木戸大聖「夢があるなら当たって砕けろ精神で本気で追いかけて」#学生の君に伝えたい3つのこと
人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。
今回は現在公開中の『先生！口裂け女です！』で初めての映画単独主演を務めた、俳優・木戸大聖さんが登場。これまでのお仕事での経験や学生生活を振り返り、やりたいことへ向かおうとする学生たちの背中を押すアドバイスをくれました。
▼桜田ひよりさん、高橋文哉さん、もーりーしゅーとさんが登場！
学生の君に伝えたい３つのこと
俳優・木戸大聖が＜学生の君に伝えたい３つのこと＞
1．夢があるなら当たって砕けろ精神で本気で追いかけて
――学生のうちにやっておいたほうがいいと思うことはありますか？
僕は今、好きなことを仕事にさせてもらっていて、そのおかげで日々がすごく充実しているんですね。好きなことをやる道に進んだからこそ言えることとしては、学生の時期なら失敗してもどうにかなるし、しかも社会人になったらそれが美談になることもあるので、好きなことがあるならそれを目指して挑戦してみたり、夢があるんだったら当たって砕けろ精神で本気で追いかけてみたほうがいいと思います。安定したほうに行くことが間違っているというわけでは全くないんです。ただ好きなことをやらずに捨ててしまうのはすごくもったいないので、根拠がなくても自信がなくてもいいから、立ち止まっているところから一歩踏み出してみたらいいんじゃないかなと思います。
2．10代のうちに海外に行ってみてほしい
――学生のうちに見たり、聞いたりしておいたらいいと思うことは？
自分の価値観を変えるという意味で、海外に行くのは学生のうちにやればよかったなと思います。大人になって海外に行くようになって、本当に国によって文化が違うんだなと気づいたんですけど、10代の頃はスポンジのように吸収できる年頃だと思うので、そこで得たものが絶対に後に生きてくるし、原動力にできると思うんです。日本にいたら日本人の価値観が当たり前になってくるけど、そういうときに一回海外に行ってみるとすごく面白いんじゃないかなと思います。
3．アルバイトの経験は後に活きてくる
――これまで経験した中でやっておいてよかったと思うことはありますか？
やっている人も多いと思うけど、アルバイトを経験できてよかったなと社会人になってからすごく思いますね。お金がほしいという気持ちは仕事を頑張るためのひとつの力になるし、同時にお金をもらうことがどれだけ大変なことで、すごいことかというのは社会人になっても感じることだから、お金をもらえることへの感謝だったり、ありがたみを早めに感じていれば、人への感謝とか尊敬する気持ちにも通じてくると思うんですよね。僕はそれをアルバイトをして感じられたので、もしすでにしているなら大変だとは思うんですけど、後に生きてくるよということを覚えていてもらえたらなと思います。
「なんなんだ、この映画は」と思う新感覚の脚本
――現在、木戸さんが主演を努めた映画『先生！口裂け女です！』が公開中です。まず脚本を読んで感じた作品への印象を教えてください。
タイトルからホラー要素があるだろうと身構えて読んだら、とあるところからガラッと状況が変わって一回ページを戻りました（笑）。それは台本を読んでいてなかなかない衝撃だったので「なんなんだ、この映画は」と思って、読み終わったあとは身構えて読み始めたことは忘れてしまうくらい新感覚の脚本でしたね。
――タケシという役柄については、どんな人物だと思われましたか？
台本を読んでいて「うわ、この男の子かわいいな。演じたいな」と思うキャラクターに出会うと、「自分が演じ切ってみたい」と思わされるんですね。タケシはまさしくそれを感じて、根拠のない喧嘩強いアピールだったり（笑）、でも人のために体を張るような彼の無邪気さとか、すごく好きになることがいっぱいあって、演じられることへ喜びがすごくありました。
――そういう部分を表現するために意識したことはありますか？
（上野凱さん演じる）F1と（黒崎レイナさん演じる）アヤカを含めた３人の友情だったり、掛け合いが大事になってくるので、自分ひとりでというよりはとにかく２人と距離を縮めていくことは撮影に入る前から大事だなと思っていて。でも始まってしまえば僕が何かするということはなく、２人から来てくれる部分があって仲良くなれたので、そういう意味では主演ということへのプレッシャーもなくなっていきましたし、構えていた部分がどんどん解消されて演じやすかったです。
バカなことを見つけて一緒に笑い合うことが多い現場だった
――どういうコミュニケーションを取って仲良くなっていったんですか？
芝居の話をするということは別になくて、それこそタケシたちみたいにしょうもないことやバカなことを見つけて、一緒に笑い合うことが多かったなと思います。「監督のあれ、おもろかったよね」みたいなことを共有することもあって（笑）、今回、作品の中でバイクが映画を象徴するアイテムになっているんですけど、そのほとんどは監督が愛用しているものなんですよ。例えば（里々佳さん演じるタケシの）姉ちゃんが乗っているバイクは監督の愛車だし、タケシが乗っているゴリラというバイクは今回のために監督がポケットマネーで買った超レアなバイクなんです。作品の中で（屋敷紘子さん演じる）口裂け女さんがバイクでカッコよく登場するシーンがあるんですけど、アクション部の方がリハーサルをしたときに地面のコンディションがよくなくて、バイクが止まったあとにバタッと倒れちゃったんです。みんなは乗っていたアクション部の方に「大丈夫ですか？」と近づくんですけど、僕は近くにいた監督の甲高い声が聞こえたんですよ。そのときに動画を撮っていたので見返したら、「（高い声で）あー！僕のバイクがー！」という声が入っていて、それをみんなに共有して爆笑しました（笑）。もう最高だったんですよ。本当に大事に大事に、我が子のように愛しているバイクだから気持ちはわかるんですけど、リアルな心の声が漏れていたので、もう現場であの動画を何回見たか分かりません（笑）。
