奥平大兼「言ってみると意外と願いが叶ったり、口に出すことってめっちゃ大事」#学生の君に伝えたい3つのこと
人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。
今回は、ディズニープラスが手掛けるファンタジーアドベンチャー超大作『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』で主演を務めた奥平大兼さんが登場。ご自身がこれまで実際に経験したことや、お仕事を通して感じたことからアドバイスをくれました。
▼藤原大祐さん、小森隼さん、高橋文哉さん、もーりーしゅーとさんが登場!
学生の君に伝えたい3つのこと
俳優・奥平大兼が<学生の君に伝えたい3つのこと>
1.いろんなところに行く
――学生のうちにやっておいたほうがいいと思うことはありますか?
いろんなところに行く。僕は仕事でもいろんな場所に行ったんですけど、お洋服が好きだったので、中学1年生のときから無理して渋谷や原宿に遊びに行っていて。流行りの最先端にあるものが置いてあるイメージだったので、お金も持ってないし、何も用はないのにとりあえず行って、買わないのにいろんなお店に入って(笑)、店員さんに今流行っているものやどういうものがカッコいいのかという話を聞いていましたね。そのとき知り合った店員さんの中では今でも仲のいい人がいるんですよ。どこかに行って感じることってやっぱり年齢によって違うから、ちょっと行ってみるだけでだいぶいい経験になるなと最近すごく思いますね。
2. 昔の作品に触れてその頃のことを知って知識の幅が広げてみる
――学生のうちに見たり、聞いたりしておいたらいいと思うことは?
音楽も映画も時代によって作り方とかどういうものがメジャーなのかってだいぶ違いますし、見たり聞いたりするだけでその時代のことがわかったりするので、今のことも大事だけど、昔の作品に触れてその頃のことを知るのも同じくらい大事だと思うんです。僕の親が割とそういうものが好きなので、昔からいろんなものに触れていたんですけど、つい1、2年前に初めて知ったのは自分がブルース・リー世代じゃないということで(笑)。僕、2003年生まれなんですけど、世代だと思っていたんですよ。でも周りに聞いても誰も知らないなと思ったら、1970年代くらいの作品なんですよね。「インディ・ジョーンズ」もド世代だと思っていたんです。
――ブルース・リーの作品や「インディ・ジョーンズ」はご両親がご覧になっていたんですか?
そうですね。僕、空手をやっていたんですけど、ブルース・リーやジャッキー・チェンがきっかけで始めたんですよね。あと当時は映画をレンタルする時代だったんで、そこで借りて見ていたのがそういう作品だったのかなと思います。あと全然ジャンルは違いますけど、『ダウンタウンのごっつええ感じ』というバラエティがあるじゃないですか。あれとか、『ドリフ(ザ・ドリフターズ)』も世代だと思っていたんですよ(笑)。もちろん今の作品もすごく面白いものがたくさんありますけど、僕はそういうものを見て育ったので、昔のものも面白いなと思いますね。
――それこそ世代の違う方と話すときの話題にもなりますよね。
そうですね、年上の方と話せるきっかけになります。音楽もそうですし、知識の幅が広がるってすごくいいことだなと思います。
3.「言ったもん勝ち」口に出すことが大事
――これまで経験した中でやっておいてよかったと思うことはありますか?
やってみたというほど大きなことじゃないですけど、僕は「言ったもん勝ち」になることが多くて。自分はこう思っているんだけど、例えば空気的に、立場的に言いにくいなということってたくさんあると思うんです。でも言ってみると意外と願いが叶ったりするので、口に出すことってすごく大事だなと思うことがあって。僕はお洋服が好きなんですけど、着ることよりも作ることや見ることに興味があって、それを話していたら実際にお洋服を作る機会をいただけて。常識の範囲内で(笑)、口に出すことでいいように働くことがあるのかなと思いました。
ひとりでという感覚はなく色んな人の力を借りて役作りできた
――奥平さんが主演を務めた『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』が、12月20日からディズニープラス「スター」で配信されます。日本では珍しいファンタジー・アドベンチャーというジャンルですが、演じるにあたってすぐにイメージはできましたか?
