「粒ぞろいより、粒違い」。博報堂/博報堂DYメディアパートナーズの新卒採用担当が「『人』に興味がある社員が多い」と考えるワケ
「将来の“なりたい自分”がまだわからない」という悩みを抱えるみなさんに、いろんな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#先輩ロールモデル」。
今回は「博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ」で働く先輩社会人にインタビュー。タレントアクイジション局で新卒採用担当として働く白坂太秀さんに、日々の仕事内容や学生時代に取り組んだことについてお話を伺いました!
2019年新卒入社
ビジネスプロデュース職として医薬品業界・お菓子業界・トイレタリー業界のブランドを担当。その後、2022年よりタレントアクイジション局に異動となり、現在新卒採用担当として従事。
ーーまず、自己紹介をお願いします。
2019年に入社し、最初はビジネスプロデュース職でクライアント関係の仕事をしていました。去年10月からはタレントアクイジション局で新卒採用を担当しています。
ーー現在担当しているお仕事の内容について教えてください。
新卒採用に関連したイベントやインターンシップ、企業説明会などを主催・運営、もしくは登壇したり、新卒採用の選考部分なども担当したりしています。博報堂と博報堂DYメディアパートナーズの新卒採用は夏、冬、そして3月からの公募と、大きく3つの山に分けて現在は採用広報を行っていますが、その全般に関わっています。
ーーこの仕事に求められるスキルは何でしょう?
ビジネスプロデュース職時代はクライアントの商品やサービスに関しての仕事をしていたのですが、異動後は自分の会社がクライアントになったという感覚があります。結局はどちらも人に寄り添う仕事で、以前はクライアントや担当するブランドに寄り添っていたのが、今は就活中の学生や自分の会社に寄り添っているので、この「寄り添い力」みたいなものは今後もより強くしていきたいと思っています。
ーー「寄り添い力」を活かすため、どのような工夫をしていますか?
「この人に何かを任せたいな、信頼できるな」って思ってもらうためには、コミュニケーションの積み重ねが大切です。だからこそ、インターンシップや説明会に参加してくれる学生さんには本音で向き合おうと思っていますし自分も腹を割って対等な立場で話したいと思っています。
ーーこれまで、一番難しいと感じた仕事や苦労したことについて教えてください。
博報堂/博報堂DYメディアパートナーズの選考フローには人事との面談やディスカッションなどがありますが、それはいつも難しいと感じています。人事担当として「この学生さんにも会社の仲間になってほしい」と思うし、でも一方で「本当にこの学生さんにとって、この会社がベストな選択肢なのか?」とも思うんです。学生一人ひとりの人生がより良い方向に向くように相談を受けているつもりですが、やっぱりそういう葛藤もあるので本当に難しいですね。
ーーこのお仕事にはどんな人が向いていて、どんなスキルが必要だと感じていますか?
会社として「こういう人に仲間になってほしい」という方向性があるわけではありません。博報堂/博報堂DYメディアパートナーズは「粒ぞろいより、粒違い」という言葉があるように、本当に様々なバックグラウンドや価値観を持った社員がいますし、採用面接でもその学生さんの “ありのままの個性”を見ています。そういうこともあって、博報堂/博報堂DYメディアパートナーズには「人」に興味のある人が多いように感じています。
また、博報堂/博報堂DYメディアパートナーズには雑談を大事にする文化があって、社員同士が人に興味を持っているからこそ、打ち合わせでも業務と関係ない話が膨らんでなかなか本題に入らないことも少なくありません。ですから、どんな人が向いているかというより、「人」に興味ある人が多いイメージですね。
ーー博報堂/博報堂DYメディアパートナーズで働くことの魅力は何でしょうか?
ひとつ挙げるなら「人」だと思います。仕事の相談はもちろん、プライベートの相談ができる人も多くて、日頃悩んでいることや家のこと、恋愛のことなど、業務とは関係ないことでも話せる先輩や同期、後輩に恵まれています。
あくまで持論ですが、どんなにやりたかった仕事をしていても、どんなに第一志望の会社に入社できたとしても、仕事が嫌になる瞬間はあると思います。でも、その会社を辞めたいと思うかはまた別の話です。僕は仕事が嫌になったことはいっぱいありますが、この会社を辞めたいと思ったことは一度もありません。それは周りの人に恵まれたからだと思っています。
ーー学生時代に一番頑張ったことを教えてください。
高校時代は体育会の水球部に、大学時代はサッカー関連のアルバイトに没頭していました。
水球部ではマイナーと思われがちなスポーツだからこその悔しい経験もしました。年に1回、競泳などの他の水上競技と一緒に大会があるのですが、圧倒的に競泳の関係者が観客に多くて、水球の試合は全然見てくれていないんですよね。どうやったら水球というスポーツが面白いものだと思ってもらえるか、よく考えていたことを思い出します。
サッカー関連のアルバイトでは、リアルタイムで行われている試合のテキスト速報を配信するという仕事に取り組んでいました。通常は映像で見るものを、文字という限られた情報の中でできるだけ伝える。こちらはメジャーなスポーツだからこそ、生活者がイメージできている普段通りのサッカーの魅力が、極力損なわれないように、意識するようにしていました。
ーーそれぞれどんな工夫をしたのでしょうか?
