賃貸借契約とはどんな契約? 賃貸物件を借りる際の手順も紹介
賃貸借契約とは?
「賃貸借」とは『広辞苑 第六版』によると、「民法上、当事者の一方(賃貸人)が相手方(賃借人)にある物の使用および収益をさせることを約し、相手方がこれに一定額の賃料を支払う旨を約することによって成立する契約(P.1848より引用)」となっています。つまり、お金を支払って何かを使わせてもうための契約、ということです。
マンションやアパートなどの不動産の場合は、お金を支払うことでその不動産物件を使用させてもらうための契約を結ぶことになります。これが「賃貸借契約」です。他には、例えばレンタカーなどもこの賃貸借契約を結ぶことで借りているものの一つです。
賃貸借契約の第一歩は入居申込書の記入
次は、物件の見学から賃貸借契約までのプロセスをご紹介します。
賃貸業者の案内で物件見学を行い、気に入った物件があればまずは「入居申込書」を書くことになります。入居申込書には、名前や生年月日、現住所、社会人なら勤務先や年収、連帯保証人の名前や現住所などを記入します。その内容を基に、物件を所有している業者や大家さんが「入居させてもいいか」を判断します。入居申込書の提出・審査の段階ではキャンセルも可能です。
最近では、連帯保証人ではなく、トラブル時に家賃などを保証する「家賃保証会社」との契約を必須とする賃貸業者も増えており、保証人欄の記入が求められないケースもあります。入居申込書の提出と同時に、「申込金(手付金)」を預けます。申込金は家賃1カ月分のところもあれば、数千円のところもあります。申込金は手続きをキャンセルした場合は返還され、契約が成立した場合は返還されるほか、敷金など諸費用に充てられるケースもあります。
入居審査はだいたい1週間ほどで終わり、無事に審査に通ったら、正式に契約を結ぶことになります。
審査に通ったら重要事項を確認!
正式契約を結ぶ前に、重要事項について「宅地建物取引士」の説明を受けることになります。重要事項とは、契約取引がどのような形(取引態様)なのかなど、契約自体の確認事項や、物件の現在の状況など建物に関する確認事項、そして家賃の金額や契約解除となる条件など、取引条件に関する確認事項がまとめられています。いずれも重要な項目なので、不利な条件になっていないか、宅地建物取引士と一緒に確認しましょう。
いよいよ正式契約!
重要事項確認が終わったら、次は賃貸借契約の締結です。賃貸借契約書は、物件の名称や所在地、間取りや面積の他に、どのような設備が備わっているのかが記載されています。また、賃貸契約期間や賃料の詳細、支払期限などの内容も賃貸借契約書で確認できます。
重要事項確認と同様に、宅地建物取引士が賃貸借契約書の内容を説明してくれるので、一つ一つどういった契約内容になっているのかしっかりと確認します。内容に問題がなければ、署名・押印します。このとき、大家さんも同席して署名・押印することもありますが、あらかじめ署名・押印されている書類が用意されていることもあります。無事に署名・押印が済めば、賃貸借契約は完了です。
お金はどのタイミングで支払うの?
入居に伴うお金は、
・1カ月分の家賃(入居タイミングによっては日割り分も加算)
・敷金(物件によっては保証金という名称)
・礼金(物件によってはない場合もあり)
・保証会社への保証金(連帯保証人が必要ない場合)
・火災保険料
・仲介手数料
などがあります。トータルで必要なお金は、入居予定物件の約4カ月分の家賃くらいだといわれています。例えば家賃が6万円の物件ならば、最低でも24万円は必要、ということです。これらの賃貸契約時に必要なお金は、正式契約までに指定の口座に振り込むケースが一般的です。
部屋の鍵はいつもらえるの?
部屋の鍵の受け取りは、基本的に契約書に記されている契約開始日になります。例えば、2月14日に正式契約を結んだとしても、契約開始日が3月14日からだと、その日まで鍵を受け取ることはできません。鍵は基本的に直接の受け渡しとなりますが、業者によっては郵送で対応してくれることもあります。引っ越し当日に鍵が受け取れていないといったトラブルを防ぐために、契約開始日を引っ越し予定日より少し前にしておくなど、余裕のあるスケジュールで契約しておくといいでしょう。
賃貸物件の入居では「賃貸借契約」を締結することが必要です。実際の契約時には宅地建物取引士がわかりやすく教えてくれるので、特に大きなトラブルに見舞われることなく契約ができるでしょう。ただ、契約をよりスムーズに進めるためには、契約の内容やその流れをあらかじめ理解しておくといいですね。
(中田ボンベ@dcp)