「尊い」って最近よく聞くけどどんな意味? 類語もご紹介
若者言葉としての「尊い」に込められた気持ちや、類語を解説します。
「尊い」の読み方は元来「たっとい」「とうとい」とありますが、現代では「とうとい」の読み方で主に使われ、ご存知のとおり高貴、敬いたくなる存在、といった意味があります。しかし、最近SNSを中心に使われている「尊い」には本来とはちょっと違う意味が含まれています。SNSで見かけることの多い「尊い…。」のコメント、一体どんな意味で使われているのでしょうか。
尊いの意味とは?
「尊い」の言葉そのものは、若者言葉として使われる以前から一般的に使われていた言葉です。例えば「尊い命」「尊い思い出」と使われるように、とても貴重である様子や、尊重すべきものであることを表しています。
しかし2010年代後半頃からは、尊い存在をうけて感動する気持ちを表した表現として使われるようになっています。
「尊い」の意味がわかりやすいのが「推しが尊い」という使い方です。「推し」とは、特に応援しているアイドルや、好きなキャラクターのこと。ここで言う「尊い」は、推しが手の届かない場所にいて、自分にとって光り輝いている貴重で崇高な存在であることを意味しています。簡単に言えば「推しが素晴らしすぎる」「推しの存在は自分にとってかけがえのないものだ」ということです。
他にも「尊い」は作品の感想として使われることがあります。例えば、初めて見たマンガに深く心を動かされたときにも「尊い」が使われます。つまり、若者言葉での「尊い」には、本来の価値や高貴さを表す意味だけではなく、感銘の意味も込められているのです。
尊いの使い方
「尊い」は主にSNS上でよく使われます。「尊い」の使いこなし術を、ツイッターから画像をお借りしてご紹介します。
1点目は「尊い。」「ジーン…」が並んだ可愛いイラスト。
pic.twitter.com/8rByjh2c9T
— 尊い時にいいねRTする画像まとめ (@toutoiRTandiine) April 14, 2019
何かに感動し、「ジーン…」とした時に「尊い。」と使っています。
2点目はアニメ「鬼滅の刃」大好き少女が、主役をつとめる声優の花江夏樹さんとご対面した時の様子。
pic.twitter.com/jMrZYM5HuG
— 尊い時にいいねRTする画像まとめ (@toutoiRTandiine) December 6, 2020
感動のあまり尊いだけでは収まらず、「尊いが過ぎるぞ」と表現しています。
3点目は、マンガに出てくるキツネが可愛すぎてのツイート。
あかん!今度はキツネが可愛すぎる!
キュン死にしてまう! pic.twitter.com/1WmcdOvyxI
— c.j (@yddadapap1225) August 8, 2020
キツネの可愛さに気持ちが抑えられず「尊すぎて読めません!」と表現。
このように、若者言葉としての「尊い」は万人にとって価値が高いものというよりも、自分にとってかけがえのないものに対して使われるのです。
⇒画像引用:Twitter@toutoiRTandiine
尊いの類語
「尊い」の類語は、従来の意味であれば、高貴、貴重ですが、ここでは若者言葉の「尊い」の類語をご紹介します。
・琴線にふれる
「琴線にふれる」とは、素晴らしいと感じて心が動かされることを意味しています。自身の気持ちを琴の糸に例えた表現で、心が刺激され共鳴するような心情を表しています。
・エモい
「エモい」も2010年代に使われるようになった若者言葉です。英語のエモーショナルを略した言葉ですが、若者言葉では主に感動して心を動かされることを表現する際に使われます。
尊いを英語で表現すると?
「尊い」を英語で表現すると、従来の意味では「noble(高貴)」「precious(貴重)」と訳せます。それでは若者言葉の「尊い」はどのように訳せるのか見てみましょう。
・Adore
Adoreは日本語では、あがめる、崇拝する、熱愛する、を意味する動詞。Loveとは少し異なる気持ちの表現で、信仰心や強い憧れを意味しています。
・Touch the heartstrings.
Touch the heartstringsをそのまま訳すると「琴線にふれる」です。
まとめ
このように若者言葉の「尊い」は、存在が貴重であるという意味以外に、感銘や敬愛の表現として使われています。つまり、SNSなどで「尊い」と書き込んでいる人は今まさに何かに感銘を受けていたり、感動していたりするというわけなのですね。