接客初心者は押さえておきたい!基本の接客マナーと上手い人に近づくためのポイント
大学生の定番アルバイトといえば接客業。コンビニ、スーパー、ファミレスなど、今まではお客様として使っていたお店で店員として働くことになります。
接客業でアルバイトをする人の中には、「接客業で働くのははじめて」「アルバイトをするのも初めて」という人もいますよね。そんな接客初心者の大学生の多くが不安に感じるのが「上手に接客できるかどうか」です。
アルバイト先の店舗には、教育係の先輩がいてマニュアルもあるはず。でも、接客初心者さんは心配ですよね。
今回は、接客初心者さんのために、接客で覚えておくべき基本、やってしまいがちなNG行為、接客が上手い人の特徴についてまとめました。「これから接客でアルバイトをする」「今、接客でアルバイトを探している」という人、参考にしてくださいね。
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接客初心者だから心がけたい基本心得5つ
大学生になって最初のアルバイトが接客業という人、多いのではないでしょうか。コンビニやファミレスの利用者として店員さんと接した経験はあっても、いざ自分が店員となって働くとなると緊張してしまうものです。
アルバイト先で簡単な研修やマニュアルはもらうものの、本物のお客様を前にして戸惑ってしまうこともありますよね。そんな接客初心者さんが心がけておきたい接客の基本心得を5つ紹介します。
それは、
- 笑顔
- 言葉遣い
- 身だしなみ
- お客様との適切な距離感
- 肯定的な態度
の5つです。
笑顔が大切!口角を上げて自然な微笑みができるように
「笑顔でいる人と仏頂面でいる人、どちらの店員がいるお店に行きたいですか?」と聞かれたら笑顔のいる人のお店に行きますよね。笑顔は「あなたのことを受け入れます」というサイン。顔は、お客様が店員を見るときに最初に目にする場所です。
いつも口角が上がっていて自然な笑顔をたたえている店員は、どこのお店でも人気があります。
接客初心者だった先輩の中にも「ウィスキーって言ってみて」と口角を上げる練習をさせられた人がいるはず。ウィスキーの「キー」を言ったときの口角の上がり方が低いと「もう一杯」と言われてやり直しになるのですが、普段からこの練習をしておくと自然な笑顔ができるような口角になりますよ。
言葉遣いは七大接客用語を使いこなせるように
笑顔が素敵でも言葉遣いが粗雑だと、お客様の印象が悪くなってしまいます。タメ口でお客様に接する人はいないと思いますが、最低でも7大接客用語は使いこなせるようになりましょう。
「七大接客用語」は頭文字を取って「いかもおおあし」と呼ばれます。
- いらっしゃいませ
- かしこまりました
- 申し訳ございません
- 恐れ入ります
- お待たせいたしました
- ありがとうございます
- 少々お待ちください
ここに「失礼いたしました」を加え「八大接客用語」と言われることもありますね。
接客用語を業務開始前にスタッフ全員で読み上げる現場もあります。大学生になると多くの人と交流する機会が増えますから、接客業でなくても覚えておくと役立つでしょう。
身だしなみはお客様のためのもの!清潔感を保つように
普段のファッションは自分のためのものですが、接客での身だしなみはお客様のためのものです。
あなたも、いつアイロンをかけたかもわからないシワまみれのシャツに、どことなく汗臭い人に接客されたら、嫌な気分になりますよね。あなたが対応するお客様も同じです。
アルバイト先に身だしなみ規定がある場合、「制服が気に入らない」「髪型や髪色の指定が嫌」ということもあると思いますが、規定としてあるならそれがアルバイト先でのドレスコードということです。ご来店いただくお客様を不愉快にしないためにもきちんと守りましょう。
お客様との適切な距離感を守って話しかけて
知らない人に思った以上に距離を詰められて嫌な気持ちになった経験はありませんか。家族であっても親密な仲の人であっても、「これ以上近寄られると不快」という距離感があります。
店員とお客様は、初対面の他人同士です。「もう少しで買ってくれそうだから」「大学ではこれくらいの距離感で話しかけるから」と必要以上に距離を詰めて不快に思われないようにしましょう。
他人同士で適切な距離は、1.2mから2.0mとされています。この程度の距離感は意識しておきたいですね。
肯定的な態度で!お客様のいうことは否定しない
お客様のいうことを否定しないでください。
