夢のワーホリ、最初は苦難の連続!? ビザの手配、家探し、職探し…エージェントに頼らず自分で乗り越えたときの達成感と経験は一生もの!大学生が香港ワーホリで得た「生きる力」とは!?|マイナビ学生の窓口『study abroad report』
これから海外留学をする方、検討している方に向けて留学先のリアルな情報をお届けする『study abroad report』。
今回はフィリピン・セブに語学留学後に香港でのワーホリを経験した蒲生杏奈さんから情報をレポートしていただきました。本記事では蒲生さんがどういったきっかけでワーホリに行くことを決めたのかや、現地で困ったこと、ワーホリを経験してよかったことなどなど、知っておくとタメになるリアルな内容をお届けします。
レポートしてくれるのはこの人

蒲生杏奈さん
慶應義塾大学大学院在学。実際に使われている生の英語に触れながら、働いてお金を得るという経験をしたいと思い香港へのワーホリを決意。また、ワーホリ先で仕事を得るために行動することは容易ではないと思っていたので、その経験をすることも目的のひとつだった。
Instagram:@anna_gamo_
留学先を知ったきっかけ、留学を決めたタイミング
ーいつ、どうやって留学先を選んだの?
もともと大学3年生で交換留学として海外に行くつもりでしたが、新型コロナ感染症の蔓延により諦めることに。そんな中、ずっと目指していた大学院の不合格通知を卒業間近の11月に受け取り、卒業後のプランがまっさらになってしまいました。そしてふと、海外への憧れがありながら、やむを得ない事情で諦めてしまったことを思いだし、周りの人にも背中を押され、「今しかない!」と運命を感じ留学を決意しました。
ただ、タイミング的に学校の制度を利用した留学が難しく、一方で個人手配で長期留学をするほどの金銭的な余裕がなかったため、働きながら学ぶことができるワーホリを選びました。
様々な選択肢がある中でも香港を選んだ決め手は、日本と距離が近いため文化が似ていて過ごしやすい印象があったことと、何より他の地域に比べて日本人が少ないところです。

ワーホリ先での生活について
1日の過ごし方~仕事がある日編~

1日の過ごし方~仕事がない日編~

滞在先の生活環境
ー住環境について詳しく教えてください。
家については香港入国前からネットで物件を調べコンタクトをとっていました。到着して初日に契約を交わし住み始めたので、家探しにはあまり苦労しませんでした。ただ、部屋は驚くほど狭いです。5畳ほどの部屋にベッドとシャワー、トイレがあるだけ。キッチンはないので、シャワールームの水場を使い、コンロはIHコンロを購入して使っています。また、洗濯機置き場もないのでコインランドリーを使用しています。
ですが、モンコック駅という日本の渋谷のような駅から徒歩3分ほどなので立地は抜群です。周りにはスーパー、コンビニ、飲食店に大型ショッピングセンターなど、ないものがないので、とっても便利。ただ、繁華街のため少し騒音が気になる時もあります。
家賃は月12万円ほど。この立地でこの価格は破格だそうです。また、水光熱費も月に4000円ほどで、これも同じく破格とのこと。日本に留学経験のある親日なオーナーさんのおかげでなんとか生計を立てることができています。
ー持って行って役立ったものは何ですか?
香港ワーホリで持っていくと良い物は、厚手のパーカーとライトダウンです。香港はとにかく室内が寒すぎます。キンキンに室内を冷やすことがお客様をもてなす礼儀らしく、夏場なのに冬のような寒さになります。そのため、厚手のパーカーは必須です。
また、基本的に1年を通じて温暖な気候ですが、1年のうち合計約3週間ほどとっても冷える時期があります。また、気軽に中国大陸にいくことができますが、そちらは香港よりも冷え込むのでそのためにも必要です。このような場合に備えて、荷物の邪魔にならないような薄手のダウンを持っていくことをお勧めします。
また、他のものについて、香港に売っていない日本製品はないと考えて差し支えないと思います。イオンにダイソーに、UNIQLOにGU、食品から日用品、アパレルまでなんでも揃っています。ただ、全て日本の約1.5〜2倍の値段です。
ワーホリの場合1年暮らすことになるため、様々な生活用品が必要になります。全て1から揃えても良いですが、もし一人暮らしをしていて日用品が揃っているということであれば、船便など安い方法であらかじめ現地に送っておくのもおすすめします!
その他、やりたい仕事に合わせて、フォーマル服や運動靴などを揃えると良いと思います!
ー勤務先までの移動はどんな手段を使っていますか?
2つの仕事を掛け持ちしていますが、どちらも地下鉄を利用して通勤しています。香港は札幌市と同じくらいの陸地面積なので、移動には苦労しません。どちらも片道30分ほどで到着しますし、電車は3分に1本通り、混雑もしていないので日本よりも快適です。
ーネット環境を整えるためにどんなツールを使ったり対策をしていますか?
生活するには香港の電話番号が必須なので、SIMカードを購入しました。香港にはキャリア会社がいくつかありますが、最低1年からの契約な上、少々お高いため、オーナーさんに教えてもらったプリペイドSIMを購入しました。たまに電波状況が悪い時もありますが、概ね問題なく使えています。プリペイド型なので、データがなくなったらチャージして使う形です。8ヶ月不自由なく使って1万円しないくらいの価格でした。安くてとっても便利です。
また、至る所にフリーWi-Fiが通っているのも便利です。ただ、お隣のマカオや中国では電波が通じないため、日本で契約している方をE-SIMに変換し、そちらを使用しています。
ー生活で困ったことはどんなことですか?
とにかく物価が高いことです。もやしが一袋400円するのをみたときは衝撃を受けました。外食をすると大体ランチで1500円、ディナーで5000円ほどします。日本製のものはたくさん売られていますが、どれも大体倍以上です。消費金額については基本的に日本の倍はかかると思っていいと思います。また、不動産価格も高すぎます。そのため、村地方以外で一人暮らしをしている人は日本人、香港人含めて少ない傾向にあります。
一方で、ストリートマーケットが充実しており、スーパーよりもお安く購入できるため、自炊等で工夫すれば問題ないと思います。私は家賃含め1ヶ月の支出は大体お給料の半分くらいで済んでいます。
ー生活で困ったとき相談する場所・人はいる?(どんな人に相談している?)
困ったことがあったときは、在香港日本人が参加しているラインのオープンチャットで皆さんに相談しています。多くの方が参加しており、匿名なので気軽に相談できるところも魅力の一つです。また、勤務先の皆さんが本当に優しいので、現地の人しか知らない香港の文化やイベント情報などを教えてもらっています。
ワーホリをして自分自身が一番変わったところ
ーワーホリ中に一番変わったところや、成長したと思うことは何ですか?

