「とにかく飛び込めばいい」岡田将生さんが落語に挑戦して感じたこと #昭和元禄落語心中
現在好評放送中のドラマ『昭和元禄落語心中』で八代目 有楽亭八雲(菊比古)役を演じている岡田将生さん。戦争の時代の落語家たちの生き様や芸の絆に結ばれた若者たちの熱い友情、師弟や男女の情愛、嫉妬、別れ、そして無二の親友の事故死を巡るミステリー……。さまざまな要素をもつ本作で、クールで謎多き噺家を演じる岡田さんは、今回、落語に初挑戦したそう! 岡田さんに本作についてお聞きするとともに、学生の窓口読者である大学生へ向けてメッセージをいただきました。
取材・文/落合由希
写真/為広麻里
編集/学生の窓口編集部
INDEX
1.落語は自分自身との闘い!
2.落語で学んだのは、俳優としての視点と「人はひとりじゃだめだ」ということ
3.挑戦に心がまえなんていらない。「とりあえず飛び込め!」
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落語は自分自身との闘い!
ーー最初に今作のお話を聞いたときはどのように感じましたか?
最初にお話をいただいたのは1年前だったんですが、落語のらの字も知らなかったので、どう演じるのか全然想像もつきませんでした。でも、少しずつ落語を知っていく中で、落語監修をしてくださっている柳家喬太郎師匠に噺をする楽しさやネタ自体の面白さを教えていただき、落語を好きになっていって……今ではどハマりしています。
ーーそんなにハマってるんですか!?
落語を稽古していると、だんだん欲が出てくるというか、自分がどうしてもやりたいと思う噺が出てきてしまって。助六や与太郎が本当にみんなを笑わせるネタをやるので、それを袖で見ているうちに「僕もちょっとは笑わせたいな」と思うようになってきたんです(笑)。
それで、僕が演じる八雲がやるネタじゃないネタを……全然覚える必要ないのに、助六の噺のネタなんかをちょっとテキストを見て一緒に練習したりしてました。「こんなの覚えてる時間なんてないのに! もっと違うの覚えなきゃいけないのに!」と思いながら(笑)。そんな気持ちになる中で、「自分にあった落語を見つけていく作業はすごく大変なんだな、たぶん自分自身との闘いでもあるんだな」ということをなんとなく感じたりもしました。
ーー落語は撮影前にかなり練習されたそうですが、同じく落語に初挑戦された山崎さんや竜星さんと励ましあったりされたんですか?
撮影前にはほとんど会う機会がなかったんです。だから顔合わせのときに、初めてみんながどういう感じで稽古をしているのかを知って。2人とも忙しいから「そんなにできてないんです」と言ってはいるものの、全然できてるっていう……(笑)。
ーー学生時代「テスト勉強全然やってない」って言いながらいい成績とる人みたいな……。
そうそう(笑)。「(落語を)何個覚えた?」って聞いて「2個覚えたよ」って言われたら「もっと頑張んなきゃ」とか勝手に意識してみたり。でも、心強い部分もあるんですけど、結局落語は自分次第なので、どちらかというと「落語は大変」という気持ちを共有できたことがうれしかったです。
落語で学んだ「俳優としての視点」と「人は一人じゃだめだ」ということ
ーー初めて寄席に立ったときはどう感じましたか?
緊張するのかなと思ってたんですけど、やっぱり稽古を長くしてきたぶん、多少は自信がついていたのか、それとも八雲がやる噺自体が笑いをとる噺ではなかったからか、意外に自分の中でも淡々とやらせてもらいました。エキストラのみなさんも本当にお話を聞いてくださったので、すごく一体感があって「これがお客さんが入ったときの感覚なんだな」っていうのをすごく実感しました。
ーーお気に入りの演目や自分のいち押しの演目はありますか?
やっぱり「死神」ですね。若い頃の「死神」と、歳をとってからの「死神」って全然違うんです。師匠方ともどういう風に見せていこうかいろいろ話し合った上で演じているので、見てくださる方々にはそういうところも楽しんでもらえたらいいなと思います。
僕たちが稽古するときは、たとえば「今日は死神をやります」っていうと、僕のためだけに喬太郎師匠が目の前でやってくださるんです。時事ネタなんかも織り交ぜながら、楽しませながら僕たちに学ばせてくださるので、あの時間は何物にも代えがたいです。
しかも、喬太郎師匠が僕の「品川心中」を見てくださったときに「面白いね」って言ってくださって。で、何日後かにお会いしたら「この間触発されて、寄席で『品川心中』やっちゃった」と言われて……。その時は「やった!」と思いました(笑)。
ーー以前「落語を知ることができてよかった」と言われていましたが、なぜそう思ったんですか?
落語をやるということは、話の中に出てくるキャラクターを自分で作って、話の筋も自分で作って、それを俯瞰して監督として見なきゃいけないって師匠方に言われたときに、キャラクターを演じ分けることはもちろん、そういう視点を意識して落語をやるようになると、俳優としてすごく勉強になるんですね。
しかも、自分がどう見えているかということも客観的に感じながら稽古していかないといけないので、たとえば自宅の鏡の前でひとりでずっと稽古していると「あ、こういう風に見えてるんだ」と、今まで実はあまり自分のことをちゃんと見ていなかったことに気づくことがありました。そういったことを改めて意識することは、今後、この仕事をやっていく上でもすごくいい勉強になったなと思いました。
ーー今作では、八雲と助六の関係性も物語の魅力のひとつだと思いますが、助六との関係性についてはどう思われますか?