「この商品の在庫はありますか」「もっと早くオーダー通らないの?」など、お客様の店員に対する声かけの中には、お店側でできないことがあります。
そんなときも「できません」と即答するのではなく、「確認いたします」「少々お待ちください」などのクッションになる言葉をおいてから、「申し訳ありませんが……」と否定するようにしましょう。
代わりになる案があれば、それを提案するとお客様の満足度が上がります。
接客初心者がやりがちなNGな行為とは
「先輩方の接客は接客の基本心得よりもくだけた感じがする」「もっとこうした方がお客様は気持ちいいはず」と、感じてしまうことがありますが、接客初心者のうちはオリジナリティは出さないに限ります。
オリジナリティを出すのは、接客の基本が身についてから。少なくとも半年から1年は勤め、ご来店いただくお客様の傾向をつかみ、あなたのファンができてからにしましょう。
そうしないと、思わぬクレームにつながる可能性がありますし、知らないうちに常連のお客様が離れる原因になってしまう可能性があるからです。
「接客の基本を守っていたのにクレームになってしまった」そんなときはこれらのNG行為にあてはまっているのかもしれませんよ。
- 態度が悪い・無表情・無愛想
- マニュアル通り過ぎて融通が効かない
- 言葉遣いが悪い・フレンドリーすぎる
- 身だしなみがルーズ・清潔感がない
詳しく説明しますね。
態度が悪い・無表情・無愛想
片足に重心をかけて立つ、あごを上げたような状態になっていて人を見下した雰囲気を作る、礼の角度が浅くバカにしているようにしか見えない……。接客に慣れてくるとついつい気が緩んでしまうものですが、大学にいるのと同じ気持ちで接客をしているといつもの態度が出てしまい失敗します。
特に接客初心者の人がやってしまいがちなのが笑顔を忘れること。常に口角を上げて笑顔でいるのは、意識していないと忘れてしまいますし、表情筋が鍛えられるまでは身に付きません。
笑顔を意識するのを忘れると無表情・無愛想な顔になってしまいます。お客様から「怖い店員がいる」「感じが悪い」と思われてしまう原因になってしまいますよ。
マニュアル通り過ぎて融通が効かない
接客初心者は、お客様に「できますか」「ありますか」「わかりますか」と聞かれてもわからないことが多いもの。イレギュラーな対応もどこまで対応していいのか判断できません。
しかし、そこでマニュアル通りに「できません」「ありません」「わかりかねます」と言ってしまっては、融通が効かないお店という印象になってしまいます。
わからないことは仕方がないので「わかるものに聞いてきます」と先輩やお店の責任者に聞くようにしましょう。その際「お時間をいただき申し訳ないのですが、私ではわかりかねますのでわかるものに聞いて参ります」などと、伝えておくとトラブルになりにくいです。
言葉遣いが悪い・フレンドリーすぎる
接客用語や敬語は、口に馴染むまで時間がかかります。慣れるとお店に立った途端にスイッチが切り替わるものですが、なかなか上手くはいかないものです。
接客初心者が、慣れない言葉遣いに噛んでしまったり、口ごもってしまうのは構いませんが、慣れないからと普段のような言葉遣いは良くありません。大学にいるときのような口調で接客しないようにしましょう。
また、お客様と仲良くなった場合に「タメ口でいいよ」「俺のことは〇〇って呼んでよ」といわれることがありますが、NGです。あくまでもお客様と店員ということを忘れないようにしましょう。
身だしなみがルーズ・清潔感がない
「こういう着こなしの方がかっこいい」「ちょっとくらいなら清涼スプレーでごまかせる」「先輩もヒゲが生えたままのことがたまにあるし」と、身だしなみがルーズになったり清潔感をごまかさないでください。お客様はすぐにわかってしまいます。
身だしなみにこだわりがあるなら、制服や身だしなみの規定のないアルバイト先に勤めましょう。また、清潔感は飲食業に限らず人と接する仕事なら絶対必要なものです。「今日くらい、いいか」は通じません。
接客初心者は注意!間違いやすい接客用語集
接客初心者がやりがちなNG行為について紹介しましたが、間違いやすい接客用語も多いので、ご紹介します。
たとえば、七大接客用語の「お待たせいたしました」と「申し訳ございません」は
- お待たせいたしました→お待たせしました
- 申し訳ございません→申し訳ありません
のように「いた」「ござい」が抜けてしまうことがあります。聞き逃してしまいがちですが、しっかりと覚えて使えるようしましょう。
