人種問題を考えるきっかけになるかもしれない映画5選

編集部:いとり
2019/05/04
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近年はアカデミー賞に対しても「白すぎるオスカー」という批判が起こり、人種差別についての議論が絶えません。そんな中、アフリカ系のマーベルヒーローを描いた『ブラックパンサー』がアカデミー賞7部門にノミネートされるといったニュースも聞かれます。今回は人種問題を考えるきっかけになるかもしれない映画をご紹介します。

3月22日公開! KKKに潜入捜査した黒人刑事の実話を基に……

『ブラック・クランズマン』(2018年)

白人至上主義団体「KKK(クー・クラックス・クラン)」がメンバーを募集しているのを見かけた黒人刑事がそこに電話を掛けると……声のチェックだけでメンバーになれてしまった、というのがそもそもの始まり。集会などには出られませんから白人の刑事を代役に立て、黒人・白人のコンビでKKKへの潜入捜査を続けるというお話です。

興味深いのは、これが実話だということ。1979年にコロラド警察のロン・ストールワースという黒人刑事が、KKKの最高幹部であったデービッド・デュークに電話をかけ、直接話した末に、本当に入団を認められてしまったのです。この際デュークは「私は声を聞けば黒人か白人か分かる」と言ったそうです。いい加減なものですね。

本作はこの実際にあった話を基にしていますが、才人スパイク・リーが監督ですから一筋縄ではいきません。事実に肉薄するようなドキュメンタリーではなく、コメディーにも見えるようなエンターテインメント作を指向しています。ただし、核にあるのは間違いなくリー監督の怒りです。本作は「70年代と何か変わったか? 今でも差別はあるじゃないか」という怒りを表明した映画なのです。

マーベル世界初の黒人ヒーロー!

『ブラックパンサー』(2018年)

「ブラックパンサー」はマーベル・シネマティック・ユニバースに登場した初のアフリカ系ヒーロー。しかも、アフリカ中央部に位置する国「ワガンダ」の王子様という設定なので、ネイティブ・アフリカンです。ワガンダは宇宙から来た特殊な鉱物ヴィブラニウム(ダイヤモンド以上に硬く、ウラニウム以上に大きなエネルギーを取り出せるという設定)を産出します。その力を利用して独自の科学を発展させ、鎖国状態にして自国を守ってきました。

このワガンダは白人の侵略を逃れ、独自の発展を遂げたアフリカの人々の独立国家。歴史的にあり得たかもしれない国を体現しているのです。また、本作に出演する俳優やライアン・クーグラー監督はじめスタッフの多くがアフリカ系です。

近年「白すぎるオスカー」という批判がアカデミー賞に対して起こりましたが、本作は第91回アカデミー賞で「作品賞」「美術賞」「録音賞」「音響編集賞」「歌曲賞」「作曲賞」「衣装デザイン賞」の7部門にノミネート。もし作品賞を受賞すれば、マーベルヒーロー映画初の快挙と話題になりました。

正しいことをしろ! 何が正しいか考えろ!

『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989年)

本作もスパイク・リー監督作です。本作では監督だけではなく、製作、脚本、主演も務めています。舞台はうだるような暑さの、真夏のブルックリン。主人公ムーキーはアフリカ系アメリカ人ですが、イタリア系アメリカ人サルが経営する黒人街のピザ屋で働いていました。

あまりの暑さに街の住人たちのイライラは募る一方で、あちこちで不満が爆発します。サルの店には、ムーキーの友達がやって来て、客は黒人ばかりなのだから店内にはイタリア系の人物の写真ではなく、マルコムXやマイケル・ジョーダンなどアフリカ系の人物の写真を飾るように言うのです。しかし、サルは拒否。ムーキーに友達を店の外に出し、説得するように言うのでした。

ところが、ムーキーの友達はサルの店をよく思っていない2人を加勢に連れ、また乗り込んで来るのです。これが大乱闘になり、ついには警官がやって来て……というストーリーです。警官が行うことがまたひどいので、観客は「ああ……」と本作の展開にぼうぜんとしてしまうでしょう。本作は、日本人には理解しにくい「人種間の緊張」を描いていますが、「正しいことって何だろう」と考えさせられる作品です。

人種差別をテーマにしたSF映画

『第9地区』(2009年)

1982年、南アフリカ共和国のヨハネスブルグ上空に巨大なUFOが現れます。船内を調査したところ宇宙人の難民が発見されます。彼らは「第9地区」と呼ばれるエリアに隔離、収容されました。28年後、エイリアンが増えてきたので「第10地区」を造り、移送しようとします。

ところが、第9地区の管理・監視を行う職員であるヴィカスが謎の液体を浴びて、徐々にエイリアンに変わっていくという事態になります。ヴィカスは第9地区に逃げ込むのですが……というストーリーです。これは差別する側だった人間が差別される側になったらどうなるだろうか? という、一種の寓話です。

現実の問題を「仮の話」にしてSF作品に仕立てるというのはよくある手ですが、本作はかつてアパルトヘイト政策が行われていた南アフリカ共和国が舞台。「人種問題」をテーマとしているのは明らかですね。

いつまでも「何も知らない」ではいられない!

『アラバマ物語』(1962年)

ハーパー・リーの小説『To Kill a Mockingbird』(「ものまね鳥を殺すのは」:邦題は『アラバマ物語』)を原作とする映画です。

アメリカ南部のアラバマで起こった白人女性への暴行事件で、黒人青年トム・ロビンソンが容疑者として逮捕されます。ジェム、ジーン兄妹の父親であるアティカス・フィンチは街でも尊敬される弁護士で、この事件を担当しトムの弁護をすることになります。

トムを救うために苦心するアティカスの法廷闘争がメインの見せ場ですが、アティカスの子供たちの視線や、全く外出せず姿を見せない「ブー」が本筋に絡み、物語はある結末を迎えます。本作は人種差別を扱った映画ですが、純真無垢だった子供たちの成長、大人になることの悲劇性を描いた作品でもあります。もう60年近くも前の白黒作品ですが、誰もが一度は見るべき傑作です。

他にも人種問題を扱った映画はたくさんあります。『ブラックパンサー』『ブラック・クランズマン』と一緒に第91回アカデミー賞にノミネートされた『グリーンブック』も、人種問題を扱ったコメディー映画です。人種のるつぼといわれるアメリカでは、人種問題は身近で深刻なもの。映画を見ることが理解を深める一助になるかもしれませんね。

(柏ケミカル@dcp)

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好きなものはチョコとビールと音楽と映画。ネトフリ廃人。ときどき絵を描きます。
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