勢いのあるビジネスを通じて世界を変えてみたい」入社2年目が語る、総合商社で働く面白さ【伊藤忠商事株式会社】
所属部署:都市環境・電力インフラ部
経歴:1999年生まれ、東京都出身。大学時代は経済学を専攻し、海外留学先では政治学を学ぶ。 日本の力を生かして途上国の経済発展に寄与したいとの思いを持ち、2021年に入社。 以降、実務の基礎となる計数業務 及び 海外でのインフラ事業投資案件に従事、日々奮闘中。
「将来の“なりたい自分”がまだわからない」ーーそんな悩みを抱えるみなさんに、いろんな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#お仕事図鑑」。
今回は、繊維やエネルギー、化学品、住生活など幅広い分野のビジネスをグローバルに展開する大手総合商社「伊藤忠商事株式会社」で働く先輩社会人にインタビュー。
海外でのインフラ事業投資案件に従事する長田こころさんに、学生時代のお話や就活中にやってよかったこと、現在の仕事内容など入社2年目の視点から話を伺いました。
――どのような学生時代を過ごしていましたか?
大学1〜2年生の2年間ヨーロッパへ海外留学し、経済学と政治学を学んでいました。幼少期を海外の途上国で過ごした経験から、格差が生まれる原因について関心を抱いていたんです。問題の根源となる政治について深く学びたいと思い、大学での勉強に励んでいましたね。学業の他には、中学生から始めたサッカーを留学先でも継続して行っていました。
――留学を経験し、ご自身にとってどのような変化がありましたか?
大学入学当初は政治に直接関わる仕事に興味を抱いていましたが、留学を経て「勢いのあるビジネスを通じて世界を変えてみたい」と思うようになりました。貧困や格差問題を改善するためには「政治にまつわる仕事よりも、民間企業の力を使ったほうが変化をもたらせるのではないか?」と勉強する中で感じるようになったからです。総合商社を志望するきっかけにもなったと感じています。
――就活では幅広い業界・業種を見ていたのでしょうか?
そうですね。インフラ事業に携わりたいと思っていたので、総合商社は第一志望でした。そのほか、「インフラ」を切り口に幅広い企業を見ていました。
――伊藤忠商事に入社を決めた理由を教えてください。
正直とても迷っていたのですが、最終的に伊藤忠商事に決めた理由は「現場に出向くことが多いから」でした。政府系金融機関も見ていたのですが、より現場に寄り添いながら先方のニーズを汲み取れる機会が多いと感じて入社を決めました。
――就活中にやって良かったことを教えてください。
OB訪問です。商社だけではなくさまざまな業界の先輩方30〜40人ほどに話を聞きに行きました。興味のある業界の話をたくさん聞かせてもらえたおかげで、その中でも特に関心がある業界・職種へと絞れるようになったと感じています。
志望する会社や業種が完全に決まっている方もいるかとは思いますが、OB訪問はできるだけ幅広く話を聞くのがおすすめです。業界の勉強になりますし、志望動機が話しやすくなりますよ。
ただ私の場合、魅力的な話を伺う中で「どの業界・職種に行くべきか」と迷いの原因にもなってしまいました。ある程度話を聞いて、自分の行きたい軸を作れるようになれるといいですね!
また就活中はまわりの人の「〇〇に内定が決まった」との報告を聞き、焦ってしまいがちです。今振り返ると、私はまわりの情報に惑わされている時間が一番もったいなかったと思います。
周囲の状況をキャッチアップすることも必要ですが、焦りを感じてしまったり、「これは私には合わないかも」と思ったりするのならば、一旦情報収集をストップする気持ちも忘れないようにしましょう。自分に集中するのが何よりも大切です。
――総合商社を受ける上で大切なことはなんだと思いますか?
限られた面接の中で良い印象を与えるために、論理的にスパッと回答ができる準備をしておくといいですね。就活は特殊な場なので、自分の考えを整理してどのようなロジックで結論に至ったのかを考え、話す練習をしておくのがおすすめです。
――1年目から現在の仕事について教えてください。
海外のインフラ事業投資を行っている部署に配属され、1年目は主に課の決算を担当していました。損益計算書(PL)や貸借対照表(BS)からどのくらい儲けているのかなど、幅広い案件の進捗管理と共に確認をしていきます。会計の基礎を勉強する一年間でした。
各部署によって変わりますが、私の場合2年目では変わらず決算管理の仕事を継続しつつ、案件の比重が増えました。現在はベトナムのコンテナターミナルの案件を担当しています。残念ながらコロナの影響で海外の現場に行く機会は今のところありません。ただ、少しずつ規制が緩和されているので、今後出向く機会が増えてくるのではないか?と期待しています。
――「決算」と聞くと難しそうな印象です……!社内のサポート体制について教えてください。
研修を経て配属後も指導社員の方がいて、丁寧にフォローをしてくれます。私も入社してから驚きましたが、社内全体が「教えよう・育てよう」といった風土があるんです。一つ一つ丁寧に教えていただいているので、安心して業務に取り組めるかと思います。
私は大学で会計の知識については全く触れていません。内定した後の研修や実践を通して学べるので、学生のうちから資格取得や会計について必ずしも勉強していければならないことはありませんので安心してくださいね。
――仕事の面白さを教えてください。
まずは「好奇心が満たされること」です。1年〜2年目は全てが新しいことだらけで、慣れるまでに時間がかかると思います。聞いたことのない用語だったり、会議の内容がわからなかったり。ですが、それらを教えてくれる上司の話を聞きながら勉強していると、「そういうことか!」「初めて知った!」と、どんどん新しい知識が増えて、好奇心が満たされるんです。新しいことを知っていける面白さを感じています。
他には、文化や価値観の違う人たちとのコミュニケーションです。案件業務では海外の事業会社の方と密にコミュニケーションをとる毎日です。温度差や価値観の違いがあるため、やりとりが難しいと感じる場面もあります。しかし、個人的には違いを感じながらコミュニケーションをとるのが楽しく、日々の頑張る原動力にもなっていると思います。
――やりがいに繋がった印象に残っているエピソードはありますか?
まだ現場に出向いたことがないため、あくまで東京のビル内で働いている2年目の経験になりますが、毎日のアウトプットが上司に認められるところにやりがいを感じています。頑張ったことに対してしっかりと評価してもらえるのが嬉しいですね。
おそらく現場に出向いたら、自分の成果を肌で感じられることが多いと思います。今後そのようなやりがいに繋がる経験ができることも楽しみにしています。
――この仕事に求められるスキルを教えてください。
数字に対する抵抗のなさや、数字感を掴める感覚は必要なスキルになると思います。会計の知識を得るのはもちろんですが、サッと財務諸表を読んで、「この企業は今どんな状態にあるのか」と把握できるようになることが必要だと感じました。
他には調整力や、相手の立場で物事を考えられるかどうか。「この人は今何が必要なのか」と、鋭い観察力で把握し、求められている情報を提示できる力は必要ですね。総合商社はさまざまな人がいて、さまざまな意見があります。私もうまくリードをとって進められるよう、これからもスキルアップしていけたらと思います。
――ありがとうございます。最後に学生へメッセージをお願いします。
就活は横並びの「よーいドン」で一斉にスタートします。まわりの状況が気になって焦ってしまう人も多いはずです。しかし、就活の時間は限られています。準備をすればするほど有利になってくると思うので、行きたい業界が見つかったら、まわりに流されないで集中して準備をしてください。皆さんの就活を応援しています!
※記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。
文:田中青紗
編集:学生の窓口編集部
取材協力:伊藤忠商株式会社