よく聞く接客用語なのに実は間違っているもの
接客業の現場で多く使われる言葉でも間違えて使ってしまいやすいものをご紹介します。
○円からお預かりいたします
正)○円お預かりいたします
コンビニなど、お金を取り扱う機会のある接客業でよく使われるものですが、間違えて使っている人も多いようです。「~から」というのは、例えば「○○さんからお預かりした」といった、人から何かを預かる際に使われるものなので、お金を受け取る際に使うのは適切ではありません。
~のほうでよろしいでしょうか
正)~でよろしいでしょうか
こちらも間違って使っている人が多い言葉です。「~のほう」は対象が複数ある場合に使うもので、例えばコーヒーが二つあるうちの一方を指す場合に、「こちらのほう」といった使い方をします。丁寧に聞こえるので使ってしまいがちですが、誤った使い方なので注意です。
~でよろしかったでしょうか
正)~でよろしいでしょうか
「~でよろしかったでしょうか」は、過去のことを確認する際に使うものです。例えば数日前のアポイントメントを確認するために使うのは間違いではありません。しかし「コーヒーでよろしかったでしょうか」など、注文の確認や、料理を運んできた際などでは間違った使い方となります。
~になります
正)~です
例えば「ナポリタンになります」「領収書になります」「あちらになります」など、接客シーンでは必ずといっていいほど使われますが、これも誤っています。「~になる」は、状態が変化したものに対して使う言葉なので、そうでない場合には適切ではありません。
接客用語は働いていく中で身に付いていくものですが、間違って覚えるとなかなか直らないものです。アルバイトだけでなく、社会人になってからも誤った使い方を続けてしまわないように、早いうちから正しい使い方を覚えておくといいですね。
お客様に話しかけるのが怖い!接客初心者が心がけるべきこと
接客初心者が抱えがちな悩みが「お客様に話しかけられるのが怖い」「お客様に話しかけれない」というものです。
接客初心者はお店や商品に対する知識も不足しており、お客様がどんな質問を投げかけてくるかも予測できません。知らないことが多いほど、怖くなるものです。
「お客様に話しかけるのが怖い」の対処策は、ただ一つ。場数をふみ経験を増やすことです。
お客様との受け答えが怖い原因のほとんどは、
- 商品知識がない
- 作業手順に自信がない
- 教わっていない作業がある
です。
これらの解決方法は、商品やマニュアルの勉強をし、作業を体で覚えていくのが一番です。ほとんどのアルバイト先で初心者アルバイトの試用期間は3ヶ月あります。この期間は「初心者だから」と多めにみてもらえる期間。怖いかもしれませんが、お客様からも同僚からも初心者と言ってもらえるこの期間を利用して克服していきましょう。
業種別!接客初心者が押さえたいコツ
ここで、接客初心者が押さえておきたい接客のコツを紹介します。
大学生がアルバイトとして入りやすい
- 飲食店バイト
- レジスタッフ
- アパレルバイト
を紹介しますので参考にしてください。
飲食のホールスタッフはお客様の動きに注目
飲食店のホールスタッフは、席についているお客様から声をかけられることが多く、想定していたこととは違う事態が起こりやすい接客業です。
お客様の食事の進み具合による要求を予測しながら動くことになるので、常にホール全体の様子に注目しておく必要があります。
先輩方の足手まといにならず、お客様にも満足してもらえるようにホール業務をこなすには、ホール業務中の優先順位を決めておくことが重要です。これは先輩方に聞いておくといいでしょう。
たとえば、キッチンから配食で呼ばれているのに近くにいるお客様からレジや注文で呼ばれた場合はどうすればいいのかなど、緊急度が高い順やお待ちいただいたときにクレームになりやすい順を教えておいてもらうとスムーズです。
レジスタッフは間違いがなくスムーズな会計が大切
コンビニバイトやスーパーのレジ打ちバイトは、金額に間違いがないことが大切です。
レジにずらっとお客様が並んでしまうと焦ってしまいがちですが、レジを打ち間違いお客様にお渡しするお釣りが違ったり、お支払いいただく金額を間違えるとクレームにつながります。
どれだけお客様が並んでも焦らず丁寧に業務をこなすようにしましょう。初心者のうちは「研修中」マークがつくものです。初心者期間に丁寧に間違わないレジ打ちを体に覚えさせれば、慣れていくうちにスピードもついてきます。
アパレルは声かけのタイミングが命!
