものです。
類似性を発見しても、実際には「その場所を初めて訪問した」というのが事実です。
この「似ている」という類似性の認識と、「初めて訪問した」という事実の齟齬が「デジャビュ」という現象を引き起こしている、と考えられるのです。
デジャビュは若い人の方が経験しやすい
デジャビュは、年齢が若いほど経験しやすいことも分かっています。
やはり若い人の方が新しい経験を多くするということで、似ていることに対して敏感(類似性の検証が活発に行われる)ということで、このような結果になるものと考えられます。

◇けつろん!
楠見先生によれば、デジャビュは「類似性を確認する」という脳の働きが関係しています。
類似性を検出して「過去に経験したものと似ている」と判断するのですが、実際には初めて見たもの・経験であるため認知に錯誤が生じ、これが「デジャビュ」という不思議な感覚を生じさせるのです。
先生の研究によれば若い人ほどデジャビュを経験しやすいとのこと。大学生読者の皆さんもデジャビュを多く経験するかもしれませんが、それはこのような脳の働きによるのです。
◇おしえてくれた先生
楠見 孝
Profile
『京都大学大学院教育学研究科』 教育学環専攻教育認知心理学講座 教授。博士(心理学)。
学習院大学文学部助手、筑波大学社会工学系講師、東京工業大学大学院社会理工学研究科助教授、京都大学大学院教育学研究科准教授を経て現職。
文:高橋モータース@dcp
編集:学生の窓口編集部


























