自分の幸せに正直であれ。ACE COLLECTIONが提案する「目をつぶらない」生き方 #セルフライナーノーツ
就活を始めようにも、どの企業を志望すればいいのかわからない 。自己分析を重ねて、興味の持てる企業や業界を見つけたとしても、本当にこれでいいのだろうかとつい迷ってしまう。「進路を決める」という行為の重大さを前に、どうしても萎縮してしまう、最後の一歩が踏み出せない、という人は少なくないのではないでしょうか。
1996~97年生まれの4ピースZ世代バンド・ACE COLLECTIONは、結成からの3ヶ月間、YouTubeで毎日カバー動画を配信。SNSでの口コミをきっかけに人気を集めると、昨年4月、「1000人規模のライブハウスで初ライブを行い、チケットをソールドアウトさせる」という当初からの目標を異例のスピードで達成しました。さらにこの春、4月8日にはミニアルバム『L.O.V.E.』でメジャーデビューします。
バンド自身を冷静に分析し、ブランディングしてきたACE COLLECTIONの「セルフプロデュース力」、そして「決断力」の秘訣 とは? メンバーのみなさまにお話を伺いました。
【INDEX】
1.自分たちが満足できる曲をその都度出していける人生」にしたい
2.学生時代は「自分の幸せに必要な条件」を見つけるのに最適な時期
3.迷ったら記憶に残るほうへ。全力で立ち向かった経験は人生の財産になる
「自分たちが満足できる曲をその都度出していける人生」にしたい
-メジャーデビューおめでとうございます! 今の心境を聞かせてください。
RIKU(Dr.):率直にうれしいですね。俺らもついにメジャーデビューするんだなぁと。インディーズでもプロはプロですし、僕ら自身、 メジャーデビューすること自体にこだわって活動してきたわけじゃないですけど、それでもやっぱりうれしかったです。
LIKI(Gt.):応援してくれる人や制作に携わる人が増えた分、その人たちと喜びを共有しあいたいなぁという気持ちが前よりも強くなって。「もっと売れたい」「もっと大きくなって広いところで演奏したい」っていう欲が出てきましたね。「よし、頑張るぞ!」って気合いが入ってます。
奏(ba):責任感と緊張感とプレッシャーが増しました。今後、「楽しい」だけじゃやっていけない部分は出てくるだろうし、想像とのギャップだってよくも悪くもあるだろうし。でも結局自分たちは自分たちなので、僕ららしくやっていこうかなって思ってます。
たつや◎(Vo&Gt.):やっぱりメジャーデビューっていうのは一つの節目じゃないですか。だからこそ、ACE COLLECTIONとしてちゃんと体制を整えてから、「100%を出せたな」って思える作品を作ったうえでメジャーデビューしたかったんですよ。
なので、僕はこのタイミングで改めて自分を見つめ直しましたね。これって人間あるあるだと思うんですけど、自分があんまり踏み入っていけないところというか、「別に解決しなくても生きてはいけるから、まあいっか」みたいな感じで目をつむりがちな部分ってあると思うんですよ。
そういうところから目をそらすのをやめて、 「俺の書いてる曲これでいいのかな?」とか「4人の活動これでいいのかな?」っていうふうに一つずつ深く考えていきました。
そうしていったときに「俺の書いた曲でメンバーや関係者、ファンのみんなのことを引っ張っていけるんだろうか」「今いる素晴らしいアーテイストさんたちと戦っていけるんだろうか」って悩んじゃって、プレッシャーに押しつぶされそうになったこともあったんですけど……。
でも結局、自分たちがいいと思うものを作って、洗練させていって、それを好きだって言ってくれる人たちが増えるのが一番で。自分たちがもっと自分たちらしく在れれば、って思えたんですよね。
だから 今は「ここにいる全員を幸せにするのは俺の楽曲だ」って思ってます。それはこれまでも常に思っていたことはあるんですけど、その気持ちがより強くなりましたね。
-では、自分たちらしさ、ACE COLLECTIONらしさとはどのようなものでしょう?
たつや◎:それはまだ模索中です。というか、俺たちはずっと変化していたいので、その答えには一生辿り着かないのかなって思ってます。
「ACE COLLECTIONといえばこれだよね」っていうのをあらかじめ決めてその船に乗っかるというよりかは、 4人で常に「こうしたほうがカッコよくない?」「こっちのほうが面白くない?」って話し合いながら、どんどん船をカッコよくしていきたい。
そういう意味では、ときには応援してくださるファンの方々のことを良い意味で裏切りたいと思っているし、考えることはやめたくないですね。
-そうやって冒険するよりも、安定した幸せを手に入れたいとは思わないですか?