シンプルに生きる力がついたと思います。香港に来た最初の頃は仕事も見つからず、貯金だけが減っていき、何度も何度も帰国しようと思いましたが、直接レジュメを持って行ったり、片っ端から採用チームに連絡したりとトライを続けました。結果2つも異なる業種で仕事を得ることができ、とっても素敵な人たちに出会えました。
また、貯金の大切さが身に染みました。日本を出る前は、あればあるだけお金を浪費していましたが、お金に余裕があることの大切さを知り、今では本当に必要なものだけ購入し、きちんと貯金する習慣がつきました。
香港はほとんど英語ネイティブと言っていいほど皆さん流暢な英語を話しますが、母語は広東語です。初めは全く無知でしたが、暮らしていくうちに広東語の知識も身につけたいと意欲が湧き、語学学校に通いながら、今では注文ができるくらいには話せるようになりました。
語学を始め、新しいことに挑戦したいと思ったこのやる気も変わったところの一つだと思います。
滞在先で気を付けた方が良いこと
ー自分の身を守るために気を付けていたことはありますか?

香港で危険だと思ったことは、何よりも車です。タクシーだけでなくバスまで、とんでもないスピードでカーブを曲がります。そのため、少しでも油断していると本当に引かれそうになります。
また、信号や横断歩道がない交差点でも、車は一切待ってくれません。それどころか、歩行者が渡っているにもかかわらずじわじわと進んできます。ここは本当に気をつけたほうがいいなと思いました。
また、危険ではありませんが、香港の道を歩いていると上から雨のようなものが垂れてくることがあります。実は香港の建物はベランダの建設が禁止されており、室外機が壁に併設された作りになっています。そのため、室外機から出た汚い水が上から降ってきます。今でもこれに当たるとだいぶ気分が落ちるので気をつけたほうが良いと思います。
これからワーホリを検討している学生のみなさんに伝えたいこと
単に語学力をつけ、世界を知りたいのであれば、大学の制度を利用し、学校に通うことが金銭面でも安全面でも一番いいと思います。
「ワーホリ」となると、ビザの手配から家探し、職探し、そして現地での生活…と自分の力で、自分で責任を負って過ごす必要が出てきます。生半可な思いではいけない、本気の覚悟が必要というところが何よりも醍醐味だと思います。挑戦の壁は高いですが、それ以上に乗り越えた時の達成感には大きな感動があると思います。
なので、私個人のおすすめはビザから全てエージェントに頼らず自分の力で切り開くことです。異国で、文化の違いや言語にも不安がある中で挑戦してみることに意味があると思うので、「自分の殻を破ってみたい!」と思う方はぜひ挑戦してみてください!
文・写真:蒲生杏奈
編集:マイナビ学生の窓口編集部 ろみ