【お仕事図鑑】Googleに入るために必要な4つの要素とは? Google人事部の仕事に迫る #Google合同会社
グーグル合同会社人事部採用チームマネージャー
2012年に新卒で入社、広告営業業務に携わった後に 2014年より人事部所属。現在は、新卒・中途採用戦略業務やチームマネジメント等に携わる。Google の働き方や人事制度に関して外部向けに講演するプロジェクトも積極的に関与している。
世界有数のIT企業であるGoogle。読者の大学生の中には、「将来Googleに入りたい」という人も非常に多いでしょう。
しかし、実際にGoogleで働くといっても、どのような仕事があり、どんな働き方をしているのかを知る機会はなかなかありません。
今回はGoogleで「人事」の業務を担当している玉木尚宏さんに、Googleの人事とはどんなことをするのか、またGoogleで求められる人材についてお話を伺いました。
▼INDEX
1.Googleの人事は採用判断に直接関与しない
2.多様性に触れる仕事
3.自分の地図を好きなように描ける
4.Googleは「Googleらしさ」を持つ人材を求めている
5.Googleは表面上の経験で採用判断はしない
Googleの人事は採用判断に直接関与しない
――玉木さんの仕事について教えてください。
現在は人事部の採用チームのマネージャーをしています。業務としては、日本と韓国の採用関連の戦略立案と施策が担当です。具体的には、新卒、中途問わず、「Googleにフィットする人材を見つけ、興味を持っていただくためのシステム」をつくるチームのマネジメントを行っています。
――「人事部の仕事」と聞いても、何をしているのか分からないという人も多くいます。
まずは営業やエンジニアといった採用を希望する社内のチームの課題や、求められる人材をヒアリングします。各チームがどんな人材を必要としているのかのニーズを把握し、そのニーズに合った人材が応募してくれるよう採用戦略を立てる、というのが主な業務です。
人事部ではありますが、「ビジネスにおける課題を解決する」というコンサルティングに近い仕事です。
――他の企業とGoogleの人事の「違い」はどんなことが挙げられますか?
人事部が面接を行わないことです。面接をするのは、将来一緒に働く機会がある関連部署の社員です。私たちは採用を通してチームメート、つまり仲間探しをしていて、面接は社員と候補者が「お互いを知る場所」です。そこで私たち人事部がするのは採用判断ではなく、候補者の皆さんのサポートです。候補者が最高の力を発揮できるようにするのが我々の仕事です。
――人材のミスマッチを防げそうですね。
そうした意図もあります。人事はあくまで候補者をサポートし、採用評価に関しては現場に任せる方針をとっています。
多様性に触れる仕事
――「Googleの人事ならでは」の特徴を教えてください。
まずは「ダイバーシティ」、多様性ですね。働く上でのさまざまな考え、価値観を持った人と触れ合うことができるのはGoogleの人事ならではだと思います。もちろん、多様な考えや文化を尊重しつつ、Googleとしてのグローバルなビジョンを考えながら採用戦略を打ち立てるのは簡単ではありません。しかし、非常にやりがいのある仕事だと思っています。
また、ひとりひとりが大きな裁量と責任をもって仕事に取り組めることも魅力です。これは人事に限らず、Google全体での特徴ですが、自分の考えを発信しやすい社内風土で、それを自分の手で実行するまでを任せてもらえます。特に人事は企業の「人」という側面で根幹を担う組織ですから、自分が会社に貢献していると実感しやすいですね。
他には、他の国や地域の関連するチームと働くことが数多くあることです。人事部の場合は、アジア太平洋地域での組織構成になっているので、私は日本と韓国のチームのマネジメントをしています。
――グローバルかつダイナミックな仕事ができるのですね。
Googleのグローバルで一貫したビジョン、経営戦略、ブランドを維持しながら、日本や韓国に適した採用戦略を考え、実行するのは面白いです。アジア、ひいては世界といった広い視点を持って仕事ができます。
先ほど多様性の話をしましたが、日本や韓国といったそれぞれの国の特徴を客観的に捉えることができるのも、グローバルな企業であるGoogleの人事ならではでしょう。
自分の地図を好きなように描ける
――Googleで働くことの面白さを教えてください。
やはり多角的な視点を持つことができることではないでしょうか。Googleは「ユーザーファースト」の精神を持っていますが、ユーザーを幸せにするためには、サービスを提供する社員がまず幸せでないといけないという考えがあります。そのために、Googleは社員を支援することを惜しみません。これが、結果的にユニークな社員を集め、生み出すことにもつながっているのではないでしょうか。
また、キャリア形成においてもGoogleらしさがあります。Googleでは、「自分のキャリアは自分で作る」という考えを大切にしています。何かをするように指示されるのではなく、何がしたいのかを聞き、それに応じた道を自分で作る。自分の地図を好きなように描けるのがGoogleの魅力ですね。
Googleは「Googleらしさ」を持つ人材を求めている
――Googleには、高い技術や優秀な経験がないと入れないと思っている学生も多くいますが、実際にどのような人材が求められるのでしょうか?