どちらの経験も、「生活者の求めるものを考える」ということを意識していました。
水球で言えば、あくまで観客にとってはスポーツは娯楽。としたときに、水球が馬鹿にされたっていいから、面白く伝えたほうが楽しい時間になると思いました。水球でいうと水中では激しく格闘しているように見えて、相手の水着を掴んで引っ張っているんです。もしそれを見せたら、水球=脱がせ合うスポーツにも見えて滑稽に見えるかもしれない。そう思って水中カメラの映像を試合会場で見せようと提案したりしましたね。
サッカーで言えば、テキスト速報を見る人は、おそらく本当は普段通りに映像で見たいけど、訳あって見られないという人が多いだろう。としたときに、表面的なプレーや事象を文字にして伝えるだけでは、そうしたコアなファンには物足りず、むしろ選手の表情や雰囲気、その試合だからこそのトラブルなど、“体温のある文章”を心がけていました。
また、単語1つとっても、色々な想像を膨らませることができるように、言葉だからこそ伝わるシュールさや広がりも狙って書くようにしていましたね。
ーー学生時代の経験で、今の仕事に役立っていることはありますか?
めっちゃありますが、ひとつ挙げるなら、ビジネスプロデュース職時代に漢方薬を担当したときのことですね。漢方薬の売上をより伸ばしていきたいとなったときに、クライアントと話し合って「生活者の声を聞こう」ということになったんです。
そのときに、「そもそも漢方薬に頼っている自分が恥ずかしいから買わない」というインサイトもあることがわかりました。もちろん、自分に必要な薬であることはわかっているんだけど、それを買うためにレジに並ぶのもためらう、と。
これは社会課題としても重要で、日本では家族や同僚に身体の悩みや不調を気軽に打ち明けられない雰囲気や空気感を感じている人も多いと感じています。でも、それはよくないことだから改善したい。そこで、社内のメンバーやクライアントと何度も相談を重ねた結果、「漢方薬は自分がいきいきと生きるための存在」だというところから見え方を定義して、漢方薬のカードゲームを作って、遊びながら気軽に体質や体調について話せるようにしようという施策を考えました。
学生時代に学んだ「見せ方」を活かせたと思いますし、まさに博報堂/博報堂DYメディアパートナーズが掲げる「生活者発想」だったと思います。
ーー博報堂/博報堂DYメディアパートナーズの「生活者発想」について、簡単にご説明いただけますか?
一概に定義づけできませんが、僕が思うのは「生活者一人ひとりが隠れ持っている欲求や思いを深堀りする考え方」だと思います。先程の漢方薬の生活者インサイトでも、実際に声を聞いたユーザーは数十人しかいないんですよ。そんなn=1のインサイトでも深く洞察して熟考してみる。他にも同じような想いを感じている人もいるはずと考えて、そこで得た気づきをアイデアに昇華していく。この考え方、発想法が生活者発想なんだと個人的に思っています。
ーー学生時代、就活軸にしていたものは何ですか?
「人」が一番大事だと思って就活していました。どんな人がその企業で働いているかを知るために、インターンシップに参加したり、OB/OG訪問をしてからその企業を受けるかどうか決めようと思っていました。あとは正直な話、お金と勤務地も軸にしながら会社を選んでいました。
ーー就活時に描いたキャリアプランと今現在のキャリアプランについて教えてください。
就活中は正直、仕事なんかしたくないと思っていました(笑)。でも、周りが就活していたので「俺もやるか……」と思って就活ナビサイトのアプリを入れたり、インターン先を探したり。入社してすぐの頃も“プライベートを充実させるための仕事”という位置づけで考えていました。
でも、今は仕事とプライベートの両輪で楽しめていますし、どちらも充実させたいと思っています。どちらにもモチベーションが持てるようになったのは大きな変化でしたね。「仕事も楽しいじゃん」と思っているうちに、「もっとこうしていきたい」という思いが芽生え始めたのは、正直自分でも意外でした。
ーー意識が変わったキッカケは何だったのでしょう?
仕事をしている中で、人に感謝されることがシンプルに嬉しかったからだと思います。何度も感謝されていると、「必要とされているんだな」って感じ始めるんですよ。
ビジネスプロデュース職で働いていた約3年半は、ひとつのクライアントをずっと担当していたのですが、異動が決まったとき、先方の担当者の方に「今までありがとうございました!」って別れのメールをしたら、「いつでも白坂さんは私の一番でした」って返事をくれて……それはもう、めちゃくちゃ泣けました。その一言に僕の3年半が凝縮されている気がしたし、仕事にも大きなやりがいを感じましたね。
ーーオフタイムの過ごし方を教えてください。
僕はめちゃくちゃ家が好きなので、外に出て遊びまくるということはあまり頻繁にはしません。基本的に、土日のどちらかは家で過ごそうと決めていて、いいコーヒーメーカーを置いたり、学生時代から飼っているインコと遊んだり、ゲームをしたりして過ごしています。
もう1日は、会社の同期や部署内のチーム、大学時代の友達と遊んだりしています。
ーー最後に、学生へのメッセージをお願いします。
仕事をしていると、良いときもあれば悪いときもあります。失敗して落ち込むときもあれば、逆に凄く楽しかったり、嬉しくて泣くこともあります。浮き沈みはどんな会社に入ってもあるんです。でも、そういうときに支えとなるのは、やはり周りにいる人です。会社選びは、人に恵まれるかどうかも大きな違いだと思います。
就活中は極力色々な人に会って欲しいと思いますし、直接感じた人の雰囲気や社風を信じて、自分の中でのベストな答えを決めていってほしいと思います。
これから就活がさらに本格化し、忙しい日々が続くと思いますが、どうか体調には気をつけて。みなさんとお会いできる日を楽しみにしています。頑張ってください!応援しています。
文:猿川佑
編集:学生の窓口編集部
取材協力:博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