学園祭で足湯を出店!? 温泉ラバーを増やしたい『東大温泉サークルOKR(おける)』
東京大学にはさまざまなサークルがあり、中にはテレビで取り上げられるような、魅力的な活動をしているサークルも少なくありません。
『東大温泉サークルOKR』も、そんなサークルの一つです。といっても、普段どのような活動をしているのか……知らないという人も多いでしょう。
そこで今回は『東大温泉サークルOKR』の活動実態に迫ります!
温泉を楽しみ、その魅力を発信
『東大温泉サークルOKR』の代表・高舘直稀(たかだて なおき)さんにお話を伺いました。
代表の高舘さん(写真中央)
――まず『東大温泉サークルOKR』について教えてください。
『東大温泉サークルOKR』は「自分たちが温泉を楽しむだけではなく、その魅力を発信する」ことをモットーに活動しているサークルです。
日々の温泉巡り以外に、訪れた温泉の情報をブログやSNSで発信したり、温泉地と提携した企画を行ったりしています。
今年5月に行われた東大の学園祭「五月祭」では、三重県の榊原温泉から直送した温泉を使った足湯コーナーを出したり、温泉水を使用したドリンクを販売したりしました。
五月祭での足湯の模様
――いつ創設されたサークルなのでしょうか?
2015年8月に創設されました。今年度は5期のメンバーを迎えて活動しています。
温泉は一人でも入ることができますが、一人ではなかなか行きにくいような、へき地にある温泉もあります。
そのような珍しい温泉に入ったり、温泉好きのメンバーと情報を共有し合える環境をつくるのが、サークルとして活動する意義なのではないかと考えています。
また、温泉地との提携企画などを通して、単独での活動ではなかなか知ることのできない情報が得られることもあり、それもサークル活動ならではの魅力になっています。
温泉を心行くまで堪能する活動内容
――普段の活動内容を教えてください。
まずは「日々の温泉巡り」です。月に2回ほどの頻度で、東京近郊の温泉を巡ります。
また春と夏の長期休暇中には、それぞれ2回ずつ計4回の合宿を行います。合宿は2泊3日ですが、およそ15湯程度を回るので、移動と温泉で一日が終わるほどです。
――温泉好きにはたまらない合宿ですね。
「温泉の情報発信」も大事な活動です。公式ブログにて、サークル活動で訪れた温泉や、個人で訪れた温泉の情報を発信しています。
また、TwitterやInstagramでも活動情報を発信しています。その他、各種メディアで記事の執筆も行っています。
――先ほどお話にありました「温泉地との提携企画」はどんな内容ですか?
企画によってまちまちですが、学園祭で温泉地ゆかりの商品を販売したり、温泉地の方と一緒に商品を開発したりしています。
提携企画は、自分たちから温泉地にお願いすることもあれば、温泉地の方からお声掛けをいただくこともあります。
榊原温泉との提携企画での一幕
――これまでの活動で、最も印象に残っていることは何ですか?
私が新入生のときに、新歓活動の一環として温泉巡りをしたのですが、そこの温泉に入るや否や、先輩たちが湯口に手を当て温泉を飲んだことが印象に残っています。
自分もそれなりに温泉に入っていて温泉好きであるという自負があったのですが、このサークルに入ってから、「温泉の魅力は五感で楽しむ」ということを新たに学びました。
――自分よりも上のレベルの愛好者に出会ったということですね。ちなみに高舘さんお薦めの温泉はどこですか?
おすすめはたくさんあり過ぎて、一つに絞るのが難しいのですが、自分の地元が岩手県なので、岩手県の国見温泉をお薦めしたいです。
宿に近づくと車の中にいても硫黄臭が感じられるほどで、お湯はびっくりするほどの緑色。湯船に足を入れると大量の湯の花(※)が足にまとわり付いてきます。
飲泉も可能ですが、マグネシウムが多くてあまりおいしくないですね。このような、とても刺激的な地元の温泉が、自分の温泉の原体験になっています。
※温泉の成分が結晶化したもの
温泉を五感で楽しむ!
――『東大温泉サークルOKR』のモットーを教えてください。
サークルのモットーは「自分たちが温泉を楽しむだけではなく、その魅力を発信する」です。
また、自分たちが温泉に入るときは「五感で楽しむこと」に気を付けています。ただ入って気持ちよかっただけで終わるのはもったいないので、できるだけ感覚を研ぎ澄まし、温泉体験を鮮烈なものにできたらと考えています。
泉質については成分表に記載されていますが、温泉には成分表に記載されているような無機物だけではなく、有機成分も含まれており、入る時々によって感じ方が変わります。
そうしたわずかな変化も感じ取れるようになりたいと思っています。
――高舘さんが、代表としてこだわっていることはありますか?
このサークルには温泉好きなメンバーが集まっていますが、泉質にこだわるメンバーもいれば、歴史や建造物を含めて温泉に興味を持つメンバーもいるなど、その好みはさまざまです。
そうしたメンバーのいいところを、うまく生かすことができるようになりたいと考えています。
――人気サークルだけに「入りたい!」という人が多いと思いますが、どんな人に入ってもらいたいですか?
まずは「温泉好き」な人に入ってほしいです! といっても、温泉に関する知識や経験は必ずしも必要ではありません。サークルの活動を通して、知識や経験を積み重ねてくれればいいと思っています。
また、新歓活動中に「理系の人でないと入るのは厳しいのではないか」という質問を受けることがよくあります。温泉に含まれている成分などのイメージで、理系の知識が必要なのかと思われているようですが、そんなことはありません。
文系・理系問わず、温泉好きな人に入ってもらい、自分なりの温泉に対するこだわりを共有してくれたらと思います。
地方の温泉地活性化の一助が今後の目標
――最後に、今後の目標や展望を教えてください。
近年、都市部では新しい温泉施設が増えており、若い人でも気軽に温泉を楽しむようになっています。
しかし、地方に行くと若いお客さんがなかなか来ないという温泉地も数多くあります。
勝手ながらもこのサークルの活動を通して、大学生など若い人たちに働きかけ、少しでも多くの温泉地がにぎわうようにお手伝いができればと考えています。
――ありがとうございました。
『東大温泉サークルOKR』は温泉の魅力を広く発信するだけでなく、ときには温泉地と提携した企画を実施して地域活性化を目指すなど、大きな視野と規模で活動を展開しているサークルでした。
今年の新部員募集は締め切られていますが、興味のある人は募集が始まったら応募してみてはいかがでしょうか。また。公式HPには、旅行サイト顔負けの温泉地レビュー記事がアップされています。「どこか温泉に行きたい」という場合は、ぜひ参考にしてみてください。
⇒『東大温泉サークルOKR』公式HP
http://okr-u.tokyo/visitor
(中田ボンベ@dcp)