ブロックチェーンの仕組みを一言でわかりやすく解説! 仮想通貨のこととは違うの?
ブロックチェーンという言葉を聞くようになり、気になっている人も多いでしょう。
ニュースやネット記事でも見るこの言葉は、聞いたことはあっても意味を理解していない方も多いはずです。
さらに、ブロックチェーンと聞くと仮想通貨をイメージして、少し疑惑の目を向けている人もいるかもしれません。
ブロックチェーンを仮想通貨そのものだと誤解している人が多いですが、ブロックチェーンは仮想通貨を扱う上で必要な技術のことです。
ここでは、ブロックチェーンについて簡単に説明していきます。
ビジネスや日常生活にまで浸透しつつあるブロックチェーン。
今のうちに理解しておきましょう。
ブロックチェーンを一言でいうと?
ブロックチェーンを一言でいうと、「絶対に偽造不可能なデータを保持する技術」のことです。
前述したとおり、ブロックチェーンは仮想通貨そのものではなく技術のことであり、このブロックチェーンがあるからこそ、仮想通貨がなりたっています。
元々はビットコインが流通するときに同時に開発されたもので、この技術のおかげで、ビットコインは「実質偽造不可能な通貨」として普及しました。
そのため、いかがわしいものではありません。
ブロックチェーンへの印象ががらりと変わりますね。
ブロックチェーンの仕組みを図解で説明!
ブロックチェーンの仕組みについて、簡単に図解で説明します。
ブロックチェーンは、情報をブロックでつつみ、そのブロック間を鎖(チェーン)でつないだ仕組みになっています。
このチェーンでつながっているブロックの中には、新しく書き込まれる取引のデータと、前に繋がっているブロックの情報が書かれてあり、下図のように情報が連鎖していく仕組みになっています。
画像内にある「ナンス値」と呼ばれるものは、次のブロックに書き込む情報の計算式を表しているような値です。
たとえば、悪意ある誰かが情報Bを改ざんする場合を考えましょう。
その場合、情報Bのブロックだけではなく前後、さらにはその前後のブロックも改ざんしていく必要があります。
画像でみてわかるとおり、情報Bのブロック内だけではなく、前情報である情報Aの内容、さらには情報Aに書き込まれている前のブロックの情報…と、すべての情報を書き換えないといけません。
さらに、ブロックチェーンは「分散型台帳」という仕組みをつかうことで、一元的に管理するのではなく、複数のデータ保持者がいて管理されています。
つまり、下図のとおりに情報が散らばっているのです。
一つのブロックチェーンを改ざんしても意味はなく、ほかで保持されているデータも改ざんする必要があります。
このように、すべてを改ざんするには膨大な計算量やパソコンが必要になってくるので、実質データの偽造が不可能であるシステムになっています。
ブロックチェーンの活用場所
ブロックチェーンについてわかってきたと思います。
ここからは、実際にブロックチェーンが活用されているものについて紹介していきます。
ブロックチェーンは前述したとおり、偽造不可能なデータの保持が可能なので公正な取引ができるところが長所です。
仮想通貨のために開発されたので、仮想通貨ばかりが目立っていますが、実際にはいろいろな場所でブロックチェーンの技術が活躍しています。
- 1.ブロックチェーン×ゲーム
- 2.ブロックチェーン×ビジネス
1.ブロックチェーン×ゲーム
ブロックチェーンベースで開発されたゲームが近年、流行しています。
ゲーム好きであれば聞いたことがあると思いますが、実際にどんなゲームなのか知っている方は少ないかもしれませんね。
仮想通貨を使って遊ぶゲームなので、実際の仮想通貨や電子ウォレットなどを利用する必要がありますが、普段から仮想通貨の取引をしている方であれば問題ありません。
ゲーム自体も、スマートフォンでアプリをインストールするだけで良いので、初心者でも簡単に入門することが可能です。
ブロックチェーンゲームが既存のゲームと異なる部分は、一元管理ではなく分散管理されていることです。
つまり、既存のゲームの場合、ゲーム会社がアプリやゲームを消去すれば、これまでゲーム内で稼いでいたアイテムやキャラクターも同時に消去されていましたが、ブロックチェーンゲームは複数でデータが保持されているため、たとえゲームが消去されてもアイテムやキャラクターは資産として持ち続けることができます。
この資産をユーザー同士で取引し、実際に稼いでいくこともできるため、ブロックチェーンゲームは遊びながら稼げるゲームとしても人気を集めています。
2.ブロックチェーン×ビジネス
経済産業省が発表した「我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査)」によると、実際に海外ではブロックチェーンを利用した事業展開がなされており、国内でも少しずつ活発化されるようになってきました。
アメリカを代表する株式市場の「NASDAQ(ナスダック)」では、ブロックチェーン技術を利用した未公開の株式取引システム「NASDAQ Linq」を発表しています。
このように、海外では積極的にブロックチェーン技術が取り入れられており、日本でも活発さを求められています。
経済産業省は、ブロックチェーン技術が活用される将来有望な技術について、以下のとおり発表しています。
- ・価値の流通・ポイント化・プラットフォームのインフラ化
- ・権利証明行為の非中央集権化の実現
- ・遊休資産ゼロ・高効率シェアリングの実現
- ・オープン・高効率・高信頼なサプライチェーンの実現
- ・プロセス・取引の全自動化・効率化の実現
事業が展開できるよう政策の見直しも考えられており、国全体でブロックチェーン技術を積極的に活用できるよう、動いているのがわかりますね。
ジャニーズがブロックチェーンに手を出した!
実際に、ジャニーズがブロックチェーン技術を取り入れた事でも最近は話題になっています。
2022年3月、公式HPで発表されたのが「チケット転売防止のために、ブロックチェーン技術を利用したチケット購入方法」です。
ブロックチェーン技術を利用すると、個人の取引履歴が保存されることになるので、転売防止に繋がります。
なぜなら、誰かにチケットを譲ったというデータも保存されるので、一度でもしていると転売認定されるようになるからです。
このように、日本でもブロックチェーン技術が活用されてきており、日常生活に浸透するのもすぐそこだということがわかりますね。
ブロックチェーンはどこにでも活用できる情報保持に長けた技術!
ブロックチェーン技術は仮想通貨と結びつかれており、あやしげなイメージを持っている人も多いでしょう。
実際は、情報を保持するための技術であり、インターネット以来の技術革新だと言われるほど重要度が高い技術です。
ブロックチェーン技術は、海外では積極的に活用されており、国内でも少しずつ実証実験が試されるようになってきました。
まだまだ浸透するには時間がかかるかもしれませんが、近い将来当たり前のようにブロックチェーンという言葉を聞くようになるかもしれません。
今のうちに理解しておき、デジタル化やIT化されていく現代に追いついていきましょう。