【ダイソン国際エンジニアリングアワード2023】法政大学・日本大学の学生らによる、視覚障害のある方のための歩行者用信号認識プロダクト「AISIG」、日本国内最優秀賞作品として国際ファイナリストに選出!#Z世代Pick

ふじ(ガクラボ所属)

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こんにちは!リリースピッカーのふじです。今回は世界を舞台に活躍している学生さんの情報をピックアップしてお届けします!将来エンジニアやデザイナーを目指す学生さんにもぜひ見ていただきたい内容となっています。

ジェームズ ダイソン財団は、次世代のエンジニアやデザイナーの支援・育成を目的に、同財団が主催する国際エンジニアリングアワード、James Dyson Award (以下、JDA) の国際ファイナリストを発表した。

初開催の2005年から一貫して「問題を解決するアイデア」がテーマである本アワードに、今年は世界30か国より1,900以上の応募があり、その中から国際トップ20作品がファイナリストとして選出された。

その中には、日本の国内最優秀賞に輝いた法政大学 田中 郁也氏、日本大学 成嶋 セルジオ 正章氏による、視覚障害のある人が安心して横断歩道を渡るための歩行者用信号認識プロダクト「AISIG」が含まれています。日本からの応募作品が国際トップ20に選出されるのは、2020年の失われた声を取り戻すウェアラブルデバイス「Syrinx」以来、3年ぶりとなる。

※写真左: 視覚障害のある人が安心して横断歩道を渡るための歩行者用信号認識プロダクト「AISIG」

発明やアイデアが人生や生活によりよい変化をもたらす

世界中の学生や若手エンジニア達は、自身の発明やアイデアへの境界線を押し広げ、人生や生活を変える解決策を編み出すための探求心の力を証明し続けている。AIによる画像認識を用いて、視覚障害のある人が安心して横断歩道を渡るための歩行者用信号認識プロダクト「AISIG」と同じく国際ファイナリストに選出された20作品の内容は多種多様だ。

トルコからの応募作品「ForestGuard 2.0」は、2021年以降、国内で広がり、壊滅的な被害をもたらしている山火事を目の当たりにした学生たちが考えたアイデア。

イスタンブールビルギ大学の学生チームの発明では、センサーと衛星の連携技術を応用し、山火事発生の可能性を示す初期兆候を当局に通報する。将来の火災発生リスクを大幅に抑えることが狙いだ。

シンガポールの若き発明家、イ イアン シィウ(E Ian Siew)は、心臓切開手術後の回復段階において辛い思いをした自らの体験を基に、よりよい良い解決策はないかと考えた。そこで、シンガポール国立大学病院の専門家から助言を得ながら、処置後の胸骨の癒合を助け、術後リハビリをサポートするベスト型装置「Auxobrace」を考案した。

オーストラリアのアレクサンダー バートン(Alexander Burton)が考案した「REVR」のテーマは、世界の温室効果ガス排出量の20%¹を占める輸送業界の炭素排出量削減だ。EV車の購入には費用がかかるため、自動車に搭載されている内燃エンジンをハイブリッド電動モーターに転換する改造装置を発明。環境にやさしい輸送にシフトするためのコストを大幅に削減できる。

時に、ごくシンプルなアイデアが世界に大きな影響を与えることもある。フィリピンの若き起業家、ジェレミー ドゥ レオン(Jeremy De Leon)が発明したのが「Make-roscope」。スマートフォンまたはタブレットを顕微鏡に変身させる簡単なキーホルダーだ。次世代の科学者になりうる、世界中の生徒や学生が実験器具によりアクセスできるよう考案された本作品は、既にフィリピン国内の学生や教師、3,000人以上が使用している。

国際トップ20作品に関し、テクノロジー開発部門の責任者であるレイチェル ピンク(Rachel Pink)は次のように述べている。

 「発明家は、自身のアイデアがどのように機能するかを十分理解していることを証明する必要があります。自分のアイデアをいかに確実な方法で実現できるのか、実装した場合に直面する課題をどのように解決するのか、その考えを示さなければなりません。選出した優秀作品のいくつかには、デザインプロセスの途中で失敗し、その失敗から学んでデザイン精度を上げた過程が見受けられました。」

多様な思考が可能にする慎重な審査過程

優れたアイデアは多様な考えと経験から生まれる。2023年の国際トップ20作品の選考には、シンガポール、英国、マレーシア、フィリピンのダイソン研究デザイン開発センターから14名のダイソンエンジニアが臨んだ。サステナビリティ、電子工学、製造、音響、蓄電など幅広いエンジニアリング分野を専門とする14名の審査員達に加え、ダイソン インスティテュート(Dyson Institute of Engineering Technology)の学生も審査員として参加し、従来のデザインプロセスに疑問を投げかける独自の視点で選考が行われた。

ダイソンのエレクトロニクス部門責任者、ホン フェイ フゥ(Hong Fei Hu)は次のように述べている。

「James Dyson Awardは、若き発明家たちが自らの画期的なアイデアを国際舞台で発表できるプラットフォームです。医療分野からサステナビリティまで多岐にわたる問題に解決策を提示する発明アイデアを多数目にし、心が洗われる思いがしました。」

ダイソン インスティテュートの学生である、フレイヤ ムーア(Freya Moore)は次のように述べている。

「James Dyson Awardは学生にとって、エンジニアに何ができるのか、ワクワクするような構図を描くものです。今回、審査員とし参加できたことで、この機会がなければ遭遇することがなかったかもしれない現実の問題を知り、そうした課題に対する多様な角度からのアプローチを目にすることができました。」

国際トップ20作品から最終的に国際最優秀賞がジェームズ ダイソンより選出される。国際最優秀賞の発表は11月15日(水)を予定している。

¹ Statista, 1022:  https://www.statista.com/topics/7476/transportation-emissions-worldwide/#topicOverview

今後の審査の流れ

ダイソン創業者兼チーフエンジニアのジェームズ ダイソンによる国際最終審査に進む。最終結果を11月15日に発表予定。

国際最優秀賞受賞者には、賞金30,000ポンド(約477万円²)、国際準優秀賞には5,000ポンド(約80万円²)が贈られる。また、ジェームズ ダイソン アワードのInstagram (英語のみ)やDyson Newsroom (日本語)でも最新情報を適宜案内する。

²参考金額:1ポンド=159円  発表時の為替相場に応じて換算

参考資料:

ダイソン インスティテュート オブ エンジニアリング アンド テクノロジーは、伝統的な大学の学問的厳しさと、グローバルテクノロジー企業における実際の製品、技術プロジェクトでの実践的な経験を組み合わせた、英国における工学教育の新しいモデルです。

ジェームズ ダイソン財団は2002年に設立された国際的慈善団体です。熱意あるエンジニアたちを2002年に設立されたジェームズ ダイソン財団は、意欲的なエンジニアの育成、エンジニアリング教育の支援、医療研究への投資を行う国際的な慈善団体です。財団は毎年、国際エンジニアリングアワード、ジェームズ ダイソンアワードを主催し、エンジニアリングやデザインを学ぶ学生や卒業生にアイデアを発表する機会を与えています。2005年に始まったこのアワードは、これまでに世界で300以上の発明を支援し、受賞者には製品化をサポートするための賞金が贈られます。

編集/ふじ(学窓ラボメンバー)

ふじ(ガクラボ所属)

ふじ(ガクラボ所属)

立教大学在学中。毎日ふわふわの犬と可愛い猫に癒されています。美味しいものを食べることが好きです。

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