お互いを高めあっているけど、ひとりが嫉妬に壊れるとこういうことになってしまうというのは、こういう世界にいるとすごくわかります。「同じものを持っているのになぜあの人だけ」とか「僕のほうが……」と思うこともありますし……。だけど、そういう気持ちがないと自分を高めていけないんじゃないかなとも思います。
菊比古(八雲の若い頃の名)にとって助六は懐深く受け止めてくれる存在。助六との出会いがこの物語の始まりなので、演じていてもすごくつながりを感じますし、助六が亡くなってしまうシーンを撮影したときは「胸が締めつけられる」ってこういうことなんだなって思うくらい、その日一日すごく辛かったです。
ーー役作りで工夫した点や苦労した点はありますか?
僕は人見知りなこともあって、最初は共演者の方々とあまり話せなくて(笑)。その上今作は落語があることによって気持ちにも余裕がなかったんです。でも、そういう追い詰められていく感じが八雲(菊比古)につながっていけばいいなと勝手に思っていたんです。そういう役作りというか、どんどん自分を追い詰めていこうと思っていたときに、山崎(育三郎)さんや竜星(涼)くんが支えてくれたんです。
「一緒にいてくれるだけで安心する」と思ったとき、きっと菊比古にとってもそうなんだろうなと思いました。やっぱり人ってひとりじゃなくて誰かといなきゃダメなんだなということを現場で感じられたことはすごく大きかったですね。その結果、現場にもすごく自然体でいられるようになって。
それに気づくまでは、撮影が終わって家に帰ると地獄の日々でした(笑)。電気もつけたくないぐらい落ちて落ちて……。でも、共演者の方々と仲よくなってからは部屋の明かりをつけるようになりました(笑)。
ーーよかったです(笑)! さらに、今回の役は演じられる年代が10代から70代とかなり幅広いですが、そういった部分でも工夫されましたか?
話すスピードもそうですし、しゃべり方とか動きとか……声のトーンも気にしました。でも、それも監督と話しながらみんなで作っていった感じです。10代から70代までを演じるというのはなかなかできないことだと思うので、すごく贅沢なことだなと思いながら演じさせてもらっています。
ーーそんな八雲(菊比古)を演じる上で、いちばん大切にしたことはなんですか?
一つひとつのセリフを大事にしました。八雲が言うセリフはいろんな取り方があって、受け手次第で変わっていくように僕は感じていて。それも落語に通じてるんです。同じ噺でも話す人によって面白かったりつまらなかったりするというか。だからお芝居をしている上でもそういうものを出せたらいいなと思っています。
ーー八雲はどういう人で、どんなところに魅力があると思いますか?
一言では語れないですね。たぶんすごく愛がある人で、だけどそれをまったく表に出さないので、演じていても苦しいんだと思います。愛がなきゃたぶん、小夏なんて育てないですよ。だから……罪深い人間だと思いますし、愛に飢えていてずっと愛を探し求めている人でもあると思います。
挑戦に心がまえなんていらない。「とりあえず飛び込め!」
ーー今回岡田さんが落語に初挑戦されたように、大学生もこれからいろんなことに挑戦していくことになると思うのですが、何かに挑戦するときに岡田さんなりの心がまえはありますか?
「いいから飛び込め」しかないです(笑)。だって、結局飛び込んでみないとわからないですから。僕もけっこうかまえてしまうところはあるけど、結局自分なりに準備をしたものって、知ってからだとなんの意味もなかったというか、必要なかったことの方が多い気がして。大学に入ってからの学ぶ姿勢がたぶんすごく大切なんだろうなと思うので、やっぱり「とりあえず飛び込め!」と言いたいです。
僕はまだできないけど、海外に勉強をしにいくとか、ホントにすごく素敵だなと思うし、大学生のみなさんには、いろんなことにとりあえず飛び込んでみてほしいなと思います。
ーー最後に、将来のことや進路などで今悩んでいる大学生に向けて、メッセージをお願いします。
悩んでいること自体時間がもったいない気がするので、悩むくらいだったら自分がやりたいことを考えたほうがいいと思います。自分がどういうことに興味があるのかを探っているほうが、仕事につながるんじゃないかと思います。
みんなで集まって「悩んでるんだよね」ってグチグチ言ったところで何も変わらないから、自分の好きなことをやればいい。自分の好きなことを仕事にできるくらいいいことはないので。だから、悩む時間も大切かもしれないし、僕も悩んでいることが多いので気持ちはすごくわかるけど(笑)、でもやっぱり好きなことをやるほうがいい気がします!
初めて落語に挑戦する中で、最初は落ち込んだこともあったという岡田さんですが、練習していくうちに熱中し、今ではどっぷり落語に魅了されていると語ってくれました。岡田さんの今の活躍は、「とにかく飛び込んでみる」「とにかく学んでみる」という姿勢のたまものなのかもしれません。
●プロフィール
おかだ・まさき●1989年8月15日生まれ。東京都出身。おもな出演作は、映画『ホノカアボーイ』『告白』『悪人』『雷桜』『銀魂』、ドラマ大河ドラマ『平清盛』(NHK)、『リーガルハイ』(フジテレビ系)、『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)、舞台『皆既食 -Total Eclipse-』『ニンゲン御破算』など多数。主演映画『家族のはなし』が11月23日に公開される。
●ドラマクレジット
ドラマ10『昭和元禄落語心中』(NHK総合)
毎週金曜 22:00〜22:44
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取材・文/落合由希
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