ネス湖の「ネッシー」って結局いるの、いないの? #もやもや解決ゼミ
日常に潜む「お悩み・ギモン」=「もやもや」を学術的に解決するもやもや解決ゼミ。
ネッシーって結局いるの、いないの?
イギリスのネス湖(Loch Ness)で2023年8月26・27日(現地時間)に、50年ぶりとなる大規模な調査が行われました。もちろん、同地に生息しているとされる未確認生物「ネッシー(Nessie)」を見つけるための探査です。
しかし、残念なことにネッシーがいるという証拠は見つかりませんでした。では、ネッシーはいないのでしょうか? しばしば日本最強のデバンカー※と呼ばれる皆神龍太郎先生に答えていただきました。
※デバンカーとは、超常現象やオカルトを懐疑的、科学的に調査する人のことです。

そもそもネッシーって何でしょうか?
ネス湖のネッシーですが、このネッシーという単語が何を指すのかということが問題になります。
いわゆる昔から言われてきているプレシオサウルス、つまり首長竜※である可能性はないでしょう。このイメージを形作った、「外科医の写真」と呼ばれている有名な写真が、実は捏造写真であったことがはっきりしたからです。
※首長竜属に分類されるプレシオサウルスは、有名な「外科医の写真」にあるような首の曲げ方はできないことも分かっています。プレシオサウルスの首は主に下方向に曲がり、それ以外の方向に曲げるのは物理的に制限があります。
ボランティア団体「Loch Ness Exploration(ネス湖探査)」とネス湖湖岸にある「ネス湖センター」の協力で「ザ・クエスト」と銘打った大規模なネッシー調査が8月に行われました。水中聴音機でネッシーの鳴き声を録音したり、赤外線カメラを搭載したドローンを飛ばし水中の熱画像を撮影したりと50年ぶりに行われた大規模なものでした。しかし、ほとんど成果なく終わりました。
2019年には、ネス湖の水を採取したサンプルの中から「大うなぎとみられるDNAがたくさん見つかった」という発表が行われ、「ネッシーの正体は大うなぎでは」とも騒がれました。しかしネッシーの正体がうなぎというのも難しいのではないでしょうか。
というのは、大うなぎはせいぜい1メートルぐらいにしかならないので、人々が思っているような5、6メートルもある巨大うなぎがネス湖にいるということは、まずないからです。
ネス湖に風などで起きる波頭とか、湖を流れる流木とか、列になって動く魚の背とかいった色々なものの「見間違いの総称」をまとめて「ネッシー」と呼んでいる可能性が高いのではないか? と自分では思っています。
「ネッシー」と見間違うものはたくさんある!
首長竜な可能性はありませんが、人々は他のいろんなものを「ネッシー」と見誤っているかもしれません。『ネス湖センター』(Loch Ness Centre)によると、これまでにネッシーの目撃情報は1,100件以上になります。
同センターでは、ネッシーと見誤るものとして以下のものを上げています(とても科学的!)。
・幻(水平線上の幻影)
・ボート
・ボート・ウェイク(波紋)
・ウインドスリック(風が立てる波)
・湖に流れ込んだ倒木や木の枝
・岸辺の鹿
・水鳥
・岩石
⇒参照:『Loch Ness Centre』公式サイト
https://lochness.com/decoding-loch-ness-mistaken-identities/
公式に記録された1,100件以上ものネッシー目撃情報の多くは、これらを見誤ったものだったのかもしれません。
むしろネッシーがいるか、いないかは実はどちらでもいいのではないでしょうか。上記のとおり、何をネッシーと呼ぶのかによりますし、いてもいなくてもロマンがある話ですので。

◇けつろん!
ネッシーが首長竜である可能性はありませんが、「何かいる」として探し続けることにはロマンがあります。ネッシーは「不思議の正体」を求め続ける、人間の好奇心の象徴としていつまでも謎の存在であり続けた方がいいのかもしれません。
文:高橋モータース@dcp
編集:学生の窓口編集部
◇教えてくれた先生
皆神龍太郎
Profile

疑似科学ウォッチャー。『と学会』運営委員。ASIOS会員。しばしば日本最強のデバンカーといわれる存在。『UFO学入門 伝説と真相』(楽工社)、『あなたの知らない都市伝説の真実:だまされるな! あのウワサの真相はこれだ! 』(学研パブリッシング)など著書多数。また、オカルト・超常現象の真相を追求するNHK番組『幻解!超常ファイル』にも度々解説者として出演。https://twitter.com/debunkerjp



