――お話を聞いていると、和気あいあいとしたすごく楽しそうな現場ですね。
今のエピソードもそうですけど、監督が本当に少年のような人なので、そこに僕らが引っ張られたんだと思います。それに自分が少年期に好きだったこととか、カッコいいなと思っていたことが思い返されたというか。例えばヒーローだったり、仮面ライダーを見ていて楽しかったから、どこかで自分も特撮系をやってみたいなと思っていたので、今回はそれがちょっと叶ったような気持ちもあります。
――登場人物たちはとても個性豊かですが、木戸さんのお気に入りのキャラクターはいますか？
いっぱいいるんですよ。でもやっぱり僕はF1が好きなんですよね。上野凱くんという役者さんが演じてくれたことでよりに好きになったし、F1がいなきゃ成立しないことって場面にいっぱいある中で「僕は天才です」という感じを出していないし、だから周りにも認められない感じがあったり、いいように使われていたりして（笑）。それに対していろいろ言うんじゃなくて、「はい！タケシさん！」と従うかわいさみたいなところも僕は大好きなんですよね。みんなかわいいし、好きですけど、やっぱりF1かなと思います。
学生のときに出会った友だちとは今でもよく会う
――今作は木戸さんにとって初の単独初主演映画ですが、主演ということで撮影中に意識したことや、これまでの経験が生きたなと感じたことはありましたか？
主演だから意識したということは本当になかったんですけど、僕が主演ではないポジションで作品に出させてもらったときに、主演の方に話しかけてもらうとすごく思い出に残るし、その現場にすごく居やすくなるんですよ。まだまだな僕ですけど、みんなが一緒に作品を作っていく仲間だから、今回主演というポジションでやらせてもらえる上でいろんな人に話しかけるということは意識したかもしれないです。
――今回は学生役を演じられましたが、木戸さんはデビュー当時、大学と両立しながらお仕事をされていましたよね。
両立していましたね。朝は現場に行って、途中授業を受けてから、また現場に戻るみたいなこともありました。ただ大学3年生で、1、2年生である程度、授業の単位を取っていれば比較的ゆとりができる年だったので、単位を取っておいてよかったなという部分はありました。
――当時を振り返って、大学生のうちにお仕事を始めてよかったなと思われますか。
それが直接的に仕事に影響したかと言われたらパッとは思いつかないんですけど、僕は学んだことより、大学で出会った人たちの存在が大きくて。僕は学生のときに出会った友だちと今でも休みの日とかによく会うんですよね。彼らは忖度なしに僕が出ている作品やバラエティ番組を観て感想を言ってくれるんです。それがよかったりも悪かったりもするんですが（笑）、何より素直な意見や感想を言ってくれることがすごく楽しかったりするんで、そういう仲間と出会えたので両立してよかったなと思います。
木戸大聖さんから学生のみなさんに手書きのメッセージ！
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PROFILE
木戸大聖
1996年12月10日生まれ。福岡県出身。「僕たちがやりました」(17)の第10話で俳優デビュー。主な映画出演作に『銀魂2 掟は破るためにこそある』(18)、『L♡DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』(19)、『サヨナラまでの30分』『のぼる小寺さん』(20)、『大怪獣のあとしまつ』『メイヘムガールズ』（22）などがある。
映画『先生！口裂け女です！』 ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、新宿シネマカリテ他全国ロードショー！
高校生のタケシ（木戸大聖）とF1（上野凱）は、原付を盗んでは不良軍団に売ってお金を稼ぐバイトをしていた。ある日、タケシたちが通う学校に転校してきたアヤカ（黒崎レイナ）も仲間に加わり、3人で原付窃盗をすることに。寂れたアパートに停めてある原付をいつものように盗もうとしたとき、なんと持ち主と思われるマスク姿の女に見つかってしまう。慌ててバイクで逃げるタケシたちだったが、人間とは思えない身体能力で走ってくる女にすぐに追いつかれてしまう。そう、このマスク姿の女こそ、頬まで口が裂け、100mを6秒で走る伝説の口裂け女だったのだ！ 果たして彼らの運命は？ そして口裂け女の正体とは？
監督・脚本・編集:ナカモトユウ 出演:⽊⼾⼤聖 ⿊崎レイナ、上野凱、⾥々佳、和⽥雅成/六平直政、⼤迫茂⽣、屋敷紘⼦ 他
公式サイト：https://kuchisake-onna.jp/
衣装クレジット：MCM（MCM GINZA HAUS 1/03-4520-7030）Y-3（adidas fashion group showroom /03-5547-6501）
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取材・文／東海林その子
撮影／三橋優美子
スタイリング／田中トモコ（HIKORA）