たつや◎:あんまり思わないです。この前、LIKIと「たとえばお金持ちになれたとして、俺らはそれで人生楽しいのかな?」っていう話をしたんですよ。それで「いや、楽しくないんじゃない?」っていう結論になって。
たとえば活動方針を「売れる」ことに特化させるとするじゃないですか。そのおかげですっごい広いステージに立てるようになったとして、歌ってるその瞬間は確かに楽しかったとしても、それがずっと続くって考えたら……。自分の言葉で書いたわけじゃない曲を歌ったところで、心の底から「めっちゃ楽しい~!」って言える自信が俺にはなくて。
つまり俺にとっては、「そのときの自分たちが満足できる曲をその都度出していける人生」が一番楽しいっていうことなんですよね。だから、曲が広まったらうれしいし、有名になりたい気持ちもあるけど、その核となる部分を見失っちゃいけないというか。
RIKU:結局「そのときにやりたいことをやる」っていうスタンスを崩さないでいようっていう話だよね。
LIKI:変に人に合わせすぎずにね。 4人がそれぞれ自分にしか作れないものを作っていけば、バンドのなかで相乗効果も起こるし、化学反応も起きるし。
たつや◎:ACE COLLECTIONって、好きな音楽のジャンルやこれまで聴いてきた音楽が4人でけっこうバラバラなんですよ。だからこそ4人が良い意味でぶつかったときに生まれるものがあって、今回のミニアルバム『L.O.V.E.』もまさにそんな作品なんです。
仮にみんなが自我を抑えながら制作をしていったら、効率よく進むだろうし、まとまりのある作品ができると思うんですけど、俺はそこに魅力を感じないかもしれない。
逆に4人で良い意味でぶつかり合うこの感じが続いていけば、この先どの方向に進んでも、人生楽しくなるんじゃないかなって思いますね。それに俺には、「4人の自己満」を「みんなに広まる曲」に変えられる自信もあるので。
学生時代は「自分の幸せに必要な条件」を見つけるのに最適な時期
-ここまでの話を踏まえると、みなさんは、自分を見つめる力、それを踏まえて世間にアプローチする力に長けた方々なのかなと思いまして。そんなみなさんの視点から、進路に悩んでいる学生へのアドバイスをいただきたいです。
奏:そうですね……。まず言いたいのは、就職を考えてる時点で僕たちよりも間違いなくすごいことだと思います(笑)。
全員:ははは!
奏:――っていうのは冗談ですけど、バンドってある種、起業と一緒なんですよ。僕らは誰かにバンドをやらされているのではなく、「こういうバンドを作ろう」と自分たちで決めて、それを4人で作り上げて、「この先どうしようか」っていうのを考えたうえで行き着いた先がメジャーデビューだった、っていうのが現状なので。
「就職する」っていう道を選んだ人には、僕たちには得られない幸せがある。逆に、僕たちの選んだ道にはそれとは別の幸せがある。だからどちらがいいとか悪いという話じゃないんですけど、どんな道であれ、自分が幸せだって感じられるほうを選ぶのがいいんじゃないかと僕個人としては思ってます。
たとえば手取りで15万円しか(給料が)もらえなくても、土日休みで残業がないことに幸せを感じるなら、その道を選べばいい。「残業がいっぱいあってもいいからとにかくお金を稼ぎたい」「お金のために頑張ることが幸せだ」っていう人は違う道を選べばいい。
そういうふうに、とにかく自分に素直になることが大事だし、欲張っちゃってもいいと思うんですよ。不動産サイトで家を探すときみたいに「自分の幸せに必要な条件」にチェックマークを付けて、それが実現できる場所を選んでいけたら、少しは進路を明確にできるんじゃないかと思いますね。
-いっぽう、そもそも自分がなにに幸せを感じるのかがわからない、だから進路を選ぶときに悩んでしまう、という人もいます。
RIKU:あ~、そうですよね……。僕は小さい頃から音楽が好きで、6歳からドラムをやってるのでそういう悩みはなかったんですけど、周りの同級生の様子やSNSを通じていただくコメントを見てると、そういう人も多いんだなぁって感じます。
そんななかで思うのは、やっぱりいろいろなことをしたほうがいいんじゃないかって。いろいろなものを見たほうがいいと思うし、いろいろな人の話を聞いたほうがいいと思うし、いろいろな場所に遊びに行くのもいいと思います。
たとえば写真が好きだから写真に携わる仕事がしたいって言っても、写真関係の仕事ってたくさんあるじゃないですか。
-そうですね。写真家とか、写真展などのイベント作りに携わる人とか、カメラレンズのメーカーとか、写真集を出す出版社とか。
RIKU:そういうふうに選択肢はたくさんあるけど、家に居るだけじゃそれは見つけられないかもしれない。それに自分の目と耳と身体と全部を使って探しにいくのが一番後悔しないと思うんですよね。
