「やりたいことが見つからない」ってそんなにダメ? 無敵な大学生の今、できること #大学1年生の転び方
4月から大学に進学する予定のうら若きみなさま、そしてかつて大学生だったのは何年前なのかもはや記憶があやふやになっているみなさま、ごきげんよう。
4月になっても特に環境の変化はなく望むものは穏やかな生活の現状維持のみ、ものすごい愛です。
このたび、ライターで大学教員のトミヤマユキコさんと一緒に、『大学1年生の転び方』という連載をスタートさせていただくことになりました。
以前までは『ものすごい愛のお悩み相談室』という新社会人向けの連載をさせていただいており、無職のわたしに新社会人の相手をさせるとは……! とマイナビさんの懐の深さに感謝しておりましたが、今回は大学生がお相手の連載とのこと。
わたしが大学に7年も通ったということをついにイジり始めているあたり、マイナビさんはなかなか意地悪なようです。
この連載では、大学生のみなさま、そしてかつて大学生だったみなさまからさまざまな失敗談や心配事をお聞きし、「大学生活、失敗してもいいんだよ! 立ち上がりさえすれば転んだって平気だよ!」というポジティブな姿勢をモットーに、転び方・立ち上がり方を提案させていただきます。
さて、今回大学生の方から寄せられた「転び」エピソードはこちらです。
目標がないので何をしたらいいかもわからず、ダラダラと過ごしているだけです。こんな生活から早く抜け出したい!!!
(男性/19歳/大学1年生)
なりたい職業ややりたいこと、将来の目標って……別になくてもよくない??!!?
将来の展望が明確だったり、人生の目標を具体的に持っているということはもちろん素晴らしいことですし、そのおかげで自分が何をしたらいいか、どういうベクトルでどれだけ努力したらいいかがわかるので、将来の目標はあるに越したことはありません。
しかし、それができている大学生っていったいどれぐらいいるのでしょうか?
わたしが大学生だったころ
ちなみに、わたしも大学生の頃はやりたいことが全くありませんでした。
大学受験のタイミングでも決まっておらず、次々と志望校や志望学部を決めて勉学に励んでいる同級生たちを尻目に、何も考えていない自分に焦りを感じていました。
わたしの親の教育方針は「一人で生きていけるだけのスキルを身につけさせる」という至ってシンプルなものだったので、親の薦めもあり、国家資格が取得できる医療系の大学に進学しました。
もともとは漫画や小説が好きだったこともあり「編集者っていいなー」という漠然とした気持ちがあったり、昔からテレビっ子だったため「テレビ関係もいいかも」なんて夢とは言えないぐらいふわふわした考えは持っていました。
しかし、その目標への具体的なプロセスを考えるのすら面倒で、勉強はおろか調べることもせず、ましてや学費を出してくれる親に自分の考えを話すエネルギーすらなかったのですから、今思い返してみてもその程度だったのでしょう。
結果的に親の薦め通りの大学に、勉強をしたくないという甘えた考えから一般推薦で入学し、人よりも時間がかかったなりに、とある医療系の国家資格を取得し、その資格が生かせるところに就職しました。
現在はもう退職しましたが、働いているときは別に「一人でも多くの尊い命を救うぞ!」なんて熱い思いがあったわけでも、「この仕事に就いてよかった!」と心から仕事に励んでいたわけでもありません。
当然給料に見合うだけの仕事はしていましたし、社会人として責任のある立ち居振る舞いは心掛けていましたけどね。
無理に目標を探さなくても大丈夫!
モチベーションの持ち方や、モチベーションをどこに据えるかは人それぞれ違います。
中には仕事で結果を残すことが生活を維持する上でのモチベーションになる人もいますが、わたしの場合はおいしいものを食べ、好きな服を買い、たまに旅行に行く、という生活のために仕事をしていました。
特別やりたかったことがあって、それを仕事にしていたわけではありませんが、これも案外楽しいものなんですよ。
だからあなたも、やりたいことや目標がないという今の状況に卑屈になる必要はありません。
焦って目標を探したりやりたいことを無理矢理決めたりしなくてもいいのではないでしょうか。
でも、具体的な目標ややりたいことが見つかったときに動けるようにしておく努力はするべきだと思います。
何かにチャレンジしたいと思ったときに、自分1人だけでできないことはたくさんあります。
きっと、あなたの親が協力者やスポンサーになるでしょう。
その親を、いざというときに納得させられる行動を今から取っておくのが未来のあなたにとって得策です。
選択肢を広げるために、今できること
大人になってから、社会に出てから、自分の向き不向きが明確になり、本当にやりたいことが見つかることはいくらでもあります。
そのためにも、学生のうちに学生としてやるべきことを、選択肢を広げるために積極的に取り組んでいってほしいと思います。
勉強や資格試験はもちろん、人との繋がりを大切にすることや人としてのマナーを守ることなども含まれます。
比較的時間に余裕があり、フットワークも軽く、意識しなくとも無敵でいられる大学生のうちに。
社会に出て自分でものごとを決められるようになったとき、「あのときやってたこと、なんか今になって生きてる気がする」と思えるよう、充実したキャンパスライフを送ってください。
北海道出身。心身ともに健康だけが取り柄の、元社蓄のしがない主婦。洗濯洗剤はジェルボール派。AMにて『命に過ぎたる愛なし』を連載中。
連載:命に過ぎたる愛なし
初のエッセイ本『ものすごい愛のものすごい愛し方、ものすごい愛され方』が4月30日発売予定。Amazonより予約受付中。
Twitter:@ mnsgi_ai
北海道生まれの関東在住。文字とイラストを描きます。好きな食べものは梨。
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