「なりたい自分の憧れを見に行く」まるりとりゅうがが考える10代の過ごし方 #19才のプレイリスト
人生はきっかけの連続だ。だからこそ、自分のやりたいことをどう選べばいいのかわからない。今何をするべきなのか迷ってしまうという大学生のために、「音楽」という道を選んだアーティストに直撃し、19才の頃に聴いていた楽曲を元に人生観を語っていただく連載『#19才のプレイリスト』。
今回は、男女ユニットまるりとりゅうがに本企画2回目のインタビュー。2021年1月にファンクラブを発足させ、6月30日には待望のフルアルバム「まるりとりゅうが」をリリースするおふたりがコロナ禍を経て考えていることや、夢に向かって前進する大学生へのアドバイスを語ってもらいました。
文:於ありさ
写真:島田香
編集:学生の窓口編集部
▼INDEX
1.音楽ができる理由とありがたさを実感した1年
2.「まるりとりゅうが」の名刺代わりになる1枚
3.憧れの場に足を運んで夢に近づく
音楽ができる理由とありがたさを実感した1年
――昨年10月にインタビューをしてから8か月が経ちました。「まるりとりゅうが」としてのトピックがあれば教えてください。
Ryuga:世の中の状況が変わり続ける中で「まるりとりゅうが」としてできることを模索しながらやっていたら、あっという間に1年が過ぎました。その中でフルアルバムの制作に時間を充てることができて、納得のする1枚ができたのは大きいですね。
MaRuRi:わたし的には、ファンクラブができたことが大きかったですね。ずっと作りたかったファンクラブが形になったことで、ファンの方がいることを実感できましたし、自信にもつながりました。
Ryuga:あとはデビュー以来やってきたイベント「まるりとりゅうがのへや」を開催できたのも嬉しかったですね。ファンの人に会うことができなかった期間を経て、皆さんの前で久しぶりに演奏したときに「僕たちが音楽をできているのって、応援してくれてる方がいるからなんだな」って改めて実感しました。
MaRuRi:「まるりとりゅうがのへや」は、たくさんの方というよりも、1人1人の顔が見えるくらいの距離感でライブができるので、すごく好きな空間なんですよね。
Ryuga:今回から少し構成も変えたんです。今まではファンクラブミーティングというような立ち位置だったのですが、来てくださる方によりライブ感を楽しんでもらいたいという思いで、生演奏を基本としたアコースティックライブのような場に。自分達としても挑戦ではあったのですが、10公演やり切った今は僕たち自身も楽しめたいいライブだったなと振り返ります。
MaRuRi: Ryugaくんのギターとわたしの声だけで空間を作れたのは新鮮でしたね。ファンの方からも「すごく楽しかった」って言ってもらえました。もしもこれからわたしたちが大きくなっていったとしても、この「まるりとりゅうがのへや」という場所は大切にしていきたいですね。
――実際にライブをしてみて、何か感じたことはありましたか?
MaRuRi:配信ではなく、生歌だからこそ伝えられる感じてもらえることはあるなと再確認しました。だから、帰り道に「来てよかったな」と思ってもらえるようなライブにしたいと言う気持ちが一層強まりましたね。
Ryuga:今回久々に生歌を披露して、「もっとライブがしたくなった」というのは、正直なところです。アルバムを作りながらも「ライブでやったらかっこいいだろうな」っていうアイディアはたくさん浮かぶのに、それが思うようにできないっていうのはもどかしかったので。フルアルバムを提げたライブも早くやりたいですね。
「まるりとりゅうが」の名刺代わりになる1枚
――フルアルバム「まるりとりゅうが」はどんな仕上がりになりましたか?
Ryuga:「まるりとりゅうが」の名刺代わりになるような、最強メンバーを揃えたようなアルバムに仕上がっています。1stフルアルバムにして、ベストアルバムかのような、1曲1曲が全部表題曲のようなアルバムになりました。このアルバムで広がっていけたらいいなと思います。
MaRuRi:今までの楽曲を通して気づけたまるりとりゅうがらしさが凝縮されているんじゃないかなと思います。ファンの方だけでなく、まるりとりゅうがを知らなかった方にも聞いてほしいと思っています。
Ryuga:そうだね。聞いてもらいさえすれば「いいな」と思ってもらえる自信はあるので、とにかくいろんな方に広げていきたいですね。
――おふたりが現時点で考える、まるりとりゅうがらしさって何だと思いますか?
