ユニコーン企業とは? 海外や日本の例、アンチテーゼを掲げるゼブラ企業とは?

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「ユニコーン企業」とは、簡単にいうと短期間で大成功したベンチャー企業のことです。

経済雑誌で「今話題のユニコーン企業10選」のような特集が組まれることもあります。ユニコーン企業について調べると、ここ10年のビジネスの流行について知ることができます。

世界のユニコーン企業や日本のユニコーン企業について、簡単にでいいので押さえておくといいでしょう。

ここでは、ユニコーン企業の意味や世界と日本のユニコーン企業について紹介します。

ユニコーン企業とはわかりやすくいうと大成功したベンチャー企業

ユニコーン企業とは、企業評価額が10億ドル以上で、設立10年以内の非上場ベンチャー企業のことです。

わかりやすくいうと、「大成功したベンチャー企業」「大成功したスタートアップ企業」のことになりますね。

ユニコーン企業と呼ばれるには、

  • ・株式市場に上場していないこと
  • ・企業評価額が10億ドル以上であること
  • ・設立して10年以内であること

の3つの条件を満たす必要があります。

3つの条件全てを満たすベンチャー企業は珍しいため、伝説上の生き物である「ユニコーン」の名前を冠しています。

「ユニコーン企業」の名称を最初に使ったのは、カウボーイ・ベンチャーズの創業者アイリーン・リーと言われています。使い始めた時期は、2013年だそうです。

デカコーン企業は企業評価額が100億ドルを突破したユニコーン企業

ユニコーン企業より希少な存在のベンチャー企業にデカコーン企業があります。

デカコーン企業とは、ユニコーン企業の中でも企業評価額が100億ドルを突破した企業に使われる名称です。

デカ(deca)は国際単位系で単位の上につけて10倍を表します。ユニコーン企業の10億ドルの10倍なので「デカコーン」というわけです。

デザインプラットフォームサービスを提供する「Figma」がデカコーン企業ですね。

関連サイト:デザインプラットフォーム「Figma

ヘクトコーン企業は企業評価額が1000億ドルを突破したユニコーン企業

デカコーン企業のさらに上をいくベンチャー企業が、ヘクトコーン企業です。

ヘクト(hecto)は、国際単位系で単位の上につけて100倍を表します。ユニコーン企業の10億ドルの100倍、1000億ドル以上を企業評価額にしているベンチャー企業を「ヘクトコーン企業」と呼びます。

ヘクトコーン企業は、TikTok運営会社の「ByteDance(バイトダンス)」です。ByteDanceは、2021年時点でユニコーン企業ランキング1位の企業です。

ユニコーン企業のアンチテーゼ?ゼブラ企業とは

ゼブラ企業とは、SDGsや共存性、協力などを主軸においた企業活動をする企業のことです。

  • ・単独で行動するユニコーンに対する群れで行動するシマウマ
  • ・華やかなスタートアップに対するモノトーン(シマウマの白黒模様)

のイメージから「ゼブラ企業」と総称されています。

ユニコーン企業が軽んじているとされる「社会的意義」などを重視することから、ユニコーン企業のアンチテーゼと言われています。

海外のユニコーン企業の例

海外のユニコーン企業にはこのような企業があります。

  • ・TikTokの「ByteDance(バイトダンス)」:1,400億ドル
  • ・アメリカのオンライン決済サービス「ストライプ」:950億ドル
  • ・アメリカの宇宙開発企業「スペースX」:740億ドル
  • ・スウェーデンの後払い決済サービス「クラーナ」:456億ドル
  • ・オーストラリアのデザイン制作サイト「キャンバ」:400億ドル

参考:JETRO ビジネス短信「世界のユニコーン企業数は800社超、米国と中国が全体の7割を輩出(米国)

どの企業のことも聞いたことがあるのではないでしょうか。

ユニコーン企業の数はアメリカがトップ

JETRO ビジネス短信「世界のユニコーン企業数は800社超、米国と中国が全体の7割を輩出(米国)」によると、世界のユニコーン企業の数はアメリカがトップだそう。

  1. 1.アメリカ
  2. 2.中国
  3. 3.インド
  4. 4.イギリス
  5. 5.イスラエル

の順でユニコーン企業を輩出しているとのことです。

アメリカも中国も未上場企業に対する「リスクを覚悟の上で提供する資金」を提供する場が多く、ベンチャー企業が必要な資金を得やすい環境にあります。

ベンチャー企業が育つための制度も日本よりも格段に整っており、ユニコーン企業が育ちやすい土壌があるのです。

2021年12月|日本のユニコーン企業11社

2021年12月時点では、日本にも11社のユニコーン企業があります。

  • ・3,549億円:株式会社Preffered Networks
  • ・2,017億円:スマートニュース株式会社
  • ・1,731億円:株式会社SmartHR
  • ・1,641億円:株式会社TRIPLE-1
  • ・1,336億円:株式会社TBM
  • ・1,312億円:Spiber株式会社
  • ・1,299億円:株式会社クリーンプラネット
  • ・1,248億円:リキッドグループ株式会社
  • ・1,244億円:株式会社Mobility Technologies
  • ・1,117億円:GVE株式会社
  • ・1,026億円:株式会社HIROTSUバイオサイエンス

データ引用:STARTUP DB 国内スタートアップ評価額ランキング最新版(2021年12月)

1位の「株式会社Preffered Networks」は、深層学習により、あらゆる産業分野に技術革新をもたらそうとしている企業です。

2位以下のスマートニュースや3位のSmartHRなどは、アプリ利用などで馴染みがある企業ではないでしょうか。

日本にユニコーン企業が少ない理由とは

日本にはユニコーン企業やユニコーン企業になり得るベンチャー企業が少ないと言われています。

それは、ユニコーン企業が育っているアメリカや中国に比べて、ベンチャー企業が育つための制度が整っていないためです。

ユニコーン企業になるための資金調達の場が少ない

代表的な理由としては、「ベンチャー企業が資金調達する場所がない」ということが言われています。

「資金提供してもリターンがない可能性があるが、将来性を買ってあえて投資する」ことを「リスクマネー」といいます。日本はこのリスクマネーを供給できる場がほとんどなく、ベンチャー企業の多くが、多額の資金を得るために株式市場への上場の道を選びます。

ユニコーン企業は、未上場であることが条件です。上場した時点で条件を満たさなくなってしまいます。

ユニコーン企業を作りたい人が気軽に起業できない

起業を志し、実際に起業したとしても成功するとは限りません。

起業に失敗してしまったとき、もう一度企業に就職しようとしても再就職の道は厳しく、再起業を志したところで資金集めに苦労する未来が待っています。

また、起業家に対する世間の目が冷たいということも理由の1つと言われています。

日本のユニコーン企業も増えてきている

日本は起業文化がなく、ユニコーン企業が育ちにくいとは言われていますが、数は少なくとも日本にもユニコーン企業が存在します。

ビジネスコンテストなど、学生時代にできる起業準備もあります。アイデアがあるなら起業前にビジネスコンテストに参加してみるのもいいでしょう。

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