【富士通の先輩社員】法務・コンプライアンス・知的財産本部:川上千尋さん 2ページ目
川上さんの「ガクチカ(学生時代一番力を入れたこと)」は?
オーケストラのサークル活動ですね。サークルといってもちゃんとチケット代をいただいて、年3回ほど大きなコンサートをしていたので、本格的に練習する部活のようなサークルでした。演奏会では聴衆が1000人以上いる中で、自分の音だけが舞台上に響きわたる瞬間があるんです。全員の緊張が張りつめて失敗できない中で、あの一瞬だけはプレッシャーがピークに達します。そういった「一瞬の見せ場」に挑んだ経験は、今後、交渉の場面などでプレッシャーを感じる場面でも生きてくるのでは、と思っています。
仕事で役立っている大学時代の経験は?
サークル活動とは別に、専攻していた国際私法のゼミの一環で「国際模擬仲裁大会」にも出場していました。簡単に言うと、世界中の学生同士が弁護士役となり、討論し合う模擬裁判のようなものなのですが、ウィーンやフィンランド、中国など世界各国を舞台に英語での大会に挑戦したことはいい経験でした。模擬仲裁中は言いたいことがあるのにそれを伝えるための英語が出てこないシーンが幾度となくありました。発言できないということはつまり、何もアイディアが思い浮かんでもいないことと同じ。模擬仲裁の場面でも悔しい思いをしましたが、その後のパーティもつらかったです。簡単な英会話もできないまま臨んだので、会話の輪の中に入っていけないというもどかしさを感じました。その大会を機に英語がトラウマになりかけたのですが、その後1年間英会話を勉強して克服することができました。
また、この模擬仲裁への準備がオーケストラの活動と重なってしまう時期には、どちらも手を抜かずにやろうとしてもどこか限界があり、メンバーの一員として責任を果たせていないのではないかと苦しんだこともありました。しかし、それぞれのチームのメンバーが私の二足のわらじを理解してくれ、また助けてくれました。その経験から、チームメンバーのありがたさを感じただけでなく、チームワークは仲間同士が互いの境遇を理解し、それぞれを支えあえるメンバーがいてはじめて完成するもの、ということに気づきました。社会人になってからも人それぞれの考え方や組織への関わり方を大切に、周りの仲間とさまざまなことを達成していきたいと思っています。
就活前にやっておいたほうがいいことは?
就活に役立つかどうかは考えずに、自分が好きなことをとことん突き詰めるといいと思います。何か一つの分野に詳しい「オタク」の人って、話していてとても魅力的だと思うんですよね。わたしにとっては勉強してきた法律やオーケストラのこと、どちらも大好きでそのことなら熱く語れる自負があるのですが、就職活動で有利になるかどうかはあまり考えていなかったです。何かを突き詰めるといった好奇心や姿勢は、仕事においても発揮できることがあると思いますので、好きなことや興味があることをとことん突き詰めることが大切だと思います。
学生時代から海外の法律に興味を持ち、今まさに憧れの海外案件を担当しているという川上さんのキャリアは、理想のルートを辿っているように見えます。法律だけではなくオーケストラの活動を両立し、二つの「好き」を極めたからこそ、人としての魅力がより高まったのだと感じさせてくれました。
趣味:ホットヨガ
特技:ホルン
就活で受けた企業数:30社程度(エントリーシート提出)
志望していた業界:電機関連
今の会社の魅力:若手でも大きな仕事にチャレンジさせてくれるところ
文:田本麻未(M-3)
写真:田川智彦
取材協力:富士通株式会社