いや、全くできなくて。今回この作品のお話をいただいたときに、僕が演じるタイムが住むウーパナンタに関しての資料をたくさんいただいたんですけど、もう何ひとつ想像がつかなかったんですよね。でも男心をくすぐられるような内容で、今までそういう作品に出演させていただいたこともなかったですし、今回ご縁があって呼んでいただいから気になるなとは思っていたんです。そのあとに監督とプロデューサーさんと顔合わせをさせていただいたときに、こういう難しい世界観を大人たちが本気で実写に落とし込もうとしている熱量に感化されて、「こんなに素晴らしい人たちと面白い作品を作り上げられるのはすごく楽しいだろうな」と思って、より「やろう」という気持ちが高まっていった感じでしたね。
――役作りはどのように進めていったのでしょうか。
作中だと現実世界にいる時間が長いですけど、タイムの人生の中ではほとんどがウーパナンタでの時間なので、やっぱりそっちの常識や文化がすごく大事なのかなと思って、そのことについて監督にたくさん質問して、できるだけ感覚をウーパナンタの人間に近づけさせました。あとウーパナンタ語もあったので、そういうところは言葉を作ってくれた先生と定期的に練習していたので、ひとりで役作りをしたという感覚はなくて、本当にいろんな人の力を借りてできたなと思いますね。
――タイムはどういう人物だと思われましたか?
よくも悪くも無邪気で素直というか、人を全員平等に、別け隔てなくフラットに見ている子で、人のことを信じるからそれがあだとなるときもあるし、人を救う瞬間もあるしという性格ですね。なんでそうなったかというと、ウーパナンタの人たちって相手の思っていることや感じていることを聞くことができて、だからきっと嘘がないんだろうなと思うんですよね。僕の勝手な想像ですけど(笑)。タイムにはその能力がないんですけど、本当に純粋で裏がないので、この現実世界だとタイムみたいな子はいないんじゃないかと思うような、そんな特殊な魅力を持った子かなと思っていました。
タイムは地球に来てどんどん文化に触れていくんですけど、地球人って相手の思っていることがわかんないじゃないですか(笑)。だからやっぱり裏があるんですよね。そういう人間を相手にしたときに、タイムの素直さや人を信じる気持ちがどうなるのかというのはこの物語を左右するもののひとつだし、面白いところでもありますね。前半と後半だとタイムの印象がだいぶ変わりますし、すごく簡単な言葉になりますけど、そうやって素直に何かを信じられたりとか、人を分け隔てなく見ることができる人は本当に素敵だなと、演じて改めて思いました。
日常生活のどこかにファンタジーがあるような作品
――今回は実写とアニメパートでひとつの役を演じられていますが、その中で難しかったことや意識したことはありますか?
正直、特に意識したことというのがなくて。アニメパートは実写パートを撮ったあとに収録したんですけど、アニメパートの絵は実写のタイムにできるだけ寄せて作ってくださったんです。もしアニメパートを先に録っていたら実写に繋がるようにやらなきゃいけないですけど、実写を最初に撮ったからアニメはそれを基準にして作れたので、あまりそこを意識しなくて済んだんです。なので、声のお芝居で大変だったことはもちろんありますけど、それ以外で繋げようという意識してはなかったですね。そこは監督やスタッフのみなさんがやってくださったので。
――実写版のパートでは中島エマさんやエマニエル由人さんなど世代の近い方とのシーンや、新田真剣佑さん、森田剛さんなど先輩とのシーンもありましたが、撮影現場で印象的なことはありますか?
全部がめちゃくちゃ楽しかったということに尽きるんですけど、新田真剣佑さんとは一緒にアクションをやっているときのことが印象に残っていますし、(中島さん演じる)ナギ・(エマニエルさん演じる)ソンに関しては一緒に冒険する仲間なので、お芝居ではあるけどいろんなところに行って様々な体験をしましたし、森田さんとはアクションシーンもそうですけど、物語のすごく大事なところで一緒になって、それぞれに思い出がありますね。
この作品は4か月間撮影したんですけど、始まったのが8月で終わったのが12月で季節をギリ3つまたいでいるんですよね。セットがあって、そこでタイムが本棚から現実世界に出てくるシーンなどを撮ったんですけど、もう本当に暑かったんですよ。カメラが回っているときはエアコンや換気を止めなきゃいけなかったり、僕の衣装も暑かったし、カメラマンさんとかはあんなに大きい機材を持って大変だったと思うんです。でもクランクアップ間近になったら今度はものすごく寒くて、「そう考えると、すごく長い間やっていたんだね」みたいな話をしたことはすごく印象に残っていますね。
――完成した作品をご覧になった感想を教えてください。
撮影中もセットや美術からファンタジー要素をたくさん感じられて、それだけでも一味違うなという印象を持っていたんですけど、完成したものを見ると、CGやアニメが加わることによってファンタジー感が増したというか、日常生活のどこかにファンタジーがあるようなテイストになっていて。こういうテイストを出せる作品が今の日本にどれくらいあるのかなと思うと、貴重な作品なんだなと思いますね。
――撮影時の想像を超えていたと感じたところはありましたか?
