バイト代に税金はどれくらいかかる? 知っておきたい税の知識
大学生でアルバイトをしている人は少なくありませんが、学生のアルバイトでも一定以上の金額を稼ぐと税金がかかるのはご存じでしょうか。今回は、アルバイトをしている学生向けに「バイト代に税金はどれくらいかかるか」について解説します。
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■よく聞く「103万円の壁」とは?
バイト仲間から「103万円の壁」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。大学生のみなさんは多くの場合、親の「扶養」に入っています。「扶養」とは、生活の面倒を見てもらっている人(主に経済面)のことです。収入がない(あるいは十分でない)ため自活できず、親に面倒を見てもらっているケースなどが該当します。
親の立場でいうと「扶養親族(扶養の対象になる親族)」や「配偶者」がいれば「控除」があり、本来支払わなければならない税金が減額されるのです。つまり扶養親族になる大学生の子供がいれば、税金が安くなるというわけです。
しかし、この「大学生の子供」がアルバイトなどで103万円以上の収入を得た場合、「扶養」ではなくなってしまいます。すると、親は扶養親族がいるために受けられていた控除の権利がなくなり、その分多く税金を支払わなければなりません。
なお、所得税法上での「収入」とは、控除で減額される前の「給与等の収入」を指します。それとは別に「給与所得」があり、これは「収入」から「給与所得控除」を差し引いた金額を指します。ややこしいですが、税金の仕組みを理解するためには必要な知識ですので、覚えておいてください。
●なぜ「103万円」なのか?
税金の計算をする際、年収から控除分の金額を引いていきます。収入が少なく、控除金額を超えない場合には税金を支払わなくてもいいのです。控除には幾つか種類がありますが、そのうちの「基礎控除」と「給与所得控除」の合計が103万円となるのです。
基礎控除とは全ての人が受けられる控除で、38万円です。給与所得控除は、その年の収入から引かれる控除で、収入金額によって計算方法が変わります。なお、収入が180万円以下の場合の「給与所得控除額」は「収入金額の40%(65万円未満の場合は65万円)」となります。
アルバイトの収入はほとんどの場合「給与所得」でしょうから、年間の収入が103万円を超えなければ、親の扶養のままでいられます。年間の収入が103万円を超えた場合、親の扶養から外れるので、親は扶養控除が受けられなくなり、その分多くの税金を納めることになります。このように、税金(所得税)を支払うか、支払わないかの境目であるため、「103万円の壁」と呼ぶのです。