與真司郎（AAA）の相談窓口vol.2「まずは自分の心の鍵を開けて、ある程度は人を信じてみよう」

連載「與真司郎の相談窓口」第3回目。今回も読者から届いたリアルなお悩みに、ブランドプロデューサー、本の執筆など多岐にわたって活躍している與真司郎（AAA）さんがアンサー。日本とLAを行き来し活動する中で得た広い視野、そしてメンタルヘルスの重要性を発信している與さんだからこその視点で、悩める読者にアドバイスをいただきました。

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お悩み：新しい友達を作るのに時間がかかってしまう

「私は人見知りでクラスが変わったり環境が変わると新しい友達を作るのに時間がかかります。真ちゃんはどうやって会話の話題を作ったりしますか？」

19歳・女性・さきさん

アンサー：仲良くなるのに時間はかかるもの。焦らず会話を重ねてお互いに興味を持っているものを探そう

友情も恋愛も一瞬で盛り上がることもありますけど、それだとちゃんと相手のことをわかっていなかったりするし、やっぱりなんでもかんでも時間はかかりますよね。僕がLAに来たときは友だちがまったくいなかったし、カルチャーや言語の違い、アジア人というだけでちょっとレイシズムみたいなことを少し感じたりもすることもありました。
それに日本と行ったり来たりしていたので仲良くなりかけても僕が日本に戻ったら連絡が途絶えたりして、住み始めて７年目の今、やっと心の底からベストフレンドと言える友だちが何人かできた感じがします。連絡をくれる友だちがいて、待っているだけじゃなくて自分からも「元気かい？」と送ったり、そういうリレーションシップを持とうと思うことが大事なんじゃないかなと思います。だから焦らないでというのと、「どうやって会話の話題を作ったりしますか？」……よく聞かれるんですけど（笑）、僕は話すのが得意なほうなんですよね。この前も親と話していたら昔からフレンドリーだったと言われたので素の性格も関係していると思うんですけど、何を話しているのかな？（笑）今一緒に仕事をしているアメリカ人の友だち２人が日本に来ていて、遊園地に行く移動中にはアメリカ人と日本人の仕事への考え方の違いとか「このNetflixのドラマ、見た？」みたいな話をしたり。
人によって話題は変わってくるし、そうやって話してお互いに興味を持っているものを探していくことが多いですね。その中で考え方の違いを感じるときもたくさんありますけど、「そういう考え方するんだ、僕は違うわ」と思ってその考えをシェアするときもあれば、「別に言わなくてもいいな」と思うときは言わないし、そこはうまくバランスを取っていますね。

――そうやって話すためには、いろんなトピックに興味を持つことも大事ですね。

そうですね。そして自分の話ばっかりするんじゃなくて、相手の話を聞いてあげるのもすごく重要だと思います。若い頃の僕は自分の話をしがちだったんですよ（笑）。みんな、俺の話を「面白い」「話を聞きたい」と言ってはくれるけど、20代のときは自分勝手に話してばっかりいたなと思って、30代になってからは相手の話を聞くようにしていて。それでも興味を持てない人がいたら、それは多分合わない人なんだと思う。２・６・２の方式というのがあって、世界には自分と感覚が合う人・意見が似ている人は２割しかいなくて、６割は合ったり合わなかったり、最後の２割は好みも考え方も正反対。最初は自分と合う２割の人だと思っていたのに、話してみたら実は正反対の２割だと分かることもあるけど、それは自分も相手も悪くない、ただ合わなかったということ。そう考えるのがお互いにとってメンタル的に一番ヘルシーだと思います。あとは人って興味を持ってもらえると嬉しいから、「今日めっちゃおしゃれじゃん」と思ったら素直に褒めてみたりとか。日本人は変に気を遣ってそういうことをあんまり言わないけど、アメリカの人はめっちゃ言ってくるんですよ。それってすごくいいことだなと思うんです。僕も言われたら嬉しいし、本当に思っていることだったら言うようにしています。

お悩み：勇気が出ずになかなか挑戦ができない。何か新しいことをチャレンジする時に意識していることは？

「大学１年生なのですが、将来やりたいことがまだ見つかっておらず悩んでいます。勇気が出ずになかなか挑戦ができないこともあります。與さんはアメリカで新たなことをするなど、積極的に活動しており、憧れです。何か新しいことをチャレンジする時にどのようなことを意識していますか？モチベーションやきっかけがあれば教えていただきたいです」
大学１年生・18歳・女性・リリーさん

アンサー：失敗するのが当たり前で、それで人生がすべて終わるわけじゃないと思って挑戦する

僕はやりたいと思ったらそこにアンテナが行っちゃうし、今も新しいことをやろうといろいろ動いているんですけど、ときどき「これ大丈夫かな？」「うまくいかなかったら本当にヤバいな」と思うこともあるんです。でも常に新しいことをやるのも何かにチャレンジしていくのも楽しいし、もしうまくいかなかったとしても自分的に達成感があったらそれでいいと思うんですよね。メイクさんから僕は昔から変化を恐れないと言われて、、、考えてみると確かにそうなのかなと思うんですよね。今はもはや失敗するのが当たり前で、それで人生がすべて終わるわけじゃないと思っている。人との関わりを大事にしていたら絶対にどこかで誰かが助けてくれるからどうにかなると思いながら、人も自分も信じながら生きています。ただいろんな人に相談したところで決めるのは自分だし、失敗するときも自分に降りかかるものだから、そこは常に頭に置きながら前に向かって進むようにはしています。