大学の友達と遊んだり飲みに行ったりするのも楽しいかもしれないけど、その間にできることは他にもあるだろうし、そこで周りとの差が生まれると思うんですよ。
だから時間のある人は、そういうふうに知らないことを知っていって、そのなかで「将来はこれをやっていきたいな」っていうのを明確にさせられたらいいんじゃないんですかね。
大学生のときって自由に使える時間も多いと思うので、それをする期間としては最適なんじゃないかなと思います。
迷ったら記憶に残るほうへ。全力で立ち向かった経験は人生の財産になる
LIKI:僕はよくたつや◎と「結局人は記憶に生きるよね」っていう話をするんですよ。記憶って、生きているなかでどんどんなくなっていっちゃうものじゃないですか。それでも記憶に残るほどの出来事って、ちゃんと人生経験になっていくというか。たとえそのときは苦しかったとしても、経験値として自分の中に溜まっていくんですよ。
僕らの場合は、バンドを始めたときにYouTubeを始めて、そのときは正直つらいと感じることもあったんですけど、いろいろなことを試していくなかでちょっとずつ再生数も増えていって、それが自信に繋がっていきました。そういう自分のなかに根強く残るような経験をこれからもどんどんしていきたいですし、そうやって僕は派手に生きていきたいですね。
たつや◎:きっと成功か失敗かっていう目先の「結果」はあんまり重要じゃなくて、そのために自分がどれだけ頑張ったかっていう「過程」が一番大事なんですよ。だから進路に悩まれている学生さんも、自分が全力で立ち向かえる、全力で覚悟を決められるほうを選んだほうがいいと俺は思いますね。
「こっちだったら多分成功できるっしょ」みたいな軽い気持ちで楽なほうを選ぶと、意外と成功しても失敗しても記憶に残らなくて、そのあとなにか新しいことをやるにしてもゼロからのスタートになってしまう。
でも記憶に残るぐらいの努力ができるという覚悟をもって方向を選んで、そのまま努力を続けられれば後悔は残らないから、結果的に失敗したとしても、次のスタート時点では1も2も積み重なった状態になれてると思うんですよ。
-そうですね。「Treasure」という曲に「1000の命がやろうと思ったことも実際は100人くらいしか行動に移せない さらにその中で苦難を乗り超え続けて継続できる奴は 一握りだった」という歌詞があるじゃないですか。あれって真理だと思うし、「継続できる奴」側にあたるACE COLLECTIONが唄うからこそ説得力のあるフレーズだと思うんですよ。
たつや◎:いや、実は俺も「自分は努力を継続できる一握りの人間だから」とは思ってないんですよ。
努力を継続させることって、一番当たり前で、でも一番難しいことですよね。心からそれができちゃう人もいるかもしれないですけど、俺は決してそうじゃない。「やらなきゃいけない」って分かってるけどなんとなく手をつけない、後回しにしちゃうことも普通にある。
正直言うと、最初の一歩はめちゃくちゃ重たいし、俺はいっつもマジできついと思ってます。だからこのフレーズは「今後行動に移せなくなる可能性のある自分」に向かって唄ってるんです。
-それでも一歩踏み出そうと思えるのはどうしてでしょうか。
たつや◎:「やっぱり“継続は力なり”じゃん!」って実感できた経験があったからですね。
俺はACE COLLECTIONを組む前にTwitterに弾き語り動画を毎日アップしてたんですよ。周りには「たつや◎が頑張ってるから俺もやるわ」って言ってる人もいたんですけど、結局実際に毎日継続してやった人は誰もいなくて、僕は毎日続けた結果、自分だけどんどんフォロワーが増えていって。
LIKIがさっき言ってたYouTubeの話もそうですけど、そもそも格言(=継続は力なり)があるくらいなんだから、やっぱりなにかを続けていけばいつかはちゃんと形になるんですよね。
あと今の俺の場合は、責任感というか「メンバーを背負ってるんだ」っていう気持ちがあるからこそ「よし、頑張ろう!」って思えてます。たとえば「恋人が“あなたの頑張ってる姿が好き”と言ってくれるのがうれしい」「だから頑張ろうと思える」っていう人もいるだろうし、モチベーションっていうのは人それぞれ違いますけど、それはきっと重い一歩を踏み出す糧になるはずなんですよ。
そうやって一歩踏み出して、踏み出した先で全力を尽くせば、その出来事はきっと記憶に残るしいい経験にもなる。そういうことを積み重ねていったらきっと人生楽しくなるだろうし、僕自身もそうやって生きていきたいですね。
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【 僕だけが17歳の世界で 】主題歌 ACE COLLECTION『70億にただ1つの奇跡』MusicVideo
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