すごくありましたね。撮影現場だとCGがないと誰もいなかったり(笑)、全部グリーンバックのときもあったし、声のお仕事をやっているときも大体完成してない映像に声を当てるので、何もわからない状態だったことも多かったんです。そういったものが全部ハマっていくと、これだけリアルになるのはすごいなと思いましたね。
見るだけで楽しくなるような魅力がある

――今回演じたタイムは異世界から現実世界にやってきますが、奥平さんは新しい環境や作品に入るときはすぐに馴染めるほうですか?
クランクインの日とかは結構緊張しちゃうタイプなんですけど、緊張していても仕方ないかというメンタルになるので、割と早い段階から失礼のない程度にリラックスしています。今でも忘れられないのは、デビュー作の『MOTHER マザー』という映画で長澤まさみさんとご一緒させていただいたときのことなんですけど、僕は15歳とかで本当に世間知らずだったので、みなさんがいる中で(ふんぞりかえったように座って)こんな感じで座っていたんですよ。長澤さんは「堂々としてるね。でもいいと思うよ、そういうの」と言ってくださって、そのときは意味がわかんなかったんですけど、今考えれば「ダメだな〜」と思って(笑)。長澤さんがすごく優しい方だからよかったですけどね。
――今回の現場はいかがでしたか?
スタッフさんも結構若い方が多くて、中盤あたりからみんな仲良くなってきて、友だちみたいな感覚で話せるようになりましたね。だんだんリラックスして、よくも悪くもすごくゆっくりできた瞬間がありました。
――そういう環境というのは演じる上でやはり重要なのでしょうか。
大事ですね。演者とスタッフさんって、ちょっと距離があったりとか、お互いに敬語を使うのが当たり前ですけど、僕は敬語を使いますけど、スタッフさんはラフに話しかけてくれたのがすごく嬉しくて。僕も言いたいことを言えるし、相手も「これの都合上、こうしてくれない?」というのも言いやすいだろうし、そういうことが作品のクオリティが上がっていくきっかけになると思うんで、すごくよかったですね。
――最後に、作品の見どころを教えてください!
今後作られていくと思いますが、こういうジャンルの作品が今は日本にあまりない中で、ディズニープラスさんが作ってくださって世の中に出せるのはすごく貴重なことだと思うんです。作品を見るだけで楽しくなるような、そういう魅力がある作品だと思っているので、簡単な言葉になっちゃうんですけど、まずは本当にシンプルに、この作品の映像やアクションであったり、作品全体を純粋に楽しんでほしいなと思いますね。
奥平大兼さんから学生のみなさんに手書きのメッセージ!
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PROFILE

奥平大兼
2003年9月20日生まれ。東京都出身。2020年に映画『MOTHER マザー』で俳優デビュー。同作にて第44回日本アカデミー賞 新人俳優賞、第94回キネマ旬報ベスト・テン 新人男優賞、第63回ブルーリボン賞 新人賞、第30回日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞。主な映画の出演作に『マイスモールランド』(22)、『あつい胸さわぎ』(23)、『ヴィレッジ』、『君は放課後インソムニア』などがある。24年3月8日には主演映画『PLAY!-勝つとか負けるとかはどーでもよくて-』が公開。
『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』ディズニープラス「スター」で12月20日(水)より独占配信

〈横須賀〉に住むナギは、部屋の本棚から突然飛び出してきた、〈ウーパナンタ〉に住むタイムとドラゴンのガフィンと出会う。
ナギは、崩壊の危機にある〈ウーパナンタ〉を救うために、現実世界に飛ばされた英雄・アクタを探すタイムに力を貸すことになるが、同時に「2つの世界に隠された1つの真実」を巡る大冒険に巻き込まれていく…
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取材・文/東海林その子
撮影/三橋優美子
スタイリング/伊藤省吾(sitor)
ヘア&メイク/速水昭仁(CHUUNi Inc.)