――そのモチベーションはどこにあるのでしょうか。

僕は周りから反対されたりすると逆に燃える人なんですよね。海外に行くときも周りから止められたけど、「行かないとダメだな」と思って行ったし、他の人たちが歩いているレールに乗っているだけじゃ人生は面白くないなと思っちゃう。だから常に新しいことを自分から探しに行っているし、「何をしたら自分が幸せになれるんだろう」「何をしたらもっといろんな人と関われて、いろんな人がハッピーになれるんだろう」と考えているので、それはモチベーションとしてあるかも。10代、20代は自分にばっかりフォーカスしていたけど、30代になって「こうしたらスタッフさんともっと仕事が楽しくできる」「ファンの方もこういうふうに考えて、みんなハッピーになるじゃん」という方向に進んでいる気がします。あとはまあ、とりあえず楽しく生きたい（笑）。一番はそこかな。でもそのためには辛いことも経験してないとダメなんですよね。だから10代20代で頑張ってよかったなと思います。

――いろいろ経験しないと、自分にとって何が楽しいことなのかもわからないですもんね。

そうそう。今はちょっと休憩することによってやりたいことが見つかってきて、前から「一回休んで考えたほうがいいよ」と言われていたんですけど、本当にこういう時間って必要なんだなと思いますね。暇ってイヤだなと思っていたけど（笑）、不思議と仕事に対してのモチベーションがまた上がっている感じがします。だからこれも経験してよかったことですね。ただ、せっかく頑張って勉強して入った大学や会社を辞めて「休憩しよう」「新しいことに挑戦しよう」なんて、なかなかできないですよね（笑）。それはわかるんですけど、もし他にやりたいことがあるなら「死ぬまで今やっていることを続けますか？」と思っちゃう。僕は一回すべてを０にしてでも好きなことに向かっていく人を応援したいし、みんなにそうあってほしいなと思う。どこに行っても、絶対後悔はするんですよ。でものちのちそれをやってよかったなと思うときが来ると、僕だけじゃなくて周りの大人も言っているので、多分そうなんだと思います（笑）。

お悩み：極度の心配性と気を遣いすぎる性格のせいでなかなか上手く恋愛ができない

「私は大学2年生なんですけど、恋愛経験があまりありません。好きな人ができても極度の心配性と気を遣いすぎる性格のせいでなかなか上手く恋愛ができないことが多いです。自分を偽ることなく素でいられる人と出会いたいと思ってるのですが、どうすれば自分自身の性格を活かして恋愛をすることができるのか相談したいです！」
大学２年生・20歳・女性・ゆいさん

アンサー：絶対に完璧な人はいないし、自分も完璧だと思わない。そう考えたら楽になれる

みんな、本当に心配性ですよね。ただそれは日本人のいいところでもありますから。アメリカで生活をすると日本もどれだけ素晴らしい国か、どれだけいい人が多いのかを改めて再確認できるんですよね。でも周りに気を遣いすぎて、自分を押し殺しちゃっている人も多いなとも同時に思うので、そこのバランスは大事ですよね。もうちょっと自分らしく生きられたら、すごい人たちがいっぱいいるのになと思うんです。だから心配する、気を遣いすぎる性格が悪いとは考えないほうがいいと思うんですよね。そして自分らしくいるのは恋愛で一番重要だと思うので、いかに自分らしくいられて、それを好きでいてくれる人を探すのかが大事だと思います。すっぴんでダサい格好をして嫌われるんだったらそんな恋愛は絶対にしんどいから別れたほうがいいと思うし、それよりも素の自分を許してくれたり、素直になんでも言える人を探せたら一番いいですよね。

絶対に完璧な人はいないし、自分も完璧だと思わないほうがいい。そう思ったら僕は楽になりました。やっぱり人を責めたくなるときってあるじゃないですか。でも「自分も完璧じゃないし、自分の考えが世界中の人に当てはまるかと言ったら違うんだ」と考えると、恋愛もフレンドシップも、家族との関係もよくなる気がします。それにしても、「性格を活かして恋愛をすることができるのか」ってすごく真面目だよね。もし心配性を解消してくれる人や「この人にはなぜか気を使わないんだよね」と思える人に出会えたら最高だし、そういう人は日本にいると思うけど、もしダメだったら世界には74億人いるんで、大丈夫（笑）。別に今いる環境の中で済ませるのが悪いわけじゃなくて、何か夢があるんだったら自分でビルドしていったほうがいいし、そのための場所はここだけじゃないよということは分かっておいたほうがいいですよね。

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取材・文：東海林その子
写真：三橋優美子
スタイリング：村井素良
ヘア＆メイク：佐藤真希
編集：学生の窓口編集部