決してそのようなことはありません。なぜなら、Google では履歴書など表面上の情報より、候補者一人一人の内面に注目しているからです。またGoogleに入るために何が必要なのかは、実は明確に定義されています。
まずは「問題解決能力」です。決してIQではなく、学習能力、その場でどのように状況を判断し、問題を解決できるかという能力です。例えば、ばらばらになった情報を整理し、解決につなげる能力などがこれに当たります。
もちろん「ポジションで求められる知識・スキル」は必要です。営業であればコミュニケーション能力であったりステークホルダーマネジメントであったり、エンジニアであればプログラミングの知識とスキルなどですね。
また「リーダーシップ」も必要です。といっても、部活で部長をしたなど、「リーダーに就いた経験」ではありません。組織の中で、率先して手を動かせる力です。状況に応じて適切に行動できるかという点が求められます。
最後が「グーグリネス」。これは「Googleらしさ」を意味しています。例えば、困難な状況でも物事を楽しめるか、フィードバックを大事にできるか、現状に満足せずに挑戦できるか、ユーザーファーストの精神、チームに貢献する気持ちなどを指しています。つまりは、Googleの社員らしい行動が取れるかが求められる、ということです。
この4つの要素が面接において判断基準とされ、また、Googleで働く上で重要であると考えています。
Googleは表面上の経験で採用判断はしない
――Googleに入りたいという大学生も多くいます。何かアドバイスをいただけないでしょうか。
Googleは結果だけの表面上の経験で採用判断はしません。どう考えどのように判断し、活動したのかという内側を見るようにしています。知識やスキルにおいても、どのような目的で、どういった経緯で身に付けたのかといったストーリーを重視しています。例えば、英語も決してネイティブレベルが求められるものではありません。
――学生のうちにどのような経験をすればいいですか?
ぜひ、自分自身について考え、興味のある分野を探求する経験をしてほしいです。
単に経験を積むのではなく、いろんな文化や知識に触れたり、興味のあることをとことん追求してほしいですね。大前提として、就職活動やキャリアに正解・不正解はないと思います。自分が納得できるかどうか、これに尽きます。
自分が好きなことに向き合い、自分らしく生きる、自分の持っているものを最大限に出せるよう取り組んでほしいですね。
――ありがとうございました!
※記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。
編集後記
今回はGoogleの業務のひとつ、「人事」の仕事に迫りました。
採用判断ではなく候補者のサポートをすることがメイン、一般的な人事の仕事とは異なる特徴を持っているGoogleの人事。玉木さん自身もGoogleの持つユニークさに引かれ、新卒でGoogleに入社したとのこと。
Googleに入りたいと思っている人は、表面上の経験ではなく、今一度「自分らしさ」を振り返り、自分にしかできない経験を積んでみてはいかがでしょうか? 自分らしいストーリーがこの先の道を切り開くかもしれませんよ。
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編集:学生の窓口編集部
取材協力:Google合同会社