「ねえ。私、やりたいこと見つかったかもしれない」 母親にそう告げたのは、大学三年生の夏だった。…|エッセイ企画「#Z世代の目線から」キーワード:目標
エッセイキーワード:目標
エッセイタイトル:『女子大生、夢をもつ。』/著者:さつき さん
1294文字/4分くらいで読み終わります。
「ねえ。私、やりたいこと見つかったかもしれない」
母親にそう告げたのは、大学三年生の夏だった。
いつも成績は学年で真ん中ぐらい。
なんとなく決めた高校に進学し、なんとなく決めた大学に入学した。
大学生になってからは、家から学校とバイト先を行き来するだけの毎日。
授業にはちゃんと出席していたし、友達もいた。
凄く不満があったわけじゃないが、同じことを繰り返す生活はつまらなかった。
そんな私は大学三年生になり、周りで「就活」の話題が上がるようになった。
そこで私は気づいてしまった。
21年間、「目標」を持ったことがなかったということに。
思えば、この大学に進学した理由は「試験に受かったから」だった。
「大学生」になりたかっただけで、それがあればどこでもよかった。
いや、大学生になりたかったのも、
高校の先生や家族が「大学いくよね」という雰囲気だったからで、
自分の意志はなかった。
周りがそういう私を望んでいると思ったから。
ただ、大学に行かない理由もなかった。
他にやりたいことも無かったからだ。
だから、大学に進学した。
そうやって、私はなんとなく敷かれたレールの上を走ってきた。
どこへたどり着いたらいいのかもわかっていないのに。
そんな私を変えたのは、一つのドラマだった。
好きな俳優が出ると聞いて、『男コピーライター、育休をとる。』
というドラマを見た。
タイトルの通り、主人公の男はコピーライターに従事しているのだが、
子どもができたために育休を取り、妻と子育てに奮闘するというお話。
この物語のメインはどちらかというと「育休」の方なのだが、
節々に「コピーライター」のシーンが垣間見える。
そこで初めてコピーライターを知った私は思った。
「やりたい」と。
そのドラマを一気見したあと、すぐに出かける準備をした。
知っている中で一番大きな本屋へ行くためだ。
準備が終わってリビングへ行くと母親がいたので、
やりたいことが見つかったという話をしてみた。
「いいじゃん」と興味がなさそうに返事をしていた。
普段なら文句を言いたいところだが、この時はどうでもよかった。
人生が変わるかもしれないと思うと、衝動を抑えられなかった。
母親のリアクションを気にしている場合ではない。
その後、私は目的の本屋に行き、買ってきた本を読みふけった。
コピーライティングとは、コピーライターとは、を知れば知るほど
やりたいという気持ちは大きくなった。
「コピーライターになりたい」が私の夢になった。
こんな私でも目標を持つことができたと思うと、嬉しくてたまらなかった。
それから一年が経ち、私は4年生になった。
就活を無事に終え、なんとか未来を見据えられるようになった。
この一年間、学業と並行して少しずつコピーライターについての勉強をしてきた。
一年前の気持ちは、今でも忘れていない。
就職先はコピーライティングと特に関係があるところではないが、
まぁ、少し遠回りするのも悪くないだろう。
今まで決められた道だけを歩いてきたのだから。
| 著者:さつき さん |
| 学校・学年:近畿大学 4年 |
| 著者コメント:テーマが「目標」ということで、一年前の経験を書いてみました。「人生、何が起こるかわからない」「目標を持つのは難しいけど、素晴らしい」ということが少しでも伝わればいいなと思います。 |
エッセイに共感したらシェアしよう!
「#Z世代の目線から」7月期エッセイコンテストの結果と総評はこちら
==============
あなたもエッセイを書いてみませんか?11月のキーワードは“ほっとするもの”
