アパレルバイトは、お客様への声かけのタイミング命です。自分で商品を選んでレジまでお持ちいただけるお客様もいらっしゃいますが、できれば店員から声をおかけして商品選びのお手伝いをしたいですね。
お客様が商品を手に取ったタイミングで声をかけ、商品の案内をして欲しそうな雰囲気ならそのままご案内を。反応がいまひとつの場合や「必要ならこっちから呼ぶから」という場合は一旦引きます。
商品をおすすめすることで「ついで買い」も狙えますし、「私好みの商品をすすめてくれる店員さん」と感じてもらえればリピーターになる可能性も出てきますよ。
接客初心者が真似したい上手い人がやっているコツ
「マニュアル通りの接客ができる」「一般的な接客の基本が体に馴染んだ」そういう段階になってきた接客初心者さんは、接客が上手い人がやっている接客のコツや接客が上手い人の特徴を真似してみましょう。
慣れないうちから意識しておくだけでも、ワンランク上の接客に近づけますよ。
接客が上手い人が持っている特徴にはこんなものがあります。
- お客様が好みそうな情報収集を怠らない
- お客様に合わせた接客ができる
- 基本の接客用語にプラスの一言を使う
- お客様のお話を聞く傾聴力が高い
お客様が好みそうな情報収集を怠らない
接客が上手い人は、アンテナが高い人が多いです。たとえば商品情報もお店から与えられる情報だけではなく、インターネットや競合店の情報も調べて頭に入っています。
お客様が興味を持つであろう情報を持っているので、お客様とのお話のときに話題に困りません。「私もその商品を使ってみたんですけど」「この前、雑誌でこんな風に紹介されたんですよ」「YouTuberの〇〇さんが使ってましたね」など、お店の商品が好きなお客様にも引けを取らない知識があるので、お客様を飽きさせないのです。
お客様に合わせた接客ができる
接客が上手い人は、独自のお客様リストを持っている人が多いです。常連のお客様の特徴や好み、家族構成などが頭に入っているので、お客様に合わせた接客ができます。
「先日ご来店いただいたときは、〇〇の香水がお気に入りでしたね」「昨年は、季節限定の商品をお使いでしたが、今年は別の色もあるんですよ」といった個別トークができるので、お客様から「私のことをよくわかってくれている店員さん」とコンシェルジュのように扱ってもらえます。
基本の接客用語にプラスの一言を使う
基本の接客用語に自然にプラスの一言を付け加えるのも、接客の上手い人の特徴です。
たとえば、雨の中お越しのお客様に「お足元が悪い中ご来店いただきありがとうございます」。商品お渡しでご来店のお客様に「いらっしゃいませ、お待ちしておりました。〇〇のご用意できております」など、単なる挨拶以上の挨拶ができるのです。
お客様のお話を聞く傾聴力が高い
接客が上手い人は傾聴力が高いという特徴を持っていることが多いです。傾聴力とは、簡単にいうと人の話を丁寧に聞く力のこと。
傾聴の姿勢でお客様の話を聞くことで、お客様が安心して自分の話をしてくれます。傾聴力が高いと、クレームも丸く収まりやすく、クレームを入れてきたお客様が「あなたに聞いてもらえてよかった」と感謝して去っていくこともあります。
接客初心者は基本の接客をまず覚えよう
接客業で初めてお客様と関わりを持つ瞬間は誰でも緊張します。でも、接客の基本を体が覚えていれば、失敗することはあまりありません。
最初は緊張しっぱなしかもしれませんが、3ヶ月もすれば慣れてきますよ。接客業で身につけたマナーやルールは社会に出てからも通用するものが多いです。きちんと頑張ればその分が自分に返ってきますよ。
(マイナビ学生の窓口編集部)
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