「海の深さ」はどうやって調べるの? 現在わかっている中で最も深い場所は〇〇 #もやもや解決ゼミ

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「海の深さ」ってどうやって調べている? 

日常に潜む「お悩み・ギモン」=「もやもや」を学術的に解決するもやもや解決ゼミ。今回は「海の深さ」がテーマです。

海の深さはどんな方法で調べているのか、皆さんご存知でしょうか? また、いまだに深さが分かっていない海域はあるのでしょうか? 海底地形図を制作する世界的なプロジェクト『NF-GEBCO Seabed 2030』を行っている、日本財団に教えてもらいました。

昔はロープで調べていたが……

海の深さは、音量測深器という音波を放って深さを調べる機器を使って調べています。調査船の底部分に音量測深器が取り付けられており、そこから海底に向けて音波を放ち、その音波が海底にぶつかって跳ね返ってくるまでの時間から、深さを測定しています。

ひと昔前は船から重りを付けたロープを垂らし、どこまでロープが沈んだのかを基に深さを調べていました。しかし、この方法は一定の深さ以上は調べるのが難しいため沿岸地域中心でしか利用できず、また時間もかかる上に正確な深さが分からないというデメリットがありました。

その後、技術の進歩により、音量測深器という効率的な調査方法が誕生し、より正確に海の深さが調べられるようになりました。

まだ正確な深さが分からないエリアもある

世界には、まだどのくらい深いのか正確に分かっていない場所があります。また、深さは判明しているものの、情報開示がされていないエリアも少なくありません。

『Seabed 2030』は、そうした海の深さが分かっていない場所を調べたり、情報持っている国や企業に対して情報提供をお願いしたりして、正確な全世界の海底地形図の制作を目指すプロジェクトです。

プロジェクト発足当初は、世界の海全体の6%しか情報がありませんでしたが、7年目の現在は26.1%まで解明が進んでいます。具体的な広さとしては、9400万平方キロメートル。アフリカ大陸約3個分のエリアに値する海底地形のデータが「人類の共有財産」となっているのです。

現在分かっている限りで「最も深い場所」は、フィリピンのマリアナ海溝にあるチャレンジャー海淵という場所で、深さはなんと1万920メートルあります。世界最大の山であるエベレストが8,849メートルということを考えれば、どのくらい深いのか分かるかもしれません。

Mariana trench undersea landscape(pixta)

しかし、これはあくまでも現在分かっている中で最も深い場所。公海にはまだマッピングされていない場所が多く残っています。今後の調査でさらに深い場所が発見される可能性があります。

海底地形図を作る意味とは

海の正確な深さを調べ、海底地形図を作ることには複数の意味があります。

まずは自然災害対策です。例えば、地震が起きて津波が発生した場合、海底の形状によって津波の速度が変わります。海底の深さや形状が判明していれば、正確な予測が行えるようになります。

また、海底火山の調査も海底を調べることの大事な要素です。

そもそも、海底を調べないとどこに火山があるのか分かりません。加えて、海底調査によって噴火の兆候や噴火条件が分かるかもしれません。

実際、2022年にトンガで大規模な海底火山の噴火が起こった際は、噴火後の調査を行いました。噴火によって地形や環境がどのように変わったのかの正確な情報を得ることができましたが、これも噴火する以前に正確な情報があったからこそ得られたデータです。

他にも、海は地球の大気や環境に大きな影響を与えています。温暖化や海面上昇など、地球全体の環境研究においても、海底や海中の情報は重要な要素になっています。


◇けつろん!

「海の深さ」は、かつてはロープを沈めるというアナログな方法で測定していましたが、現在は音量測深器を用いることで、正確な深さが測定できているとのことでした。

また、現在世界で最も深いのはマリアナ海溝にあるチャレンジャー海淵ですが、まだ正確な深さが判明していない場所があり、今後より深い場所が見つかるかもしれません。

深海は人類にとってまだまだ未知の場所です。どんな驚きの発見があるのか楽しみですね。


◇答えてくれた先生

日本財団のホンダさんとフジさん
https://www.nippon-foundation.or.jp/

「日本財団-GEBCO Seabed 2030」始動から2年10カ月 地図化された世界の海底地形は6%から19%へ
https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2020/20200621-45287.html

文:大西トタン@dcp
編集:学生の窓口編集部

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株式会社デジタル・コンテンツ・パブリッシング
編集プロダクション。コンテンツを制作する「よろず屋」です。取材をして原稿を書き、編集、校正を行って多くのWebメディアに納品しています。https://dcp.jp.net/

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