その言葉、間違った意味で使っていませんか?『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』#Z世代Pick
こんにちは!Z世代ブックピッカーの乗松です。
みなさんは語彙力に自信がありますか?
表現力が足りないせいで、思っていることがうまく伝わらない気がする……。
自分が何気なく使っている言葉は、実は間違っているのでは?
こんな悩みを抱いている人は意外と多いのではないでしょうか?
正しい日本語を確かめたい、たくさんの言葉を知りたい。そんな方におすすめするのが『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』です。
著者である吉田 裕子氏は、この本で「一つひとつの言葉に対し、それを本当に使いこなす(=使用語彙に加える)ための詳しい解説をつけました。辞書的な意味だけでなく、例文、由来、どういった状況なら使えるか、類似の表現とは何が違うかなどを詳しく説明しています。」と述べています。
そこで今回は、『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』の中から一部抜粋して、実践的にすぐに使える言葉をいくつか紹介します!
間違いやすい言葉
「胆(肝)に銘じる」
×:胆に命じる(命令する)
○:胆に銘じる(刻み込む)
「胆力」という言葉があるように、「胆」は人格の芯となる部分だと考えられてきました。「銘じる」は、器や金石などに文字を刻み込むことですから、言われた忠告・助言などを決して忘れず、しっかり覚えておくことを意味します。
「この親にしてこの子あり」
×:子どもが悪い親に似ている
○:子どもが優れた親に似ている
子どもは親の性質を受け継ぐという意味の言葉で、とくに、「これほど優れた親があってこそ、これほど素晴らしい子どもが生まれるのだ」と感心し、称える意味で使うものです。「このような悪い親だから……」とあきれて言うのは、誤用です。
「琴線に触れる」
×:激しく怒らせる
○:感動・共鳴する
人の感受性を琴の糸にたとえた表現で、素晴らしいものに触れ、自分の心が震えるような感動のさまをいいます。「逆鱗に触れる」(竜のあごにある逆さウロコに触れると激しく怒り出すということから、目上の人を怒らせるという意味)と混同されがちです。
「敷居が高い」
×:値段や雰囲気が近寄りがたい
○:自分の過ちによって近寄りがたい
相手に対して失礼なことをしてしまい、訪れるのに心理的抵抗があることをいいます。高級な寿司屋などを「敷居が高い」と評している例を見かけますが、そうした場合には「(自分には)格式が高い」「ハードルが高い」という表現が妥当でしょう。
「しめやかに」
×:厳粛に、おごそかに
○:ひっそりと静かに、悲しげに
結婚式が行われる様子を「しめやかに」と述べている例を見かけますが「しめやかに」は、しんみりと静かで、どちらかというと、さびしげな様子を表す言葉なので、すべての式典に使える言葉ではありません。通夜や葬式に使うのは妥当です。
「すべからく」
×:すべて
○:ぜひとも、当然に
漢文に由来する言葉です。「須らく~べし」という再読文字の構文を覚えた記憶のある人もいるでしょう 。必須の「須」ですから、「ぜひとも(~する必要がある)というニュアンスなのですが、音の類似もあって「すべて」という意味だと誤解されがちです。
「世間ずれ」
×:世間からずれていること
○:世間になれ、ずる賢くなること
「ずれている」ではなく「擦れている」ことからきた言葉です。世間のさまざまな面に触れて、厳しい中でやっていくために、色々と悪知恵をつけた様子を評する言葉です。荒波を乗り越えた、したたかな強者は「海千山千」といいます。
「双璧」
×:双壁(立ちはだかる強敵)
○:双璧(二つの優れたもの)
もともと「璧」は宝玉という意味で、「完璧」という熟語にも使われています。「完璧」は「完壁」と誤記してしまいがちですが、「双璧」も間違われがちです。他に、二つの優れたもの二つの優れたもの「双美」という言い方があります。
本書の特徴と読んだ感想
この本は表現が使える場面と例文が7章に分かれて掲載されています。一つの表現が1~2ページずつ掲載されており一目で分かるようになっています。目次から調べ使いたい表現がすぐ習得できるでしょう!
私は敬語などの丁寧な表現が苦手です。そんな私でも読みやすい一冊でした。簡潔にまとめられていて意味や場面が理解しやすいからです。本の色味も青と黒で統一されており読みやすいポイントの一つだと思います!
また章の間に6つほどコラムがあるのですがどれも面白かったため全て読んでしまいました!
使いたい表現がすぐにわかる本書は持っていて損はない一冊です!