Ryuga:制作する上で1つの軸として考えているのは、寄り添えるような楽曲、聞いてくれる人の相談相手になるような楽曲ということです。男女ならではのハモリや掛け合いはもちろん、男目線でも女目線でも、男女がいる楽曲でも歌えるのは、他のアーティストじゃできないようなアドバンテージだと思っています。「失恋曲といえば、まるりとりゅうがだよね」と言ってもらえるようになったら嬉しいですね
MaRuRi:うんうん。いろんなことを題材にできるのが強みだというのは最近気づきましたね。あと、個人的にはユニゾンで歌っている時の音色がとても心地よいので、そこも魅力かなと思います。
Ryuga:僕が作った楽曲を2人で歌うとか、AメロBメロは僕で、サビからMaRuRiが入ってくるみたいなのは、この3年間でみんなの中でしっくり来たことっていうのはあるよね。昔はあまり深く考えずにいたことが「まるりとりゅうが感」って言ってもらえるのは、本当にありがたいですね。
――大学生におすすめの曲はどれですか?
MaRuRi:「らしく」ですかね。ポジティブになれると思います。
Ryuga:大学生で何かに対して頑張っているとか、応援してほしいという方には間違いなくおすすめです。ライブでのイメージがすでにできているので、早くライブでやりたいですね。
憧れの場に足を運んで夢に近づく
――おふたりの「自分を変えた一曲」があれば教えてください。
Ryuga:僕はback numberさんの「花束」ですね。僕の描く切ない表現は、少なからずback numberさんからの影響を受けている気がするのですが、そんなback numberさんとの出会いの曲なので。 back numberさんの曲って、いろんな方がカバーされてますけど「あの声で聞きたい」と戻っちゃうのってback numberさんの強さだと思うんです。彼らのような「この人たちの声で聞きたいと思ってもらえるようなアーティストになろう」と思えたのも大きいですね。
MaRuRi:わたしは、加藤ミリヤさんの「19Memory」かな。全然うまくいっていなかった時に、渋谷の真ん中で聞いて「こんなに今のわたしを表す曲あるの?」っていうくらい共感しました。 特に「毎日つまらない笑ってない いつも寂しい わたしの居場所はない」を聞いた時に、こんな風に悩んでるのって、わたしだけじゃないんだって思えたんです。
――当時のことを振り返って、10代、または学生のうちにやっておいたほうがよかったことがあれば教えてください。
Ryuga:目指しているものの、現場に行くことですかね。僕の場合は、実際に活躍しているアーティストの方が大きな会場でライブをしているのを見にいきました。こんな風に影響力を与えているんだとか、こんな風に感動を与えてるんだというのを見て、やりがいのある仕事なんだなって改めて思うことができました。
MaRuRi:憧れの人を見つけることは大切ですよね。わたし自身、どんどん若いアーティストが登場して、もう若くないなと思ってしまうこともあるのですが、今が1番若いってことには変わりないので、憧れの人を見つけてとにかく真似してみることって大事かなと思います。芸能人でも、身近な人でもいいので。もしその人のインタビュー記事などがあれば、そういうのを読むのもおすすめです。
――ありがとうございます。最後に、学生の方にメッセージをお願いします。
MaRuRi:学校に行っている時って、夢に向かって頑張るよりも友達と過ごす時間を大切にしちゃうことが多いと思うんです。でも、それでいいと思うんですよね。卒業してみると、その時の思い出ってたくさん残っているので。今は状況的には難しいかもしれませんが、自分と向き合いながらまるりとりゅうがの「らしく」という曲を聞いて、自分だけが大変だと思いすぎず楽しく過ごして欲しいなと思います。
Ryuga:学生時代って将来を考えることが多いと思うんです。でも、今は時代が変わっていて、“これになるためには”の道がたくさんあると思います。0からでも大きくなれるし、自分がやりたいことを突き進めていけば、賛同してくれる人がどこかにいる。好きなことを仕事にしようって、最初はいばらの道だと思います。僕も「お前、大丈夫?」って言われていました。でも、レール通り進んだとしても幸せだとは限らないんだから、後悔しない道を選ぶのがいいと思います。